堅田香緒里のレビュー一覧

  • 生きるためのフェミニズム パンとバラと反資本主義

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    ネオリベラルフェミニズムという言葉をはじめて知る。

    大学のころはフェミニズムを学び、
    キャリアも子育ても、どちらも叶えるぞと息巻いていた。まさにシェリルサンドバーグの「lean in」のように。子供を産み、仕事を続け、そのどうにもならないしんどさに直面。

    女性が社会進出すること活躍することが、
    ある種の断絶や、自助努力と結び付いてしまう。
    どうしてこんなことになってしまったのだろう。

    どんな人だって、パンとバラを求めることができる。幸せに生きることができる。
    そんな社会をつくりたい。

    内面にある家父長制に苦しむけれど、
    わたしも魔女になりたいと、そう思う本でした。

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    2022年01月20日
  • お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?

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    ベーシックインカムについてその理念や方向性をメインに描かれたもの。ベーシックインカムできるかできないかではなく、ベーシックインカムが考える世界で「あなたはどう生きるか」を問うている。

    また、ジェンダーや民主主義など多面的な立場からベーシックインカムを述べていて、労働や経済が社会の様々な問題に大きな影響を与えていることを実感した。

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    2021年03月25日
  • 生きるためのフェミニズム パンとバラと反資本主義

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    タイトル通り、たしかに本書の通奏低音として「フェミニズム」が流れている。ただ、一読した感想としてはもう少し射程が広く、女性を含めた弱者全般を扱ってるといったほうが正確。実際、社会的成功をおさめたアッパークラスの女性による、いわゆるリーン・イン・フェミニズムには「偽装フェミニズム」「多様性の名の下での排除」と厳しい。

    政府が進める女性活躍推進法や少子化対策にも批判的である。それは女性への支援でも女性の活躍でもなく、国のために「活用」しようという話でしかない、といった具合に。

    上で挙げた「リーン・イン」の著者はハーバード大を卒業しFacebookのCOOを務め、子ども2人を育てる女性である。こ

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    2023年05月05日
  • 生きるためのフェミニズム パンとバラと反資本主義

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    タネさんよりも個人的にはヤスオさんとのエピソードが強烈によかった。この節では男性の路上生活者たちと接するときに、小さな緊張と居心地の悪さがあったことを正直に書かれていて、そこがよかった。

    福祉事務所に行くときに、ヤスオさんが途中で帰ってくれといったときの表情が目に浮かぶ。このくだりは切実で、本心の行動であり、なまのプライドが見え、心を打たれる。

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    2023年01月29日
  • 生きるためのフェミニズム パンとバラと反資本主義

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    ちょっとクセの強い著者だなあ、と最初はダラダラ読んでいたのだが、中盤以降読物として面白い。著者の人柄も感じられて楽しく読んだ

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    2022年06月28日
  • お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?

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    1・2章がとりわけ読みやすく考え方も凝縮されている。以降はちょっと難しい内容も多い。
    6章も理解は難しかったのだが、「AIにより雇用が減るからベーシックインカム」という考え方に対するカウンター?留保?を提言していて(現在の生産性向上は自然搾取であり持続可能ではない。自然との対話的関係が必要)、非常に重要だと思った。ギフトエコノミーというキーワードを覚えておきたい。

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    2020年03月28日
  • お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?

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    分業社会という前提があるから労働が他人のためになる。一方で収入は自分のため。一度、労働と収入を切り離して考えてみる発想。

    社会的に不要だが対価が支払われる労働から、社会的に必要だが対価が支払われない労働や誰もやってない労働に時間をシフトさせていく発想。

    自律的な生き方、対話(自分や他人の価値観をアップデートする手段として)の重要性と、ギフトエコノミー(精神的循環・社会的循環・自然の循環)とBIを繋いでくれる切り口がとても面白かった。

    5章は攻撃的でまるで別の本のように感じた。

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    2018年11月24日
  • 生きるためのフェミニズム パンとバラと反資本主義

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    エッセイだねこれは?

    私は男性です♂
    社会的成功者の女性によって、そうするべき、あの人は偉いみたいになる風潮あるよね
    うちの会社でも子育てしながら昇進してる人が「やるか、やらないかです!」みたいなこと言ってたよ
    でも蓋開けてみると家事支援者多数だ
    僕もあの時はすげえな〜なんて思ってしまったけどね、若いぜ

    全体通して経験談ベースですね
    自分の特権に無自覚なのはその通りだと思う、自分もそういうときあったし、今でもあるかも

    ただやっぱり批判で終わるのは嫌だ
    議論で喋りすぎてる人もその時を必死で生きてるんだと思うし
    なんかそういう人が悪者のように捉えられた
    そうなのか?
    社会的弱者を想像する力が

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    2025年06月25日
  • 生きるためのフェミニズム パンとバラと反資本主義

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    「私たちはみな資本主義という恒常的な災害の被災者である」というフレーズに惹かれて。1,2部は著者の体験と理論が見事に複合されていて素晴らしいと思った。
    しかし、3部についてはクエスチョン。
    タネさんのエピソード。タネさんの死が「犬死」であることの意義について著者は力説するが、それは決してタネさんの声ではない。著者とタネさんという人物との個人的な(書かれていないことも含めての)関係性に裏打ちされた記述なのだとは思う。それでも。「無駄な死なんてないと思い込もうとする心性を憐れむように死んだ」や、「誰よりも~」というような記述は過度にタネさんという人物を美化しすぎているとしか思えない。それを第三者で

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    2023年03月01日
  • お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?

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    ネタバレ

    「働かざる者食うべからず」は基本的人権を尊重しているのか?
    働けない人、働いてもそれが経済活動にリンクしていない人(家事のみをしている等)…これらの人には衣食住の権利がないのだろうか?

    ベーシックインカムという考え方がある、どんな人にも最低限人間らしく生きるための収入を与える、人としてきていくうえでの不安を最低限払しょくさせる考え方である。この本では、このベーシックインカムを主題にしている。その理論の経済学社会学的説明や推移などが書かれている。

    が、タイトルの「じゃベーシックインカムが制度化されたとして何をしますか」という部分は全くとっていいほど触れられていない。大げさに言うなら「タイ

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    2021年07月28日
  • お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?

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    ベーシックインカムにまつわる基本的考え方や、ベーシックインカムの考え方の普及に向けた活動の紹介、理論などを紹介した著作

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    2020年09月17日