河合蘭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
不妊治療はここ数年で格段に進歩してきたということを耳にしていたため興味が湧き本書を手に取った。
率直に思ったことは、不妊治療には、未だに多額の費用がかかるということと、保険適用でない治療方法も少なくないようだ、ということだ。
本書でも述べられているが、限られた時間と費用を効率的に、使うべき時に使うことが肝要であると感じる。
また、ここ最近で科学技術は飛躍的に上がっているが、晩婚化や晩産化など、女性の活躍が求められる現代にあっては「産む自由」というものは過去より縮小しているとも言えると思う。
データに基づいた正しい不妊治療に関する知識は、現代人にとって必須なのではないかと改めて認識させ -
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ネタバレ女性なら教養として必読。
自分メモ
ダウン症だと判明したときに、今後どうしたらいいのかわからない。産院等ではサポートが足りない。
事前にわかれば、療育や病院の備えができ、(出産前に判明し不安・悲しみ・悩んだ後となるので)幸せな出産となる。
アメリカでは人種が多様で遺伝病や病気・血液型(RHマイナスは日本はレアだがアメリカでは20/1)も多種多様となるので、日本みたいに貧血=鉄欠乏症だと判断・投薬のようにならない(遺伝性の病気の初期症状の可能性があるので)RHマイナスが多く、妊娠時胎児がRH+による血液型不適合妊娠が発生頻度が高く「胎児輸血」の必要性がある。その診断のためにも出生前診断の医学が発 -
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生まれて来るまで赤ちゃんの状態が分からないなんてのは、もう遥か
昔の話になりつつある。出産前に性別どころか胎児が抱えているで
あろう疾患までもが分かってしまう。
命の選別につながるのではないかと視点で語られることの多い出生
前診断を、その歴史から実際の検査方法、各診断にどんな議論が
あったのかを、門外漢にも分かりやすく記している。
女性の視点で書かれているので、実際に出生前診断を受けて、
迷い、苦悩し、決断をした女性たちへのインタビューをまとめた
箇所は妊娠・出産という大きな不安と期待に揺れる心に寄り
添うように、著者の思いやりが感じ取れる。
出生前診断でよく問題に上 -
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日本の出生前診断の70年代からの流れを追い、現状までを見渡す1冊。デリケートな問題を扱いながら、丁寧で冷静であり、著者の「良心」を感じさせる良書である。
出生前診断とは、胎児の段階で、医学的な問題があるかどうか検査することを指す。
本来は、できるだけ早い段階で疾患を発見し、出産後速やかに治療に移れるようにし、可能な場合は胎児治療を行うことを目的としてなされる検査である。
だが、重篤な疾患が見つかった場合、妊娠の中断、すなわち中絶につながるケースは多い。
検査そのものが抱える問題点としては、羊水検査の場合であれば、頻度は低くても流産などの合併症の危険性を伴うことが挙げられる。また、どのような -
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卵子の老化。
昨今、マスコミの間で取り上げられることが多くなった言葉です。
人間の身体が老化するのだから、その中にあるものも老化するのが当たり前。
でも、なんとなく閉経までは産める。という感覚が、二年くらい前の私にもありました。
ここ最近、子供をもつということに、以前より関心を持つようになり、高齢出産を書いた本を読む機会が増えました。
この本は、自分が知りたかったことが完璧に書かれていました。
高齢出産のリスク、メリット、不妊治療方法、検査方法、産み方など。
それも、他の媒体のように高齢出産に不安を植え付けるだけ植え付けて、あとは放置。のようなものではなく、きちんと正確に事実が書かれており、そ -
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妊娠の仕組みの基本と不妊治療が学べる1冊。
不妊治療の専門医と出産ジャーナリストの2人の共著で、専門的でありながらわかりやすいと思いました。
内容は、体外受精に関してが一番厚いかなと思います。
薬の種類も詳しく書いてありました。
特に勉強になったのが2点。
保険診療と自由診療の考え方と、卵子ができる仕組みについてです。
自由診療は保険診療でうまくいかなかったときのステップアップということで、なるほどと思いました。
保険診療はまだこれから対象となる治療が変わっていきそうなので、最新の情報をチェックしたいです。
また、卵子は卵巣内で常に目覚め続けているという点も初耳でした。
体外受精の採卵に際 -
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ネタバレ「出生前診断は病気が見つかった赤ちゃんを出来るだけ早期に治療するためのものである」
言われて見ればこれほど当たり前のことはないのに、恐ろしいことに「出生前診断は生まれてくる赤ちゃんに障害があるのかないのか判別し、産むのか産まないのか判断するための検査である」かのような認識をしてしまっていた自分に愕然としました。
出生前診断に関するニュースとして一緒に取り上げられている話題が、人工妊娠中絶のパーセンテージであることがあまりにも多いためにそんな刷り込みが無意識にされていたことをまずは大変反省しました。
特別支援教育に関わる友人と、知的障害者の兄弟がいる自分が先日この話題について熱く議論をしまし -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
三〇歳で子どものいない女性が五〇%を超えた。
彼女たちは、本当に「産まない」と決めてしまったのだろうか?
仕事、結婚、実母、時代…「産む」と決められない彼女たちの、微妙で複雑な事情。
それでも待ったなしで動き続ける生き物としての時計。
悩み続け、先送りにした結果としての高齢出産、不妊治療。
少子化の本当の原因はいったい何だ?
データには現れない、彼女たちの声を聞け。
[ 目次 ]
プロローグ 自分の年齢を生きられない現代人
第1章 出産を引き延ばす人たちの事情
第2章 一体、いつまで産めるのだろう?
第3章 妊娠するということ
第4章 妊娠の医学
エピローグ 子どものいる立場か -
Posted by ブクログ
このテーマのまっただ中におられる方にとっては快く無い本なのかもしれませんが、第三者的な目で見る限りではなかなか面白い本です。 私のブログ「カテゴリー‘ご主人と仲良く’の夫婦生活」にも別のテーマで引用しています。
この本の中でもう一つ私が好きな文章は、「エピローグ 子供のいる立場から」です。河合氏の人生が垣間見れます。
『テレビでは子供を持つのが恐ろしくなるようなニュースばかり流れている。確かに私が子育てをしてきたこの20年の間にも、子供を巡る環境はずいぶん悪化してしまった。でも親でもないのに、他人の子供を守ろう、育てようといてくれる人はたくさんいる。
だから私は「案ずるより産むがやす