広中平祐のレビュー一覧
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フィールズ賞受賞者である広中先生の自伝である。それだけで数学に興味がある人間には絶対面白い。
何故かと言うと天才数学者がどのようなことを考えているのかが知ることが出来て興味が膨らむ。
それだけではない。数学者がどのように考え、超一流の数学理論の創造者がそのプロセスをどのようにとらえている...続きを読む -
考えることで創造する喜びをえることに共感しました。私も、ものをつくるのが好きだ。そして、考えることはものづくりに似ていると思う。だから、考えることが好きな著者の熱意を、彼の熱い刺激を肌で受けとりました。
それでも彼のいう不屈の精神と柔軟さを自分はまだ知らないと思いました。創造する喜びがそれでもっ...続きを読むPosted by ブクログ -
1.著者;広中氏は、数学者でハーバード大学名誉教授。幼少の頃、分からない事は何でも質問する好奇心の強い子で、母親から❝なぜなぜ坊や❞と呼ばれていたそうです。母は質問に答えられないと医者や神主の所へ連れて行き、尋ねてくれたと言います。代数幾何学の研究が認められ、1970年に日本で二人目となるフィールズ...続きを読むPosted by ブクログ
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フィールズ賞数学者である著者が、自身の数学への取り組みを基に学究の意義を綴った1冊。個人的に印象に残ったのは、どのような領域であれ、何かを創造すること以上に楽しいことはない(意訳)との一節。やっぱりヒトの原動力はモノづくりへの欲求なのだなあと。あと遊び。Posted by ブクログ
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たんたんと綴られているが、非常に示唆的で励まされる内容である。
シンクルナイズでなくケミカライズ。
「ぼく、アホやし!」
あきらめかたPosted by ブクログ -
「私たちにこれから最も要求されるのは、自分自身の判断力と考える知恵だと思う」
崇高な真理だけでなく、目標を定めて技術的な点をコツコツと粘り強く磨くことの大切さ。また、時には諦めて謙虚に邁進していくことを説いておられた。
この本で初めて得た知識は、特異点解消という代数幾何の分野があることくらいだが、...続きを読むPosted by ブクログ -
今から35年以上前に刊行された本ですが、今の若者に対するメッセージとしても十二分の価値がある内容です。やはり、真に世界の中で道を極めてきた方の実体験に裏打ちされた思いは、時代を越え、ジャンルを越えて染み入ります。Posted by ブクログ
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とても何十年も前の文章とは思えない、今必要な力を提示してくれる良書。筆者のように努力を続けるほどではなかった自分であるが、生きているその時その時に、確実に何かを創造していて、忘れても脳のどこかの引き出しに入っている。そして、今からでも学び続ける楽しさを教えてくれる。成果が出る出ないではない。創造する...続きを読むPosted by ブクログ
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広中先生が数学を本気でやり始めたきっかけは、大学院生のときに、小学生の女の子から「おじさ~ん!」と呼ばれたことにショックを受けてのことだったとか。めちゃめちゃ面白かったです。
ただ、数学者の考える「創造性」と、我々一般人の生を充実させるための「創造性」が、どのようにリンクするのか、どうにも掴み所がな...続きを読むPosted by ブクログ -
特異点解消の定理でフィールズ賞を受賞した、日本人数学者の広中平祐による自伝。
数学をとおして、なぜ学ぶのか、どうやって一つのことをやり続けるのか、ものの考え方などについて、筆者なりの考えを若者向けに伝える内容。
非常に同意できる点が多いのだが、当たり前すぎるのと説教臭いのが時代を感じさせる。Posted by ブクログ -
著者の自伝的エッセイ。内容的にはある意味普通。フィールズ賞を受賞した人間でも意外と普通に悩んだりする部分が垣間見られるのは良い。普遍的な内容なので読み終えた後に賢くなった気になるわけでもなく、損した気になるわけでもない。Posted by ブクログ
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1982年に書かれた本ということだが、全然古さを感じさせない。それは、1つには、著者の自分史のような内容が大半だからということもあるが、著者の慧眼でもある。本書が書かれた頃、日本経済はアメリカに追いつけ追い越せでやってきて、アメリカ経済の不調もあって、実際に追いついたという実感もあり、アメリカでは日...続きを読むPosted by ブクログ