藤田祥平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
購入後、5時間ぶっ続けで読み切った。ここまで没入できたのは本当に久し振り。
帯には「伝説のネットゲーマー」とあるが、別にそれが小説のハードルを上げているわけではなく、軽く検索すれば小説の小道具についての簡単な知識は得られるため、ゲームを殆どしなくなった私でもすんなり読むことができた。書店でもSFの棚に挿してあったし、どうしてSFはこんなにも門戸を狭めてしまうのか理解に苦しむ。
語り手が著者と同じ名前で、どうやらその生い立ちも作者と一緒らしい。小説といいつつ極めて自伝的で、かつ作家が没頭した世界(というか人生?)を描いているからか、そこそこの長編を一気読みさせるだけの凄まじい没入感を生み出してる。自分の傷に気付きつつ前に進む以外の方法が見つからない、そんな印象を受けた。
冷徹さ、ロジカルさを求められるゲームや大学受験に驚異的な集中力を見せつつも、なぜ自分がそれを行うかという根源的な問いには答えを出せないまま。まさに没頭すること自体を目的としているように。
この小説は、語り手自身による回想録的な形を取りつつ、読者を同じペースで小説を完成させてゆくという不思議なところがある。
急に思索が始まったり、涙が出てしまったり、ぶっ壊れてしまったりと、とにかく突っ走っている。ボロボロになりながら走り抜けた青春時代を、ああでもないこうでもないと、何とか消化しようと奮闘しているようだ。
正直なところ、想像の中にいる昔の彼女への言葉だったり、「戦場に富や愛を賭けるなんて、昭和の人間のやることさ。おれたちが賭けるのは、コミュニティの誇りだ」(p.268)などという文言だったり、安全圏からの陶酔に見えてしまい閉口する箇所も多くあった。私には、没頭を重ねた人間の負の側面のようにも映ったが、その辺りはこの小説のレビューが増えたら読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまず、帯の「母がリビングで首を吊ったとき、僕は自室で宇宙艦隊を率いていた。」というのはウソ、というか読んだ限りでは事実とは異なる。
これはよろしくない。
まあ、全体的に自伝ではなく「自伝的」なのでどこがウソでもまあいいんだけど。
途中で感電して死んだりしてるし、事実と異なるも何もないか。
でも、帯はなぁ…
ウソはともかく、全体的に書き方が「ゲームを遊んでいる」ではなく、「ゲームの中に入り込んでいる」かのような描写。とても良い。Eve Onlineプレイ中は実際にブリーフィングルームで話し合っている様子がありありと浮かんだし、Wolfensteinでも実際に戦争をしているかのような。
そのゲームを知らない人が読んだら完全にフィクションに思えるだろうな、と。
電遊奇譚とセットで読むとかぶっている内容も多いが、別角度から同じ話を見ることが出来て楽しい。
でも、こちらのタイトルが電遊奇譚の方に出てるのはなんなのか。逆でよかったんじゃないか。