橋本勝雄のレビュー一覧

  • 読書セラピスト
    読書セラピストが下階の失踪事件容疑となり、さまざまな女性の話を聞きながら、容疑を晴らすストーリー。
    小説を前にする子どもにかかれているが、あのキラキラした目を見るとあの頃に戻りたいと思ってしまう。
  • 19世紀イタリア怪奇幻想短篇集
    「知られざる」イタリア19世紀作家のの幻想短編集。とくにアッリーゴ・ボイト『黒のビショップ』、ルイージ・カプアーナ「夢遊病の一症例』、ヴィットリーオ・インブリアーニ『三匹のカタツムリ』が面白かった。とくに『黒の…』は極めて劇的、と思っていたら、ヴェルディのオペラの台本作家ということで成る程と納得。
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  • 19世紀イタリア怪奇幻想短篇集
    編訳者によれば、
    リアリズムが重んじられたために発展が遅れたものの、
    19世紀半ば、E.A.ポオ作品の輸入と、
    独自の文学運動の波によって花開いたという
    イタリア幻想小説から選りすぐられた9つの短編が収録されている。
    主なテーマは「死者の帰還」「強迫観念」「奇譚」といったところ。
    もっと“変な話”を...続きを読む
  • 19世紀イタリア怪奇幻想短篇集
     イタリアの幻想味のある文学というと、カルヴィーノやブッツアーティを読んだことはあるが、本書は「19世紀」という括りでまとめたものである。こうした入手しやすいアンソロジーでなければ、おそらく一生読むことのなかったであろう作品に出会えたことに、先ずは感謝を申し上げたい。
     
     また解説で、イタリア文学...続きを読む
  • プラハの墓地
    1週間位かけて読みました。当初は全然内容が頭に入ってこないし、時間をかけても全くページが進まないことに驚愕。勉強してから再度読み直したところ、ぐいぐい入ってきました。後ろに年表があるのですが、1897年からのイタリアを主軸としたヨーロッパの歴史を読みやすく小説の形にした模様です。主人公以外全て実在の...続きを読む
  • 鏡の前のチェス盤
    悪さをして閉じ込められた少年が、物置でチェス盤と大きな鏡に触ってはいけませんと言われながらお仕置き中。当然の如く鏡の世界のパラレルワールドに突入。そこはチェスの駒が動いていて、少年の住んでいる世界なんてのは、我々を必死こいて真似してかろうじて体裁を保っているそうです。その人達をさらに見下す存在も登場...続きを読む
  • プラハの墓地
    かなり時間と労力を費やしたが何とか読破。
    ヨーロッパ近代史についてほぼ無知だったので、耳にしたことのある人名や事柄を調べたりしながら読み進めていった。
    ミステリーやスパイ小説の要素もあり、差別・宗教・政治・陰謀etc…。密度と知識の深さがすごい!
    教科書では味わえない歴史のうねりが感じられる作品。
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  • プラハの墓地
    私には難しすぎて正直苦行だったけど(主要なヨーロッパ史が頭に入ってないとあかんなと),読んでよかったと思う。
  • プラハの墓地
    エーコでなければその差別表現に物言いがついたかもしれないとも思う、偽書成立のメタストーリー。密度の高さ、知の海の深さに置いてけぼりにされながら、何とかすじだけでも、と追いすがる読書。
  • プラハの墓地
    よく考えずに手を出したらとんでないお話だった。

    主人公はユダヤ人嫌いの祖父に育てられたシモニーニ。祖父の死後、公証人のもとで文書偽造に関わった彼はやがてその腕を買われ、各国の秘密情報部と接点を持つようになり、守備範囲を政治的な文書へと広げていく──というストーリー。主人公以外の人物はほぼ全員が実在...続きを読む
  • プラハの墓地
    イタリアの近代史を知らないので,人物がよくわからないところもあって,面白さが半減したのかもしれない.表の歴史を知っていての裏の歴史なので,知識のなさが残念でした.できるならば参考文献で人物相関図や,簡単な事件の説明があれば読みやすかったと思います.悪人,シモニーニに魅力がないのも,この本の読みにくさ...続きを読む