書くことはなぜ難しいのか。
まさにそのことが知りたい!
本書の第二章がその内容。
書くことは線条性を持つゆえに直感的な把握ができない。
(半分納得、でも話すことだってそうじゃないか?)
書くことは非現場的で、非音声的で、準備を整えないとできない。
(言語以外の伝達手段が使えないってことね?)
言語での伝達は文脈に依存した曖昧性が排除できない。
(これは、書くことに限らないよね?)
言語の習得はある時期までに終了するが、習熟はもっと長い時間がかかる。
(この辺りも書くことに限らない気がするが?)
私自身は書くことの方が、話すことよりまだまし、という状況だ。
今でも話すのは苦手だが、かつてはたしかに書くことも話すことも苦手だった。
書くことの方が文脈も落ち着いて確認できるし、ワーキングメモリの問題も、文字として残されていれば何とかなる気がする。
ということで、なぜ書くことが難しいかということに関しては、「習得/習熟」の違いなどは面白いと思ったが、まだ自分の中で納得できる答えは見つからなかった。
筆者は日本語学、特に文法論の大御所とのこと。
文章の書き方の本はすでにこの世に数多ある。
日本語学の人(というより、日本語学の教科書を書いたりした人、というべきか)の本は、テーマについての見取り図を提示しようとしてくれることが多い気がする。
本書もその通りで、まず「文体」を体系として示す。
その後、表記、語彙、文、文章という、文章に至るパーツのもつ難しさを説明する。
その次の部では、通信文、ビジネス文、論文・レポート、クリエイティブライティングへと進み、どこに難しさがあって、どう回避するかが書かれる。
各章末にはまとめがあるので、振り返りに役立つ。
それぞれの話を、もうちょっと読みたかったなあ、と思わなくもないけれど。