小川勝のレビュー一覧
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今から大いに議論しなければいけないことたくさん。
政府(内閣)の出した方針が、オリンピック憲章の掲げるオリンピック的な価値(オリンピズム)と正反対であると。
オリンピックとは主催国のものではないし、そこの経済効果を狙ってはいけないと。
国家間同士の争いにしてはならず、むしろナショナリズムを掲げてたのは当初は東側諸国だったと。
オリンピックのためという名目でお金をその強化のために突っ込むとそのスポーツ全体の土壌が育たないので、結局は意味がなくなる。
そしてスポーツとは、高額スポンサーによって決勝時間やルールが変更されたり、親子の物語が強調されるべきものではない。
その場一瞬に見える、人間業 -
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オリンピックと「金」の歴史を紐解きながら、「オリンピックにおける商業主義とは何なのか」、「オリンピックは、なぜ商業主義を必要としたのか」、「商業主義による弊害とは、具体的にどういうことなのか」といったことを問い直している。
本書では、「オリンピックが商業主義に陥る」とは、オリンピック開催資金として「企業の金」が大きく入り込んだ結果、企業がオリンピックの運営に口を出し始め、オリンピックの価値や質(選手たちが、最高のパフォーマンスを発揮できる環境をつくることなど)が損なわれるという現象だと定義する。一般にオリンピックが商業主義化したのは1984年のロサンゼルス大会だといわれるが、本書では、確かにロ -
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[ 内容 ]
陸上競技100m。
かつて、この種目で「10秒」を突破することは世界中の夢であり目標だった。
では、10秒の壁は、いかにして破られたのか。
そこには、天才アスリートの出現、テクノロジーの進歩、競技環境の変化など、様々な要素が存在した。
そして、時代背景に翻弄され、「記録」に残らなかった意外な事実も隠されている。
本書は、一瞬の勝負の裏に潜む幾多のドラマを発掘するとともに、この先、「人種最速」はどのレベルまで進化するのかを考察する。
[ 目次 ]
第1章 壁に挑んだ男たち(10秒3/5~10秒2/5の時代 10秒4~10秒3の時代 ほか)
第2章 壁を破った男たち(初の9秒台は「 -
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イチローはいつのまにか特別な存在になった。
数々の記録を塗り替えて、メジャーでも成功している。
その言動も、他の選手とは異なる何かを感じさせる。
イチローはどうやって特別な存在になったのか?
この本はイチロー本人の声はないが、
彼を取り巻いたコーチらの証言がある。
それぞれ非常に興味深い。
それにしてもイチローの動作一つひとつには、
科学的にきちんと意味があるらしい。
たとえば振り子打法。
足をゆったりと上げる動作でリラックスを作ることが、
次の鋭い動きの準備になっている。
たとえば構える前に、バットを立てて投手方向を見る動作。
それは効き目である右目をこれから使うぞという準備になってい -
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TOKYO2020の開催まで1年を切り、いよいよ準備も佳境に入ってきたのではないでしょうか。
一方で、間近に迫るイベントとはいえ、国民全体の関心はそこまで高くないようにも感じます。東京で五輪を開催するよりもほかに税金をかけるべきことはあるのではないか、という意見も度々聞かれます。
そもそも、近代オリンピックはいつから、これほど巨大な(そして巨額な経費の掛かる)イベントになったのでしょうか。
同地での開催となったロンドンオリンピックで比較すると、最初の1904年大会と2008年大会で、6,385倍の経費が掛かる大会へと変貌していることがわかります(p.12)。
これはもちろん、飛行機等の発明によ -
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