白田秀彰のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
twitter上でのフェミニズムを名乗る活動が概ね反ポルノ活動であることに興味を覚え、そもそもなんで猥褻が悪いとされているのよ?と読み始めた本でした。性道徳に最も行動を抑圧されているのは女性であるという認識を持っていて、フェミニストを名乗る人々の活動と整合しないからです。
(以下内容)
性のタブー化、猥褻表現の禁止に時代を超えた必然性はなく、特定の宗教的信念の発露に過ぎないという立場で性表現規制がどうあったかを見ていく本。
まず猥褻という概念がその起源においては性と無縁であったこと、西洋の貴族階級がスムーズな財産相続のために婚姻外の生殖を避けたことの2点からスタートし、いかにして性が社会に -
Posted by ブクログ
社会学の専門家による性表現の規制について研究した結果をまとめたもの。サークル同人誌に掲載されたものをまとめて、書下ろしを加え、本にして出版している。研究は精緻で、歴史的にまた米英の状況を含め、かつわかりやすい内容となっている。なぜ性表現は規制しなければならないのか、の経緯がよく理解できた。学術的で論理的で、有意義な内容であった。
「(欧州12世紀 上流階級)夫と妻との間に恋愛感情があることは珍しく、通常の場合、それぞれが別の恋人を持っていました。すなわち、結婚と恋愛がまったく分離していたわけです」p42
「「猥褻(わいせつ)」とは、歴史的には、庶民の日常的なだらしない生活の様子を指すことばで -
Posted by ブクログ
本当に興味本位ではあったが、規制論に対してのそもそもの部分を追求する本誌には新しく知ることが多くあった。
卑猥という言葉はもともとえっちな意味ではなかったこと、西洋に置いては「家」のための建前の規制が始まりだったこと、そして時が経ち宗教の中で規範として定義がされ、それが近代規制にまでいたり、西洋文化を取り入れた日本にまで波及してしたこと。あらゆる法や規制はその時代における社会から生まれ引き継がれていくものであり、推論も含め日本における性規制がどういった経緯でなりたってきたかが見れるもので満足している。
このえっちなことだけに限らないが、ただ脳死で規制をと言うのではなく、背景や実際の影響を調査し