藤倉大のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本を代表する現代音楽の作曲家であり、デイヴィッド・シルビアンなどの作品への参加でも知られる藤倉大が自身の半生を語った自伝的エッセイ集。まず『どうしてこうなっちゃったか』というタイトルからして意表を突かれるが、確かに読みながらこのタイトルにも納得してしまうかのような著者のユーモアが面白おかしく、一気呵成に読めてしまう。
15歳で単身イギリスの高校に留学してそのまま大学・大学院をイギリスで過ごすという経歴もあるだろうし、非常に謎に満ちた現代音楽の作曲家(そして作曲家を志す人の中でここまでの成功を収められるというのは本当に稀有であり天才という他ない)の実態も含めて、見知らぬ世界の一端を垣間見せてくれる。
もちろん音楽の話も、詳しくない読者にもわかるように親切丁寧に、とはいえそのエッセンスは漏らさないように要所要所で触れられていて、特にこのあたりは読んでいて個人的に刺激的であった。作曲家がオーケストレーションを学ぶには実際に演奏される場面に少しでも多く立ち会うのが一番であるという話や、デイヴィッド・シルビアンとのコラボレーションのいきさつなど、うなずきながら読み進めた。