前野直彬のレビュー一覧

  • 精講 漢文

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    私は、漢文と訳文などの部分は一切飛ばして、歴史や思想の解説を読んだ。
    現代でいえば、講義系参考書に分類されるべき本であり、非常にわかりやすい。
    これまでいろいろと漢文関連の本は読んできたはずだが、呉音と漢音の解説は本書で初めて目にした。
    文系で世界史、日本史を使う受験生は、私と同様のやり方で本書をざっとで良いから読むことをお勧めする。得るところ大だと思う。

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    2024年04月20日
  • 漢文入門

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    漢文を理解するための、訓読法を解説した書である。
    仕組みをしるための書、漢文を読むためには、言語だけにひたすら試行錯誤するしかない
    それは古代中国語の原文を、いきなり日本語として理解するための方法であった。

    著書は、中国語の秀でた方のようであるが、もともと中国語を知らなければ、もともとの白文に訓読法を用いることはできない。
    今も昔も訓読法を用いることは難しいことであると述べています、古典の訓読法はこれまでの経験といっています。
    その方法が統一されたのは、ようやく、明治維新の時であったとのべているのがおかしい。

    気になったのは、以下です。

    ■漢文とは
    ・漢文とは本来中国語であるものを、日本

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    2023年10月09日
  • 精講 漢文

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    漢文とは何かを、丁寧に解説したものが本書である。

    現在が、アメリカから英語で制度や技術を参照としているのに対して、明治以前は、超大国であった中国から、文化や技術を学んできた。
    当然当時の中国語で書かれているわけであり、その中国語を解読するための方法論が漢文であった。
    ただ、その内容は、漢文の読み方のみならず、中国の歴史、詩、小説、思想、日本の漢文学史にも及ぶ、650頁にも及ぶ大作なのである。

    気になったことは、次の通りです。

    ・漢文のテキストは、原文、書き下し文、(現代文)、語釈、通釈、解説の形となっている。
    ・漢文を理解するためには、まず、漢字を理解する必要がある。漢字には、①象形、②

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    2022年12月04日
  • 漢文入門

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    いわゆる漢文の学習参考書ではなく、日本における「漢文訓読法」の歴史と特質について解説した本。
    読み応えのある良本。

    中国の文化を吸収する過程で、いかに日本の先人たちが、違う言語で書かれた言語を読み解く工夫をしたか。
    「訓点」「返り点」「ヲコト点」、そして、カナ文字の発明。必然的に生まれたもののように思えた。

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    2018年10月15日
  • 精講 漢文

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    苅部 直(政治学者・東京大教授)の2018年の3冊。
    漢文の読み方にとどまらず、中国文学史・思想史の便利な概説書にもなっている。

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    2018年12月30日
  • 精講 漢文

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    面白かった。構成は大きく言って、漢文と解説の二本立てである。解説は明晰で分かりやすいから、漢文学の理解が進むけれども、知識の披瀝に過ぎない面があり、ずっと読んでいると退屈する。その点、漢文の方は才気煥発な名文だから、読んでいて愉快である。しかも、漢文は中国の文化の華を集めており、非常に楽しい。ただ、ここまで広範にカバーしてあると、私の方でも受けつけない内容があり、老子や韓非子はそれに当たる。文学は古文や唐詩が好きだし、歴史は紀伝体が好きである。思想はやはり儒教で、兵法も好きである。逆に言えば、四六駢儷文や古詩は馴染みがない。それにしても、これだけ網羅的なのは著者の力量に脱帽である。

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    2018年10月14日
  • 漢文入門

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    1960年代に、講談社現代新書の一冊として出た本の、復刊ということらしい。
    今、私たちが目にする「漢文」がどうやって出来上がってきたのかをたどっている。

    前半は漢字の話。
    漢語と和語、音と訓、漢音、呉音、唐宋音など。
    後半の方が面白かった。
    ヲコト点のことは昔聞いたことがあったけれど、文例とともに解説してあるのは初めてかも。
    平安朝の訓読と江戸時代の訓読の文体の違いも具体的に文例があったので、イメージが湧いた。
    先人の苦労の一端が、少し実体的なものとして感じられるようになった気がする。

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    2016年01月16日
  • 漢文入門

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    漢文を読み下すための入門書ではなく、漢文の定義、訓読の方法、訓読の歴史を紐解く。大学入試で漢文は不要では?などの声も聞くが、私達が日頃使っている日本語は、漢文が深く関わっているのだと改めて認識する。

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    2021年01月11日
  • 漢文入門

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    「漢文入門」というタイトルですが、受験参考書のように訓読法の基礎を解説している本ではなく、日本文化の中の「漢文訓読法」の特質と歴史について解説している本です。

    日本におけるいわゆる「漢文」が、中国の伝統文化における文語文とは異なるものだということは、高島俊男の啓蒙的な著述によってわたくしのような門外漢でもどことなく理解したようなつもりになっているのですが、本書はその歴史を簡潔にたどり、「漢文」の形成されるプロセスをわかりやすく説明しています。

    この国の人びとが、中国文化をどのように咀嚼してみずからのものにしようとしてきたのかを知ることのできる本だと思います。

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    2021年12月11日