前野直彬のレビュー一覧

  • 精講 漢文
    私は、漢文と訳文などの部分は一切飛ばして、歴史や思想の解説を読んだ。
    現代でいえば、講義系参考書に分類されるべき本であり、非常にわかりやすい。
    これまでいろいろと漢文関連の本は読んできたはずだが、呉音と漢音の解説は本書で初めて目にした。
    文系で世界史、日本史を使う受験生は、私と同様のやり方で本書をざ...続きを読む
  • 漢文入門
    漢文を理解するための、訓読法を解説した書である。
    仕組みをしるための書、漢文を読むためには、言語だけにひたすら試行錯誤するしかない
    それは古代中国語の原文を、いきなり日本語として理解するための方法であった。

    著書は、中国語の秀でた方のようであるが、もともと中国語を知らなければ、もともとの白文に訓読...続きを読む
  • 精講 漢文
    漢文とは何かを、丁寧に解説したものが本書である。

    現在が、アメリカから英語で制度や技術を参照としているのに対して、明治以前は、超大国であった中国から、文化や技術を学んできた。
    当然当時の中国語で書かれているわけであり、その中国語を解読するための方法論が漢文であった。
    ただ、その内容は、漢文の読み方...続きを読む
  • 精講 漢文
    諸先輩方々が高校時代にこれを標準の学参書としていたことに驚愕!…自分は詰込学習も自律学習も必要だと思ってるので、とても感嘆してます。紙本も所持しているのに電子書籍も買ってしまった(´д`)。
  • 漢文入門
    いわゆる漢文の学習参考書ではなく、日本における「漢文訓読法」の歴史と特質について解説した本。
    読み応えのある良本。

    中国の文化を吸収する過程で、いかに日本の先人たちが、違う言語で書かれた言語を読み解く工夫をしたか。
    「訓点」「返り点」「ヲコト点」、そして、カナ文字の発明。必然的に生まれたもののよう...続きを読む
  • 精講 漢文
    苅部 直(政治学者・東京大教授)の2018年の3冊。
    漢文の読み方にとどまらず、中国文学史・思想史の便利な概説書にもなっている。
  • 精講 漢文
    面白かった。構成は大きく言って、漢文と解説の二本立てである。解説は明晰で分かりやすいから、漢文学の理解が進むけれども、知識の披瀝に過ぎない面があり、ずっと読んでいると退屈する。その点、漢文の方は才気煥発な名文だから、読んでいて愉快である。しかも、漢文は中国の文化の華を集めており、非常に楽しい。ただ、...続きを読む
  • 漢文入門
    1960年代に、講談社現代新書の一冊として出た本の、復刊ということらしい。
    今、私たちが目にする「漢文」がどうやって出来上がってきたのかをたどっている。

    前半は漢字の話。
    漢語と和語、音と訓、漢音、呉音、唐宋音など。
    後半の方が面白かった。
    ヲコト点のことは昔聞いたことがあったけれど、文例とともに...続きを読む
  • 漢文入門
    漢文を読み下すための入門書ではなく、漢文の定義、訓読の方法、訓読の歴史を紐解く。大学入試で漢文は不要では?などの声も聞くが、私達が日頃使っている日本語は、漢文が深く関わっているのだと改めて認識する。
  • 漢文入門
    「漢文入門」というタイトルですが、受験参考書のように訓読法の基礎を解説している本ではなく、日本文化の中の「漢文訓読法」の特質と歴史について解説している本です。

    日本におけるいわゆる「漢文」が、中国の伝統文化における文語文とは異なるものだということは、高島俊男の啓蒙的な著述によってわたくしのような門...続きを読む