今井照のレビュー一覧

  • 自治体は何のためにあるのか 〈地域活性化〉を問い直す

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    問いに対して、某救急車リース案件の話が多すぎて、もっと後段の話が聞きたかったなぁと思った。
    個人的には一ヶ月平均で国と県から計6431件メールが送りつけられてきてるグラフが1番良かったです。もはや笑うしかない

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    2026年04月20日
  • 自治体は何のためにあるのか 〈地域活性化〉を問い直す

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    「自治体は何のためにあるのか」
           今井照(岩波新書)
    横山勲の「過疎ビジネス」は痛快なドラマのような本だが、
    本書は自治体問題の研究者の書であり
    幅広い知識を与えてくれる。
    地方自治体議員をはじめ多くの市民の必読の内容だと思う。

    玉野市のメチャクチャな学校統廃合問題で頻出した「地域」「コミュニティ」などの概念の曖昧なままに、市の政策に巻き込まれる現実への疑念が解き明かされるということがあるし、そもそも国との関係で「自治」というものの根本的な意味を考えさせられる。
    2024年の自治法改正が、
    ①デジタル化
    ②国と自治体との関係の特例
    ③公共私連携
    のいずれも大きな問題を孕むものであるとの分析を読み、なかなか難解な問題ではあるけれども、さらに学習し、「今日と同じように明日も暮らし続けられる」ことが保障されるという自治体のミッションを作り上げて行かなければと思う。
    現状の市民運動をみて、社会運動のこれまでがイデオロギーからの演繹法、つまり「こうあるべき」からの逆算になりがちで、対立と野合の繰り返しだったということを反省し、具体的な問題の解決に結びつけることが何より重要との指摘を改めて考えてみたい。

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    2026年03月26日
  • 原発事故 自治体からの証言

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    未曾有の複合災害を通じて、自治体の存在意義に光を当てた本。筆者は原発事故の経験から、いざと言う時に住民の命を救うのは最前線にある自治体であると強調し、自治体再編の議論に一石を投じる。

    インタビューでは自治体副首長の葛藤が生々しく描かれており、公人であり私人である自治体副首長の役割葛藤と、同じ被災地域でも自治体毎に異なる利害関係が存在する実情を捉えている。

    特に原発立地自治体の大熊町と隣接自治体の浪江町のインタビューが続けて取り上げられることで、お互いがお互いをどのように捉えていたかが読み取れる点は史料として重宝される。

    当面は難しいだろうが、もう数十年を経たら、当時の国、県、東電の関係者の視点も交えて、更なる検証を願いたい。

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    2021年02月28日
  • 地方自治講義

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    地方自治体の原理と歴史から、分かりやすく書かれています。
    地域社会と市民参加の関係から憲法と地方自治、縮小社会の中の自治体への考察、どれも普段なかなかここまでは考えないかもしれません。
    謎の言葉「地方自治の本旨」のいきさつから意味まで、とても興味深く読みました。
    地方自治の入門書としては最適です。

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    2017年06月04日
  • 地方自治講義

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    身近な存在であるはずの『地方自治』について、あまりにも知らない為に、何か初心者向けの本をと思い、手に取った一冊。

    ところが、思っていたよりちょっと難しい。地方自治の歴史や憲法上の位置づけから、団体自治と住民自治、地方分権、国と自治体の関係、自治体の政策形成まで、かなり幅広く扱っている。

    著者がテーマとして問いかけているのは、「地方自治や地方分権が当たり前になった今、本当に自治体は私たち住民のものになっているのか」ということ。自治体を国の下請け機関としてではなく、住民自身が地域をつくっていくための「自治の場」として捉え直そうという切り口かと思う。

    「団体自治」と「住民自治」、「補完性の原理」、「地方分権」、「平成の大合併」、「地方創生」、「自治体間競争」など、地方自治を考えるためのキーワードも次々と出てくる。特に、行政改革や地方創生を単純に「効率化」や「地域を活性化すること」として捉えるのではなく、それが住民にとって本当に自治につながっているのか、という視点は興味深かった。

    初心者向けの本を探して選んだものの、正直、すらすら読める本ではなかった。ただ、普段何気なく利用している行政サービスの背後に、こんな制度や理念、歴史があることを知ることができた。

    「地方自治とは何か」を知るというより、「地方自治を誰のためのものとして考えるのか」を考える本。身近な行政について無知だった自分にとっては、少し背伸びをした入門書だった。

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    2026年09月21日
  • 自治体は何のためにあるのか 〈地域活性化〉を問い直す

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    ちょいちょい同意できない箇所はあったが、読みやすく、著者の課題認識がよくわかった。
    国と地方を対等にしようとするところまでは良かったが、徐々に方向がずれていき結局は主従関係に近いような状態になってしまっていると言う話。
    普段の仕事でも役割分担は難しいところがあって曖昧になるときもあるが、そういったことが同じように起きているんだと思った。そして、結局こういうときに自治体に皺寄せが来るっていうのは、やはり対等になっていないんだなと。
    日本の公務員数が少ないと言う話もあったが、冒頭紹介された「過疎ビジネス」でのコンサルとか、しょうもない中小企業とかそういうのはバンバン消して少し公務員の数を増やして、自治体の負担減や、意味のある市民自治の促進がされると良いなと思った。

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    2026年09月02日
  • 自治体は何のためにあるのか 〈地域活性化〉を問い直す

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    # 自治体は、稼ぐためにあるのか

    ——今井照『自治体は何のためにあるのか』を読んで

    「自治体は何のためにあるのか」

    本書のタイトルは、あまりに根本的である。しかし読み進めると、私たちがこの問いを長い間、正面から考えないまま来たことに気づかされる。

    今井照さんの答えは明快だ。自治体の使命は「稼ぐこと」ではない。そこで暮らす市民に、今日と同じように明日も暮らし続けられることを保障することである。市場や制度が生み出すひずみを補修し、その隙間に落ちてしまった人の生活を支える。それこそが自治体という政府の仕事だという。

    本書が厳しく批判するのは、2014年に始まった「地方創生」である。この頃から、国は自治体に「稼ぐ地域」をつくることを強く求めるようになった。各自治体に成長戦略をつくらせ、KPIを設定させ、ふるさと納税や企業版ふるさと納税を通じて自ら財源を獲得するよう促す。地域の財政が苦しいのは、その自治体に稼ぐ力や工夫が足りないからだ、という自己責任の物語が広がっていった。

    もちろん、自治体が地域産業を育て、雇用を生み、税収を増やすことに意味がないわけではない。住民が暮らし続けるには、経済的な基盤が必要だ。問題は、「稼ぐこと」が市民生活を支える手段ではなく、自治体の存在目的に置き換わったことにある。

    本書を読んで特に考えさせられたのが、「計画統制」という言葉だった。

    かつて国は、補助金の対象事業や仕様を細かく定めることで自治体を統制した。2000年の地方分権改革によって、国と自治体は制度上、「上下・主従」から「対等・協力」の関係になった。しかし、統制がなくなったわけではない。

    国が政策の方向を示し、自治体に計画をつくらせる。自治体はKPIを設定し、国に申請し、認められれば交付金を受け取る。事業終了後は成果を検証し、国に報告する。形式上は、自治体が自ら考え、自ら決めたことになっている。しかし、財源を得るためには、国が用意した政策言語、様式、評価基準に合わせて計画を書かなければならない。

    国が自治体に直接命令するのではなく、自治体自身に国の政策を「自らの計画」として書かせる。そして成果が上がらなければ、それは自治体が立てた計画なのだから、自治体の責任になる。

    補助金統制が消えたのではない。補助金、計画、KPIを組み合わせた、より間接的で巧妙な統制へと姿を変えたのではないか。

    その結果、自治体が策定を求められる計画は急増した。職員は、国の制度を調べ、計画をつくり、審議会を開き、KPIを管理し、実績を報告し、数年後にはまた改定する。小規模な自治体では計画を内製できず、コンサルタントに委託する。地域が自ら考えるための計画が、いつの間にか、国の交付金を獲得するための外注文書になっていく。

    本来なら、市民の暮らしを観察し、現場の問題を発見し、市民と対話し、小さく試して改善するために使われるべき時間と能力が、「計画をつくる仕事」に吸収される。地域に必要な政策を考えるのではなく、使えそうな国の補助金から逆算して地域課題を説明する。本書が告発するのは、地方分権という言葉の裏側で起きた、こうした自治の空洞化である。

    コロナ禍の地方創生臨時交付金も、本書では大きな転換点として描かれる。巨額の資金が、従来のように総務省を介さず、官邸主導で自治体に配られた。自治体には大きな裁量が与えられたが、同時に、その使途と結果に対する責任も自治体に渡された。

    これは自治の拡大だったのか。それとも、国による政策設計の責任を自治体に移しただけなのか。権限の分権と、失敗する責任の分権は、同じものではない。本書のいう「大惨事便乗型の地方創生」という批判は重い。

    ただし、国による統制だけを批判すれば十分だろうか。私は、本書を読みながら、自治体自身の「自治の当事者能力」も問わなければならないと感じた。

    制度上の権限があっても、自治体が自ら地域の問題を発見し、政策を構想し、人材を育て、財源を配分し、失敗から学ぶ能力を持たなければ、実質的な自治は成立しない。知事には中央官僚出身者が多く、副知事や主要な幹部ポストにも国から人材を受け入れている。国との調整や法制度の理解において、その人材が大きな力を発揮していることは間違いない。

    しかし、自治体が国との「パイプ」を持つ人材を必要とすること自体、国と自治体が真に対等ではないことの表れでもある。国の情報を早く取り、補助金を獲得し、国が求める計画をつくる能力ばかりが高くなれば、自治体は地域の問題を発見する政府ではなく、国の政策に上手に適応する組織になってしまう。

    地方分権とは、権限を移すことだけではない。自治体が自ら問題を定義し、人を育て、政策をつくり、必要なら国の制度を変える能力を持つことである。

    本書が地方分権の先に置くのが「社会分権」である。地方分権が国から自治体への分権だとすれば、社会分権は自治体政府から市民社会への分権である。

    自治体は役所だけを意味しない。そこに暮らす人々、NPO、地域団体、協同組合、企業など、多様な主体を含む地域社会そのものでもある。公共を役所だけで抱え込まず、市民が課題を発見し、解決策を考え、実行する。そのために自治体は、権限、情報、資金、参加機会を市民社会へ開いていく。

    ただし、それは行政サービスを安く外注することでも、特定の地域団体を住民の代表として制度化することでもない。地域やコミュニティは一つではない。人は居住地だけでなく、仕事、子育て、介護、障害、関心、オンライン上のつながりなど、複数の共同体に属している。社会分権の担い手は、横にも縦にも開かれた、多元的で重層的なネットワークでなければならない。

    そして、どのコミュニティにも参加できない人、地域のつながりからこぼれる人を、最後に直接支えるのが自治体である。社会分権は行政の撤退ではない。市民社会に公共を開きながら、市民社会だけでは支えられない人に対する政府の責任を、むしろ明確にする考え方である。

    この社会分権という構想は、デジタル社会に新しい可能性を持つ。アプリを通じて市民の声を日常的に聞く。行政データを開き、市民が政策を考えるための材料を提供する。PolisやDecidimのような道具で熟議を支える。ハッカソンやシビックテックの成果を、イベントで終わらせず行政サービスへ正式に取り込む。

    市民は行政サービスの利用者であるだけでなく、公共の共同生産者になり得る。ただし、行政が大量の意見を集め、AIで分析し、行政内部だけで決定するなら、それは高度な広聴にすぎない。市民の提案が意思決定、実施、評価へとつながって初めて、デジタルは社会分権の道具になる。

    一方で、デジタルで声を届けられない人もいる。アプリ上に現れない人を見つけ、人が会いに行く。社会分権からこぼれる人を自治体が直接支えるという今井さんの主張は、デジタル時代にも変わらない。むしろ、デジタルによって「参加していない人」「見えていない人」が誰なのかを知り、行政がその人に近づくことができる。

    自治体の政治や行政をあまり意識せずに暮らせる日常は、ある意味で素晴らしい。それは、水道が出て、ごみが回収され、道が使え、必要なときに医療や福祉につながれる生活が、特別な努力をしなくても維持されているということだからだ。

    しかし、ひとたび役所の窓口に行くと、何度も同じことを書き、複数の機関から書類を集め、国、都道府県、市町村の間を行き来しなければならないことがある。市民から見れば行政は一つなのに、制度と執行は分断され、その体験全体を改善する主体が曖昧になっている。

    自治体の使命が「今日と同じように明日も暮らせることの保障」なら、市民に制度の境界を歩かせてはならない。国の制度、都道府県の制度、市町村の制度を、市民の生活を起点に組み直す必要がある。自治体から生まれたシビルミニマムを、国のナショナルミニマムの再編につなげる。松下圭一が構想した「自治体から国へ」という政策の流れを、今こそつくり直す必要がある。

    「今日と同じように明日も暮らせる」という言葉は、今日と同じ制度や行政サービスを、そのまま保存するという意味ではないだろう。人口減少、気候変動、インフラの老朽化、デジタル化が進むなかでは、現在の仕組みを維持することが、かえって将来の生活を壊すこともある。

    守るべきなのは制度ではなく、市民が暮らし続けられる条件である。そのために自治体自身も変わり、学習し続けなければならない。

    本書は「地方創生」という、一見すると前向きで反対しにくい言葉の裏側にある統治構造を明らかにする。そして、自治体は地域を稼がせるための末端機関ではなく、市民が自らの生活を支えるために使いこなす政府なのだと、改めて問いかける。

    自治体は何のためにあるのか。

    稼ぐためではない。市民が明日も暮らせるようにするためにある。そして、その「明日」を行政だけで決めるのではなく、市民とともにつくるためにある。

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    2026年08月10日
  • 自治体は何のためにあるのか 〈地域活性化〉を問い直す

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    地方自治のあるべき姿について、事例や政策の変遷などから語った本。自治体のミッションは「今日と同じように、明日も生きられることを市民に保障する」ことであり、国と自治体の役割を融合から分離へと転換させ、自治体がディフェンダーに特化できるに改めるべきという「自治体ディフェンダー論」を軸に展開される。
    国が自治体に対して「稼ぐ」ことや計画を策定することを求める地域政策への批判や、2000年の分権改革からの変遷の解説など、納得感のある内容で理解しやすかった。主軸の自治体ディフェンダー論に関しては、網羅性やセーフティネットの観点からはすごく納得ができるものの、地域事業者や地域ソリューションの適切な競争市場の観点では、いわゆる誰がフォワードを務めるべきなのか、フォワードの観点に関しての論理をもう少し聞きたいと感じた。

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    2026年04月26日
  • 自治体は何のためにあるのか 〈地域活性化〉を問い直す

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    自治体はそこで暮らす人の生活を維持する。>かなり難易度高い。稼ぐことで生じた社会の歪を補正し、隙間に入り込んでしまった人の生活を支える。>もっと難しい。自治体を移るには元手がいる。一番困った人は移れない。>確かに。

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    2026年03月24日
  • 自治体は何のためにあるのか 〈地域活性化〉を問い直す

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    ネタバレ

    力作。
    国から自治体に渡されるお金の使い道に多くの問題点のあることが分かった。必要なところにお金が流せないものだろうか。

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    2026年03月07日
  • 2040年 自治体の未来はこう変わる!

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    2018年初版の本。2018年当時に読んでから、2024年に改めて読み直しましたが、本書の内容は色褪せることなく、むしろより切実に感じられました。

    国が出すドキュメントなどをそのまま鵜呑みにするのでなく、(本書のように)批判的な意見も読むことで、より自治体への理解を深めることができると思います。特に(自治体を顧客に持つITベンダーの社員である)自分に響いたのは次の内容でした。

    ①少子高齢化により労働力に制約が生じるから「業務のあり方」を変革するというのはおかしい。公的部門の役割は、市場原理の社会から疎外されたりする社会的弱者を支えるところにある。そのような「本来担うべき機能」を精査して、それを維持するためにどうするかというのが発想の流れであるべき。

    ②AIやロボティクスなどIT技術を利用して「職員は企画立案業務や住民への直接的なサービス提供などの業務に注力する」と言うが、同じことは40年前の大型コンピュータ導入の時から言われている。現実はそうならず、業務量は増加。ITは単に大量の計算処理をすることばかりでなく、コミュニケーションツールとして使われ、市民から大量の問い合わせや国・都道府県から頻繁に照会・調査依頼が来るようになった。いつでもどこでもネットに繋がることで、時間や場所を問わずに仕事に巻き込まれ、職業倫理の高い人ほど日常的に隙間なく緊張を強いられる。住民への直接的なサービス提供を割く時間が増えるという見通しは現実に合致してない。AIについても、行政は福祉・課税など毎年のように制度変更があり、かつ、誤った対応は許されないため、モニタリングが必須。

    ③情報システムの標準化・共通化も要注意。カスタマイズを無くしシステム投資を抑制すると言うものだが、そもそもナショナルスタンダードで行政実務を執行しなければならないのであれば、国が直接執行すべき。自治体を国の出先機関のように捉える発想が誤り。まず国がやるべきことと自治体がやるべきことの見直しが先。その上で、自治体は多様な地域社会に対して独自の行政サービスを提供する必要がある。単純にカスタマイズは無くすべしといった独自の行政サービスを提供すること自体を否定するような考えはおかしい。地域社会や自治体が多様であることが問題なのではなく、多様な地域社会や自治体に対して標準化・共通化を求めるから問題が生じる。

    ④自治体のミッションは「今日と同じように明日も暮らし続けられる」ということを市民に保障すること。将来に向けてそれを困難にしているのは、少子高齢化よりも、「余計な仕事や責任」を強要されていること。自治体に自立性が欠けているのではなく、自治体の自立性を奪うようなアプローチが繰り返されているということ。

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    2025年01月02日
  • 地方自治講義

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    ネタバレ

    地方自治よりも国政だと思っていたため、市議会や県議会に全く興味が持てていなかったけれど、この本を読んで地方自治の重要性を知った。

    行政はもともと
    小単位である市町が行い、
    それでできないことを都道府県が担い
    それでもできないことを国が行う
    という概念だそう。

    今は国がトップダウン式に地方のお金の使い方に影響を与えているが、地方自治体こそ地方に住んでいる住民の声を一番反映しやすく、その土地土地にあった最適な仕組みをつくることができると指摘されていた。

    自分たちの住む街を快適にするためにもまずは地元の行政に興味を持って、国会議員だけでなく地方議会の選挙にも積極的に参加していこうと思った。

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    2019年06月22日
  • 2040年 自治体の未来はこう変わる!

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    『今日と同じように明日も暮らし続けられることを住民に保証すること』を自治体のミッションと捉え、地域社会や自治体行財政の未来についての展望を記している。
    本書を読んで、この『ミッション』の意味を個人的に考えてみた結果『社会情勢や環境の変化によって住民が新たな不安や不満を抱かないように、先を見通して柔軟に対応できるよう準備すること』なのかなと思った。先を見通す事は、現状を正確に捉える事から始まる。柔軟性を持つには変化を恐れない、前例踏襲、現状維持思考を捨てること。
    自治体職員だけでなく自治体職員を目指す人も読んでおくといいと思った。

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    2019年03月10日
  • 地方自治講義

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    ネタバレ

    ・自治体の役割と合意形成について
     我々は社会的な動物であって、組織的集団に属して生活していく以上、意思の調整が必要になる。とりわけ、個人の資力では対応できないときに自治体が必要となるのであるが、それは、個人の負担と受益が一致しないこともあるから自治体が必要であるという帰結にもなる(すなわち、自分の負担と受益が一致するのであれば、役場はいらず特定の事業を遂行する民間でよいが、その地方全体のことを総合的に判断して最適に財源を振り分ける機関が必要なのである)。そして、健全な民主主義の下で合意形成を行うことは、誰もが不満を抱える状態のことである。したがって、選択された結果に対して自分の意見は違うが仕方ないと人々が納得するかが問題なのであり、可能な限りの納得を得るためには政策決定の結果ではなく、プロセスが重要である。決定までのプロセスが見えない場合や、過程を飛ばしているような政策には市民の支持=政策の正統性は得られないといえよう。
    ・自治体の原理について
     前近代の封建的な地域社会が全てよかったわけではないが、自治体は社会の近代化に翻弄され、自治体の価値が低下しているのかもしれない(例えば、市町村合併に付随した弊害として、大規模化した市町村で地域社会を見守る目が希薄化することで、東日本大震災のような緊急時に周縁部の旧町村地域への支援が遅れた)。地域社会のあり方は変化せざるを得ないが、人は支えあって生きていかなければならない限り、自治体を使いこなすこと、職員は自治体を機能させることが必要である。その際注意しなければならないのは、何らかの結果について原因を考える際には慎重になるべきということである。多くの人が人口減少問題について対策を考えるときに、日本の人口減少(自然増減)と地域の人口減少(社会増減)を混同しているが、これはそれぞれ別の論理が働いている。自治体ともなれば、市民の税金で政策を行っていく以上、方向性の誤った効果の期待できない政策を進めていくべきでなない。

     著者は全体として、実際に地方公務員として区で勤務した経験から、国に媚びて優遇を受けるような政策ではなく、自治体自らが主体的にその地方に必要な政策を行っていくべきであると主張している。
     専門的な用語やデータが一部登場してくるため、すべてのページをじっくり集中して読むことは難しいが、172~176ページで述べられている、合意(納得)を形成する際のプロセスの重要性については改めて痛感する部分であり、今後念頭に置いていきたいと思わせられる内容であった。

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    2018年01月03日
  • 自治体は何のためにあるのか 〈地域活性化〉を問い直す

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    冒頭に国見町で問題が明るみになったコンサル問題が取り上げられ、主に国と地方自治体との歪な関係を中心に本来自治体がなすべきことは?という内容が整理されている。 国と自治体には主従関係はないけれど、様々な補助金の要件にいろんな計画の策定を自治体に課しており、財源や人の限られる自治体ほど厳しい状況にあると感じた。 自力で稼ぐことを求められる自治体に違和感を感じていたので、本来のディフェンダーとしての自治体の役割をという主張には納得。

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    2026年03月18日
  • 自治体は何のためにあるのか 〈地域活性化〉を問い直す

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    地方行政ということで推薦本であった。教員養成系大学の学生にとっては、教育についての説明がほとんどないのであまり参考にならないかもしれないが、教育委員会に就職を希望する学生は読んでおいていいかもしれない。

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    2026年03月10日
  • 自治体は何のためにあるのか 〈地域活性化〉を問い直す

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    とても的を得ていることもあるし、現実的ではないかも?と思ったシーンもあったし
    でも課題は一緒
    常に問いただす必要

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    2026年02月02日
  • 自治体は何のためにあるのか 〈地域活性化〉を問い直す

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    自治体と地方自治の観点から現在の課題と今後の方向性を考える趣旨で書かれた本。

    導入部は、以前に読んだ「過疎ビジネス」という本に示されている東北地方の小さな自治体で起きた事件の紹介。
    著者は、国が「官民共創」の名の下、自治体に対し、「稼ぐ」ことを求め、結果として、計画策定、アドバイザー派遣、専門家への事業受託に翻弄されている自治体の現状を憂える。
    その上で、自治体に「稼ぐ」責任はあるのかという疑問を呈し、地域経済において自治体に求められるのは、「信頼を付与する役割」だという原点回帰を訴える。

    次章では、事件が起きた背景や構造を考え、2000年の分権改革や2014年に開始された国の地方創生政策を取り上げる。
    聞こえのいい「分権改革」によって小規模自治体は交付税が抑制され、国主導の「地方創生」政策は、メニュー化された自治体に計画策定を強い、地域課題から離れた資金争奪戦をもたらした。

    さらに3章では、国による自治体への「計画統制」や2024年の自治法改正で、デジタル化(全体の最適化)、自治体への「補充的」指示権の創設、公共私連携(指定地域共同活動団体制度)が創設され、自治体や市民活動統制の動きが進展することへの危惧を論じる。

    「官民共創」や「地方創生」という美しい言葉の陰で、自治体の本務が見失われようとしている中で、著者は、4、5章で、今後の自治体や地方自治のあり方を考える。

    第4章では、自治体が、情報消費社会が作る新たな空間を意識して、住民の概念を広げ、他の主体と力を合わせて身体性という観点から人権を守るべき論じる。

    最終の第5章では、情報消費社会の進展がもたらす自治体の負担増に着目し、業務量の削減のため、国と自治体との役割を「融合」から「分離」へと転換させ、市民生活のディフェンダーとしての自治体に特化すべきだと説く。
    そして、国に対して、自治体行政への依存を止め、自立を訴えるとともに、自治体のミッション遂行のための資源を用意し、どの地域で暮らしてもナショナル・ミニマムを享受できる条件の整備を求める。

    著者は、地方行政の経験を持つ学者であり、実体験と理論の両面から自治体や地方自治のあり方を見つめてきた。

    レベルの高い論理力についていけないところもあったが、自治体や地方公務員の側に立って論じる熱い思いは、ひしひしと伝わってきた。





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    2026年01月02日
  • 2040年 自治体の未来はこう変わる!

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    自治体の将来について、現場の職員視点での問題点や業務レベルでの課題なども書かれてあり、参考になった。
    そもそも、国が市町村へ委ねる政策などが実態と乖離しており、施策が破綻していることが多いということを理解すること、国の施策が必ずしも正しいという先入観を持たずどうあるべきかを考えながら施策を見る必要があることが学びになった。実務でも行政と向き合うことが多いが、それぞれの立場から考えた上で向き合うようにしたい。

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    2023年11月04日
  • 2040年 自治体の未来はこう変わる!

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    本書は、2018年7月に総務省の自治体戦略2040構想研究会報告書の方向性に対して、批判的なスタンスである。
    本書の中で、特に注目するのが、「6章 自治のゆくえ」のうち「計画による統制」である。国が自治体に策定を求める計画が増加しており、法令上は「任意(できる規定)」や「努力義務」規定であっても、地方創生の地方版総合戦略のように、事実上全自治体での策定が求められているものがあることを、国と自治体は「対等・協力」の関係とした分権改革と遠い世界になってしまったと表現し、厳しく非難している。単に仕事を増やすだけでなく、計画策定を通して、国から自治体に責任が転化されることを問題視しており、著者の指摘は非常に納得するものである。

    また、また、現在の地方自治制度の問題点として、多様な地域社会を反映する多様な自治体に対して、全国一律、画一的な「標準化・共通化」を押し付けていることを挙げている。そもそも、国レベルで、標準化・共通化が必要な業務は自治体そのものの業務とは言えないとも指摘している。
    この点で、総務省の報告書が、自治体行政の標準化・共通化、行政のスタンダード化を志向していることと基本的な考え方を異にしている。

    個人的には、地方分権改革を経てもなお、現行の国の機関、自治制度上、地方自治体は国の政策のアウトプットを担う側面は大きく、その点総務省の報告書の言うように標準化や共通化は必要でないかと思う。また、報告書の趣旨としても、すべての業務を標準化、共通化できる業務と捉えておらず、できるものについて進めることで企画や住民サービスに人材を充てることを目的としているのではないか。

    著者の言うように標準化できるものはむしろ国がやるべきという主張は正しいように思われるが、国の機関で担うには新たな地方機関の新設や人の関係上難しいだろう。

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    2018年11月07日