風島ゆうのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ何年かぶりの再読。
(再読のために改めて買い直した)
再読だから展開は分かっているのに、それでも号泣した。
嗚咽を噛み殺しながらの読書になった。
別の作品でも書いたが、風島先生は内面を掘り下げて書くのが上手いと本当に思う。
しかもそのキャラだって本当は見せたくない本性の部分を。
描かれたら痛いであろう弱い部分を。
人に興味が持てず、女性を使い捨てているようなロクデナシ、鈴宮先生だって、零ちゃんにかかれば暴かれたくなかったであろう内面が掘り下げられてしまう。
この洞察力、というかこの感受性。
彼女は霊の記憶が見えてしまう目になってしまったゆえに、ただでさえその世界に引っ張られて自分を見失いがち -
Posted by ブクログ
ネタバレ病気には完治できるものと、治療法すら分からないものがある。
放置しておけば、死に至る病もある。
それは現実世界でも、フィクションでも、そして「まぼろし病」なる病が存在するこの物語でも同じだ。
いくらお医者さまに診ていただいても、そのお医者さまが最後の砦だったとしても、救えるものは救えるし、そして救えないものは救えない。
そして、患者の意志を覆すことは、お医者さまでも無理なことがある。
「まぼろし病」は、まるで物語のような病だ。
体から星屑のように光がこぼれ落ちていく病。
単音が聞き取れず、ハーモニーでないと音が聞き取れなくなる病。
ある言葉を口にしようとすると泡になってしまう病。
そして、主 -
Posted by ブクログ
ネタバレ粗筋に惹かれて手に取ったので、作者さまが『零の記憶』シリーズの方だと後から知りびっくり。
『零の記憶』好きだったので、別レーベルでまたお会いできるとは思わず。
これは嬉しい再会!
日本茶を楽しめるカフェを舞台にした日常ミステリもので、帯には「路地から出られない探偵」とあったが、彼は絶対的な「探偵」ではないなと思った。
大体は彼が謎解きをするのだが、彼は一から十全て分かる訳でもないし、彼がまるっと全てを解決する訳でもない。
この作品、探偵役が必ず彼だとは限らない。
彼に救われた少女、萌が気付いてくれたり、彼女が推理をして見せたり。
彼の兄がお茶の力で心を癒したり、弟をアシストしたりする。
この