トム・フランクリンのレビュー一覧

  • たとえ傾いた世界でも
    2024年3冊目。
    インガソルがメチャクチャ好きでマジでカッコいい。
    映画化してほしい。

    年齢がだいぶ違うけどインガソルはクリスチャンベイルで想像してました。
  • ねじれた文字、ねじれた路
    少年二人の友情と、それが壊れてからの長い年月。25年後に再びめぐり合った二人の運命が、簡潔に接続詞を省いて積み重なっていく文章で書き表されている。読みやすくひざびさに読後感のいいミステリだった。
    底辺にある黒人と白人という人種問題も重くなく理解できるもので、効果的だった。

    ホラー小説を愛するラリー...続きを読む
  • ねじれた文字、ねじれた路
    …小説で泣いたの久しぶりです。
    だいたい、帯や裏表紙に書いてある「感動の~」とか
    あんまり信用しない上に、
    単なる売り文句だと思っているのですが、
    いやー…良かった。これは良かった。
    解説にもありますが、
    余韻を楽しむ作品と云っていい程。

    冒頭から憂鬱な気持ちに蹴落とされ、
    そのほの暗いローテンシ...続きを読む
  • ねじれた文字、ねじれた路
    風変わりなタイトルは、ミシシッピー(Mississippi)の綴りを覚える時に、アメリカの子供が歌う歌詞の一部だということ。
    アメリカ南部を舞台に殺人容疑をかけられている白人と、野球の夢を諦め地元に帰ってきた黒人下っ端警察官の、元同級生がおりなす物語

    最後のあっと驚く仕掛けもあり、ミステリーとして...続きを読む
  • たとえ傾いた世界でも
     1927年にミシシッピ川流域でアメリカ史上最大の洪水が起こったことはとても有名な史実であるにも関わらず、米国民の大方からは忘れられているという。その時代、その災害のさなかで密造酒作りを稼業に選んだ夫を持ったディキシー・クレイは、幼い子を洪水で失い、今では自ら密造酒作りの日々を送っている。

     そこ...続きを読む
  • ねじれた文字、ねじれた路
    『そのあとは、野原の向こうの林から昼が流れ果て、夜が居つくまで、フロントポーチにつくねんと座っている。どの日もちがう、どの日もおなじ』

    テキサスの大都会の一番の通りといえども、最も賑わうショッピングエリアから西へ15分も行けば、「町はずれ」の雰囲気が漂い始めるほどに建物と建物の間隔は広がり、駐車...続きを読む
  • ねじれた文字、ねじれた路
    アメリカの作家トム・フランクリンの長篇ミステリ小説『ねじれた文字、ねじれた路(原題:Crooked Letter, Crooked Letter)』を読みました。
    ここのところミステリ小説はアメリカの作家の作品が続いています。

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    デニス・ルヘイン、ジョ...続きを読む
  • たとえ傾いた世界でも
    「自分は通り過ぎていく人間だと思っていた。
    上を通り、下を通り、通り過ぎる。」
    孤児で第一次大戦で兵役を経て、密造酒取締官を業としている主人公インガソルは、自分の人生をそう考えていた……一人の赤ちゃんを拾い、一人の女性と出会うまでは。

    1926年から27年夏までに幾度も発生したミシシッピ川流域の記...続きを読む
  • ねじれた文字、ねじれた路
    しかしアメリカ人はこういうのが好きだなぁ~。
    デニス・ルヘイン、ジョン・ハート……
    閉鎖的な田舎町、貧困、人種差別、レイプ、銃、酒、麻薬、家庭内暴力……。

    ミシシッピの田舎で友人だった二人
    白人でホラー好きで人付き合いの苦手な子と、黒人で母と二人シカゴから流れてきた野球好きの子。仲が良かったはずの...続きを読む
  • たとえ傾いた世界でも
    1920年代のアメリカ
    ミシシッピ川大洪水 洪水のシーンは凄い迫力。二百人以上の犠牲者と記録にはあるが、本当はもっとかもしれないらしい。黒人の労働者は記録に残っていなかったのだろう。
    赤ちゃんの愛らしさと、母になりたい切実な女の気持ちがリアル。
  • ねじれた文字、ねじれた路
    「ラザフォード家の娘の行方がわからなくなってから八日が過ぎて、ラリー・オットが家に帰ると、モンスターがなかで待ち構えていた」

    いかにもミステリらしい謎めいた書き出しに興味は募るが、正直なところ犯人はすぐわかってしまう。なにしろ<おもな登場人物>に名前が出ているのが11人。ミステリのお約束として、犯...続きを読む
  • ねじれた文字、ねじれた路
    回想によって現在までをゆっくり再構成していく思い出ミステリ。ただの友達だった二人の辿る路が次第にねじれていくのを追体験するのは面白い読み応え。主人公の一人が読書中毒でえらく感情移入しやすい…。
    途中まで、マッチョイズムというかオッサンミステリだなと辟易しかけていたけど、そういう脂ぎったものの水面下で...続きを読む
  • ねじれた文字、ねじれた路
    読んだ後、しばらく余韻に浸っていたかった本だ。
    陰惨な話かなと思ったけど、そっちはそんなにあからさまではない。人物描写が素晴らしい。グリーンマイルを思い出した。二人の男の心の旅路に、そっと寄り添って読み進んだ。
    人はひどい所も一杯あるけど、捨てたもんじゃないとほのかな明かりを感じさせてくれるラストが...続きを読む
  • ねじれた文字、ねじれた路
    ミステリとして読むと、途中で犯人が分かってしまうし、意外性というものは乏しい。

    しかしそれを補う文章の美しさ、描写のこまやかさ。ミステリというよりも25年間身に覚えのない罪を着せられ、小さな町から村八分にされて生きてきた男と、南部の小さな町で父のわからない黒人として生きることとは何かを幼いころから...続きを読む
  • ねじれた文字、ねじれた路
    自分が選んで読む米国の本は湿度の低いものが多いような気がするけど、この作品もまた圧倒的に乾いてた。読後のし〜んとした感じが心地いい作品。
    残念なのは、ミシシッピ州の小さな町が舞台で白人と黒人、二人の男が主人公の話しが故に細かい機微が掴み切れないとこ。こればっかりは「文化がちがーう(by ヒストリエ)...続きを読む
  • ねじれた文字、ねじれた路
    ミステリと言うより文学作品。
    南部アメリカ小説。娯楽作と言うより、じっくり読ませる端正な作品。
    物語はつらく、悲しく、息苦しいが、文章、描写は美しく見事だ。
    最期に少しだけ希望が持てる点がいい。
  • ねじれた文字、ねじれた路
    白人より黒人有利の社会で暮らしている白人男性と黒人男性の物語。アメリカの闇の部分が描かれていて、そこがまたいい。と~っても暗いお話しだけど、最期は希望が持てる終わり方で良かったと読み終わったときつくづく思った。
  • ねじれた文字、ねじれた路
    ミシシッピ州の田舎町で40代の自動車修理工が銃で撃たれる事件が起きた。被害者のラリーは瀕死の重傷。しかし、ラリーはちょっと特殊な人物だった。というのも彼がまだティーンエージャーだった25年前。同級生のシンディが行方不明になり、ラリーはその事情を知っている重要参考人だったのだ。
    そして、つい最近も女子...続きを読む
  • ねじれた文字、ねじれた路
    どんでん返しがあるようなミステリじゃなかったけど。

    読み解かれるのは登場人物たちの人生だったという事。
    二人の男がどう出会い、どう離れ、どう、もう一度近づいていくのか。
    その丁寧な描写がとても良かった。

    終盤、主人公の1人のサイラスが、もう1人の主人公、ラリーの母を尋ねたくだり。
    彼らが共に過ご...続きを読む
  • ねじれた文字、ねじれた路
    CL 2012.4.1-2012.4.11
    ミステリとしてはたいしたことはないけど、
    余韻の残る作品。
    少年時代、だねぇ。