ダン ガードナーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分の人生を生き抜くための永遠の課題と捉えている、物事を予測すること。
この問いに対し、心理学的な側面、資質、予測のプロセスについて、実際に米国で研究・検証したケーススタディをベースに、種々解説しております。
巻末に、超予測者になるための心得として、10箇条の要約が明記されております。
心理学的側面では、社会心理学や行動経済学でも登場する、バイアス・ヒューリスティックなど、客観的な視点を歪ませる人の心理が丁寧に解説されてます。
予測のプロセスにおいては、やはりというか緻密で且つ客観性を保持することの重要性を主張しております。「永遠のベータ」であれといういい響きの言葉をいただきました。
なお、様々に集めた情報を「シンセシス(統合)」することの重要性を感じました。この部分が、予測(結論)する上で、最も重要で且つ必須スキルであると思います。
予測に関する書籍を読み漁っていますが、ここの部分について、詳細に綴られているものはなく、ここが形式知化できないコアな部分であると、あらためて感じた次第です。
翻訳書特有の米国人の言い回しの分かり難さで、-0.5点です。 -
Posted by ブクログ
新聞、雑誌、テレビなどで様々な予測を目にすることは多く、中には、株式投資のように、その予測に影響を受けた行動をとる人もいることだろう。しかし、そのような予測は、プロ野球の順位予想など一部を除けば、その当否が検証されることはあまりない。
本書は、予測を検証する方法論、優れた予測を行う人の存在、そうした超予測者が行う予測の方法などについての著者の研究成果が紹介されている。こうして見ると、かなりマニアックな内容のようにも見えるが、実際には、エビデンスベースの医療が導入されるまでの歴史とか、予測の失敗例と成功例として取り上げられたケネディ時代のキューバ問題とか、このような予測問題に対して批判的なブラックスワンの著者の意見など、幅広い事象が取り上げられていて、非常に刺激的であった。
本書を読んだからといって、自分が超予測者になれるとは思えないが、ここで紹介された色々な物の見方はいかにも有用そうで、今後、なるべく生かしていきたいと思わせるものがあった。
一つ気になったのは、様々な面でタブーを物ともしないような鋭い切り口の著者であるが、第二次大戦を戦ったドイツ国防軍のシステムや思考方法を賞賛した後で、これについて弁明めいた追記をしているところ。アメリカでは、今も、ヒトラー政権下のドイツ軍に関することを賞賛するのは、よほど政治的に正しくないことなのだろうか。 -
Posted by ブクログ
あとがきより
「本書『超予測力』の土台となっているのは、『ソ連で赤軍がパレードをしていたロナルド・レーガン政権時代』から一貫して予測力を研究してきたペンシルバニア大学教授、フィリップ・テトロックの研究成果である。テトロックの率いる研究チーム『優れた判断力プロジェクト(GJP)』は、2011年から15年までアメリカ国家情報長官直属の組織であるIARPAが主催した予測トーナメントに出場、圧倒的な成績を収めた。…GJPの予測の正確性は他大学の研究チームはもちろん、CIAなどの諜報機関で働くプロの情報分析官のそれさえも上回った。原動力となったのが、テトロックが『超予測力』と名づけた一群のボランティアだ。
超予測力はどのような人々か、彼らはどのように予測を立てるのか、徹底的に分析した結果、テトロックがたどり着いた結論はこうだ。『予測力は生まれつき備わった神秘的な才能などではない。特定のモノの考え方、情報の集め方、自らの考えを更新していく方法の産物である。知的で思慮深く意志の強い人なら、だれでもこの思考法を身に着け、伸ばしていくことができる』。」
以下、本編より
■典型的な超予測者像まとめ
・モノの考え方の傾向
慎重 確実なことは何もない。
謙虚 現実はどこまでも複雑である。
非決定論的 何が起きるかはあらかじめ決まっているわけではなく、起こらない可能性もある。
・能力や思考スタイル
積極的柔軟性 意見とは死守すべき宝ではなく、検証すべき仮説である。
知的で博識 認知欲求が強い 知的好奇心が旺盛で、パズルや知的刺激を好む。
思慮深い 内省的で自己を批判的に見ることができる。
数字に強い 数字を扱うのが得意である。
・予測の方法
現実的 特定の思想や考えに固執しない。
分析的 鼻先越しの視点から一歩下がり、他の視点を検討する。
トンボの目 多様な視点を大切にし、それを自らの視点に取り込む。
確率論的 可能性を多段階評価する。
慎重な更新 事実が変われば意見を変える。
心理バイアスの直観的理解 自分の思考に認知的、感情的バイアスが影響していないか確認することの重要性を認識している。
・努力についての考え方
しなやかマインドセット 能力は伸ばせると信じる。
やり抜く力 どれだけ時間がかかろうと、努力しつづける強い意志がある。
■超予測力をめざすための10の心得
(1)トリアージ 努力が報われそうな質問に集中しよう。
(2)一見手に負えない問題は、手に負えるサブ問題に分解せよ
(3)外側と内側の視点の適度なバランスを保て
(4)エビデンスに対する過少反応と過剰反応を避けよ
(5)どんな問題でも自らと対立する見解を考えよ
(6)問題に応じて不確実性はできるだけ細かく予測しよう
(7)自信過少と自信過剰、慎重さと決断力の適度なバランスを見つけよう
(8)失敗したときは原因を検証する。ただし後知恵バイアスにはご用心
(9)仲間の最良の部分を引き出し、自分の最良の部分を引き出してもらおう
(10)ミスをバランスよくかわして予測の自転車を乗りこなそう
(11)心得を絶対視しない
※外側の視点から始めよ
…統計学で基準率と呼ばれる。ある事象が母集団のなかでどれだけ一般的かを示す。ダニエル・カーネマンはもっと想像力をかきたてるような呼称をつけた。「外側の視点」である。対義語は「内側の視点」で、特定の事例の詳細な情報を表す。…
われわれはどうしても内側の視点に引っ張られる。内側の視点は具体的で、ストーリーを組み立てていくのにうってつけな興味をそそる情報が詰まっている。反対に外側の視点は抽象的で無味乾燥で、ストーリーをつくるのに不向きだ。…
なぜ外側の視点から始めるべきなのか、疑問に思うかもしれない。…理由は「安価リング」と呼ばれる基本的な心理学の概念だ。…
…予測を立てる際に内側の視点から出発すると、あまり意味のない数字に影響を受けるリスクがある。外側の視点から始めれば、分析は意味のあるアンカーから出発することになる。質の高いアンカーが有益なのは明らかだ。
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Posted by ブクログ
予測に関する本
メモ
・超予測者を目指すための10の心得
トリアージ
一見手に負えない問題は手に負えるサブ問題に分解せよ
外側と内側の視点の適度なバランスを保て
エビデンスに対する過小反応と過剰反応を避けよ
どんな問題でも自らと対立する見解を考えよ
問題に対して不確実性はできるだけ細かく予測しよう
自信過小と自信過剰、慎重さと決断力の適度なバランスを見つけよう
失敗した時は原因を検証する。ただし後知恵バイアスにはご用心
仲間の最良の部分を引き出し、自分の最良の部分を引き出してもらおう
ミスをバランスよくかわして予測の自転車を乗りこなそう
心得を絶対視しない -
Posted by ブクログ
・超予測者にとって「自らの意見とは死守すべき宝ではなく、検証すべき仮説にすぎない」
・運命論的思考をする人ほど、予測の正確性は低くなる傾向がある。確率論的思考をする人ほど、予測の正確性は高い
・優れた予測と立てるために、超予測者の多くが踏んでいる手順。まず質問を分解する。知りえる情報と知りえない情報をできるだけ明確に選別し、すべての仮説を吟味する。外側の視点に立ち、問題を固有のものではなく、一般的現象の一つの事例として相対的に見る。それから内側に視点を転じ、問題固有の情報に焦点を合わせる。さらに、自分と他人の見解を比較し、類似点と相違点を検討する。とりわけ予測市場など、群衆の英知を引き出す仕組みに注意を払う。こうして得られた多様な見解を、トンボの目のような鋭い単一の視点に統合する。最後に確率を1%単位で示すなど予測はできるだけ精緻に表現する
・思い入れを強く表明するほど、変化への抵抗も強くなる
・優れた予測をするための魔法のような必勝法など存在しない。たくさんのただし書き付きのざっくりとした原則があるだけだ
・特定分野での予測能力を高めたければ、それを繰り返し練習すること、そして、間違えたら、その原因を学ぶ姿勢が大事
・「自分の頭で考えよ」。必要とあれば、命令に異を唱えよ。批判しても構わない。そしてどうしても必要と思ったら逆らうことも厭うな(正当な根拠がないと後々困ったことになるが)
・不愉快な話にも進んで耳を傾けようとする姿勢と、誰もが都合の悪い話を安心して上司の耳に入れられるような文化を組織全体に醸成する必要がある。「型にはまらない因習打破的な発想ができる人材は守り、育てていく必要がある」
・優れた予測に必要な謙虚さとは、自己疑念ではない。自分を卑下する感覚ではなく、知的謙虚さである。つまり現実はどこまでも複雑で、物事をはっきりと理解することが仮にできたとしても、それには不断の努力が必要だ。だから人間の判断には過ちがつきものだ、という認識である