ジョー ネスボのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレジョーネスボ、噂に聞く北欧ミステリーの有名作家、今回読んだのは2作品目だが、いやいや噂にたがわぬ面白さ、四六版単行本上下2段組500P超えのボリュームは読み応えあって、中だるみも少なく、全編ずっと緊張感とノアールと諦念が漂い続ける作風で、思ってた以上にのめり込んでしまった。
主人公兄弟、兄ロイの寡黙さ冷徹さ、弟カールの冷酷な詐欺師っぷり。育った環境が悪かったとも言えるのだが、それよりを周りを囲む人物たち、とりわけ女性陣が絶妙に小ずるくてチクチクとした悪さを仕込んでは、兄弟を追い詰めていく様が怖い。
そしてその描写に余分な熱量がない、他のノアール作品例えばコスビーとかウィタカーとか、月村了衛 -
Posted by ブクログ
単行本の二段組にして500ページを超える長編だが、飽きる事ないドラマ(事件)があった。
ノルウェーの深い谷に阻まれた村、オスの農場で暮らすロイとカールの兄弟は、両親を事故で亡くすのだが崖から落ちた事故に不審を抱いた保安官を…。
その後逃げるように村を離れた弟が、15年後に妻と共に農場の土地にリゾートホテルを建てる計画を持って戻ってくる。
この計画を持ち込んでから新たに巻き起こる事件に不穏さと兄弟の思惑に翻弄される。
いくつかのこれまでの死は、兄弟だけが関わっているのだが、事件にすらならない気味の悪さ。
最後は兄弟の騙し合いで終わるのかと思われたが、意外な結末に。
すべては弟ありきのことな -
Posted by ブクログ
ネタバレ非常に遅くなったが、2025年一作目。
ノルウェーの作家、ジョー・ネスボのノワール大作。
弟カールが故郷である山間の村に帰ってきた。
外国人の妻と、故郷の村をリゾート地へと発展させるホテル計画とともに。
兄のロイは不安ながらも弟の計画に乗るが、奇しくも兄弟が過去に関わった事件の再捜査が始まり。。。
上下段の500ページ越えと、非常に重厚な作品。サクサク読めるのだが、読み終えるのに流石に日数がかかってしまった。
兄弟、特に兄をメインに据えたノワール。少しずつ歯車が狂い、堕ちていく様が見事。家族小説、サスペンス、恋愛小説など、様々なジャンルを内包しており、飽きさせない。
弟カールが本当にお調 -
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★5 ノルウェーの深い谷に囲まれた田舎町… 人間の愛情と業が深々と描かれるノワール #失墜の王国
■あらすじ
ノルウェーの深い谷に囲まれた田舎町オス、その村の農場でロイは暮らしていた。彼はガソリンスタンドの店長として生計を立てていた。
ある日、アメリカで暮らしていたはずの弟カールが、妻シャノンと一緒にオスに戻ってくる。カールは農場にリゾートホテルを建設する詐欺まがいの計画を持ち掛けてくる。さらにこの兄弟は重大な秘密があり…
■きっと読みたくなるレビュー
★5 北欧の重厚なノワールミステリー、重いっ
最初から最後まで、寒々しく、じとっーとした雰囲気に包まれます。さらに舞台は田舎町のスモー -
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ネタバレ難読障がいを抱えた始末屋、オーラヴ・ヨハンセン。
信条と言うほど偉ぶったものではないが、相応の罪人でないと自らの招く結果にうまく心の整理がつけられない不器用で孤独な気質の男。
かつて、同じ組織のポン引きの上役が聾唖の少女の仕事ぶりを怒鳴りつけている場面に心が騒ぎ、衝動的に助け、資金面で援助し、微かな恋心を抱きつつその後の生活を見守る。そんな男。
あるとき雇い主から不貞をしている妻を殺すよう命ぜられるのだが、なんと彼女の姿に一目惚れ。
不倫自体も彼女が弱みを握られている節があり、相手の男も暴力的。
本能的とも言える行動で相手の男を始末することを選んだが、実はその男は雇い主の息子だった。
さてえ -
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俺にはできないことが3つあると言って消去法的に殺し屋となった男が、殺さないという道を選んだことで得られた悲しい結末、あるいはハッピーエンドの物語。人にはそれぞれテーマがあってそのテーマに沿って人生は物語として再構成される。同じ事象を目の前にしても、個々人によっては見えているものも違えばその解釈も大きく異なる。そういう意味で一人称で語られる物語は読むたびに解釈が変わるほど入念な小説だった。エピローグでは語り手が変わるがそれが意味することは何だろうと考えあぐねる。カートヴォネガットの『タイタンの妖女』で死にゆく男が見た夢の光景の話があるが、この物語では何がどこまで夢だったのだろうと考え始めるとキリ
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Posted by ブクログ
翻訳ミステリの多国籍化がすっかり歓迎ムードになっている昨今。英米の小説よりももしかしたら売れ行きがいいのではないか、とさえ思わせる北欧ミステリの世界的な台頭はやはり目立つ。
その中でも異色の作家ジョー・ネスボ。主人公の個性を大切にする傾向が強い北欧作家の中でも、強烈なオリジナリティを持たせるジョー・ネスボ。本作はネスボらしからぬ薄い一冊で、中編と呼んでも過言ではないほどの<ポケミス>ぶりだ。
そして数多くのパルプノワールが傑作を生み出してきたように、作品の長さではなく、詩のように語られ、詩のように生き、詩のように死んでゆく薄手の作品は、今日も、いつの世でも、どこの地でも好まれる傾向に