広島三朗のレビュー一覧

ヤマケイ山学選書 山が楽しくなる地形と地学

広島三朗

フィリピン海プレートは糸魚川・静岡構造線の西側を北西方向に押し続けている。甲府盆地から南アルプスの間には何本もの逆断層が走っており、その結果として南アルプスは隆起した。隆起量は山頂に近くなるほど大きく、北岳の山頂では1年間に7mm隆起している。

流紋岩はマグマが溶岩として噴出してから固まった火山岩。珪酸の含有量が多く、粘性が高いため、溶岩が噴出した時の流れの方向に縦模様がついている。岩の色は明るい。笠ヶ岳、針ノ木峠から爺ヶ岳、鹿島、槍ヶ岳、五竜岳、杓子岳、白馬岳以北の稜線。
安山岩は中間性の火山岩。日本の火山はほとんどが安山岩。
玄武岩は珪酸の量が少ないため流れやすく、色が黒い。富士山や伊豆諸島の島。

花崗岩はマグマが地下深部でゆっくり固まった珪長質の深成岩。常念山脈の燕岳から常念岳まで、裏銀座コースの烏帽子岳から真砂岳まで、飯豊山、筑波山、中央アルプス、鈴鹿山地、甲斐駒ヶ岳、鳳凰山、金峰山から甲武信岳まで、屋久島。
閃緑岩は中間性の深成岩。丹沢山地の中心を作っている。
斑糲岩は苦鉄質の深成岩。
蛇紋岩は、珪長質をほとんど含まない硬い深成岩で、浸食から取り残されて周辺から突出した高い山になる。夕張岳、早池峰山、至仏山、谷川岳、八方尾根、白馬岳。

尾根が二重になっている線状凹地は、山脈と並行に活動した正断層のために、山稜の頂上部分が落ち込むことによって形成されたもの。烏帽子岳から野口五郎岳にかけて、蝶ヶ岳、仙丈ヶ岳、赤石岳から上河内岳にかけて見られる。