「事故がなくならない理由」芳賀繁。PHP新書。2012年。
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大学で心理学を教えている学者さんの本。国鉄などに勤務経験もあるらしく、半ば「事故のプロ」なのでしょう。
2019年4月に読んだ本なのでかなり忘れていますが、大まかに言うと。統計データ上、
「安全技術が進歩しても、事故率はあま
...続きを読むり変わらない」
という一寸衝撃的な内容で、つまりは
「安全技術が進歩すれば、人のココロが油断して、例えば自動車ならながら運転などをしてしまう。だから変わらない」
「安全技術が進歩しても、運転がいちばん分かりやすいのだけど、人のココロには”ギリギリのスリルを楽しみたい”という要素があるから、変わらない」
というような話だったと思います。
自分の若い頃の運転を振り返ると、多少思い当たり。
へー、ふむふむ。という感じはありました。
(自動車の運転に限らず、人間関係とか仕事とかお金がらみとか犯罪被害あるいは犯罪加害とか、いろんな事も同じなんでしょうね)
そういう要素がある、ということを肝に銘じて暮らす方が良いんだなあ、ということですね。事故を避けるためには。
あと、どうやっても「家族そろって絶対に事故を避けて生きていく」ということは、人間社会で生きている以上は、どれだけ気をつけたって、自力では不可能なんですよね。
むしろ「事故にあっても、最悪の大事に至らないように気をつける」、「事故にあっても失敗しても不幸にあっても、それでもなんとかなるような心持ち、助け合えるような関係でいる」というほうが、現実的かと思います。
よくウディ・アレンなんか描いていますが、結局は自分の力、実力の賜物に見えるようなことでも、かなりの割合で所詮は複数の偶然の産物、神様の悪戯ってヤツなんだと思います。だからまあ、ヒトのありようってのがそもそも事故なのかも知れません。
...とまあ詮無き戯言ですが、本日も家族揃って無事故で過ごせたことを、一日一日感謝。無事是名馬。