綾屋紗月のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
人間同士の関係と距離感を対立と差別でなく
対等で自在な自律する相対の関係で磨き合えれば
お互いに傷付くこともなくなるから傷付けることも起こらず
安心して切磋琢磨しながら共存することができる
アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)と診断された綾屋と
痙直型脳性麻痺による身体障害者と診断される熊谷の
二人のマイノリティが出合うことで「当事者研究」が始まり
共同戦線を張っているマジョリティー(多数派)と対決することなく
つながるための研究とその方向性にたどり着くまでの過程を
克明に描き出している本である
結果としてこの研究はマジョリティーどうににおける距離感にも
通じる一般性のある答えだという -
Posted by ブクログ
アスペルガー症候群と脳性まひ、というマイノリティの身体をもつ、綾屋氏と熊谷氏の二人の立場から「人とつながるためにはどうしたらよいか」という問いについて書かれた本。
「アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)」の特徴
1、相互的社会関係能力の限界
2、コミュニケーション能力の限界
集団での疎外感や空気の読めなさ
3、想像力の限界
4、自閉症と同じ症状を持つが、知的障害がなく言語も幼いころから話せる
あふれる刺激 = 感覚飽和
優先順位をつけにく
大量の情報を無視できずに感じっとってしまう
自身の内外の訴えをバラバラのまま感じ取ってしまう
運動のつながらなさ
外部と自分の動き -
Posted by ブクログ
「人と違う事の自覚」は、基準と自らの差を理解し、一方を正しいと思い込む事から生じる。ならば、正しさは理解できており、その通りに振る舞えば良いのだろうが、そう、できない。あるいは、人に指摘されて初めて自覚する。そんな生き難さを感じる著者。アスペルガー症候群と身体障がい者。生きる難しさは、よくわかる。人と同じように行動したり、言葉を理解し合うのは、いつだって難しい。ボーっとしていても話は進むし、かと言って同じ事を繰り返し言われているようで、そう感じてしまうと注意力は続かないし。油断してボーっとすると、隙をついて重要な事が述べられていたりするのだ。
そんな事を繰り返すと不安になるだろうし、更にでき