渡邉泉のレビュー一覧

  • 会計学の誕生 複式簿記が変えた世界

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     「会計学って学問なの?手段・ツールじゃないの?」という評者の固定観念を,根底から打ち破ってくれた本。本書の言葉を借用すると,「日々の取引を正確に記録し,利益を計算する行為」は簿記であり,会計は,「その結果を受けて,企業成果を外部の利害関係者である株主や債権者に報告するシステム」(126頁)である。すなわち,会計は,株式会社の登場によって,損益や資産状況を記した簿記の情報が株主に正確に開示されることを以て,初めて意味を成す。評者の固定観念には,簿記と会計の相違を理解していなかった点に大きな問題が存在していたわけである。
     本書の目的は,書名どおり「会計学の誕生」を辿ることにあるのだが,いきなり

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    2019年01月24日
  • 重金属のはなし 鉄、水銀、レアメタル

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    前半は重金属の紹介。物理、歴史、人文などの幅広い知識に裏付けられた文章に、感服しました。
    後半は重金属による環境汚染の話し。珠玉の前半を踏まえての、被害者の立場に立った考え方は、非常に納得性がありました。

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    2013年03月04日
  • 重金属のはなし 鉄、水銀、レアメタル

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    重金属類とそれに付随して引き起こされた様々な公害問題,近年のEU諸国を中心とする新たな規制的手法に至るまで,極めて網羅的に書かれており,とても勉強になります.

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    2012年11月02日
  • 重金属のはなし 鉄、水銀、レアメタル

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    重金属の産業や生命での利用、そして環境に与える悪影響が記されている。製造業に携わるなら覚えておきたい話だった。

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    2023年05月06日
  • 会計学の誕生 複式簿記が変えた世界

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    会計学の成り立ちについて。
    ある程度会計を知らないとつまらないと思う。

    前半は複式簿記の誕生からキャッシュフロー計算書に至るまでの歴史が詳しく説明される。

    終章は途端に著者の主張が強くなり、近年の未来志向の公正価値重視の財務会計への批判が繰り返し述べられる。
    信頼性から有用性へ財務諸表に求められることが変化してきている。普段我々の作っている財務諸表の数値というのは一体なんなのだろうという感じ。DCFとか包括利益とかやっているわけだけれど…

    「会計が経営の意思決定に役立つ情報をすべて提供できるという思い過ごしをしないことが大切」という言葉がとても印象的だった。

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    2022年08月09日
  • 会計学の誕生 複式簿記が変えた世界

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    東芝の会計不祥事等、会計の信頼性を揺るがす事件を目の当たりにし、今一度会計の役割とは何かを問うべく、複式簿記の生成・発展の歴史を辿った本書。

    本書では冒頭において複式簿記の本質を、
    “継続記録によるフローの側面からの損益計算と有高計算によるストックの側面からの損益計算の二重計算にあります。複式簿記が複式と呼ばれる最大の要因は、取引を単に借方と貸方の双方に分けて記帳するからでなく、企業損益を費用・収益の変動差額計算と資産・負債・資本の増減比較計算の二面から計算するところにあります”
    と定義している。

    では、何故それが本質と言えるのかというと、
    それは、複式簿記がその揺籃期にあた

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    2019年01月29日
  • 会計学の誕生 複式簿記が変えた世界

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    複式簿記の誕生から会計への歴史をたどる。ストックの公正さをフローで担保する。継続的に記帳された複式簿記により、資産の在り高を損益から検証する。13世紀のイタリアの商人の記帳から複式簿記の芽生えが始まった。昨今の公正価値についての一家言も重要。

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    2018年10月19日
  • 重金属のはなし 鉄、水銀、レアメタル

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    銅や鉄、更に水銀、カドミウムといった重金属。宇宙の歴史に密接しており、人間の体内にも重要要素として極微量含まれてます。
    一方、生活にも深く関わっていて、昔は絵の具、今はケータイ・電化製品と大活躍!文明の発展には欠かせないスゴイものなのです。
    しかし、使用過多による公害、時には、国際問題を引き起こしています。
    市場主義の悲喜。

    産業の発展に伴い便利・裕福にはなったが、筆者の投げかける「足るを知る」の言葉が重い。満足ってナニ?

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    2013年10月19日
  • 会計学の誕生 複式簿記が変えた世界

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    日本の会計制度は一貫して英米の影響の下にあったと解説されている。
    実際は大陸法の強い影響を受けた商法制定により、ドイツ・フランスの制度の影響を日本の会計制度は受けている。この結果、混乱が生じたことに対する言及がない。

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    2023年06月25日
  • 会計学の誕生 複式簿記が変えた世界

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    商業の発展に伴って財産や売買の記録の仕方も変化する必要が生じ、その要求から簿記が誕生・進化していく様子が記載されている。
    自分の資産や利益を知りたいと思ったとき、単純には棚卸しをして在庫(ストック)を計上すれば良いように思われるが、その結果の正しさ(途中で不正に商品が横流しとかされていないか?)を証明するために、売買の経過(フロー)を記録する手段として簿記が生まれてきた、とのこと。

    著者の専門が会計史ということもあってか、簿記の定義などについてはいささか専門的で細かい話が多く、一般読者としては少々退屈だった。読みにくいと感じる部分もあり、編集があまり入っていないのかな、と感じた。

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    2022年02月27日
  • 重金属のはなし 鉄、水銀、レアメタル

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    重金属がなぜ、生物の中に必須元素として取り込まれ、取り込まれた筈の重金属がなぜ、毒となり、人の健康をむしばむのか。著者は、地球の歴史の中で、生物の生活の中にに余計に取り込まれなくなった重金属が、人間が掘り起こして、活用することで、再び、生物の生活を脅かすようになっていると。公害の事例など、知っているようで知らなかったこと、レアメタルを掘り起こしていることがこれからどんな影響を起こすかなど、考えさせられる。

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    2014年03月01日
  • 重金属のはなし 鉄、水銀、レアメタル

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    重金属は、文明にとっての必須元素である。金、銀は宝飾品や富の象徴として重要な役割を果たし、銅や鉄は農具や武器として文明の発展を支えてきた。鉛や錫、水銀なども古くから使用されていたし、最近は各種レアメタルが高度な科学技術の根幹を支えている。
    一方で、重金属には、よく知られたように人体への毒性を持つものも少なくない。ヒ素や鉛、水銀は言うまでもなく中毒を引き起こすし、カドミウムやクロムなども廃液処理では必ず問題になる。
    本書によれば、そもそも重金属が人体への害を持つ理由は、生物の進化の過程において、重金属に対する暴露が稀な現象であったから、とのことである。一方で、カルシウムやカリウム、鉄、果てはヒ素

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    2013年02月12日