マルチェッロ・マッスィミーニのレビュー一覧

  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    読み心地がすこぶる快適で、ミステリー小説を読み進めるような構成の妙。

    直前にダマシオの『自己が心にやってくる』を読んで翻訳物の神経科学は僕には早いかもと打ちのめされてたところ、救世主のような救いの手を差し伸べてくれました。しかし、カバーデザインからは堅苦しい印象を受けてたので、読み手を選ぶだろうな...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    初心者には難しかったが、大変読み応えのある本だった。情報統合理論をちゃんと説明出来ないが、「脳って凄い」という事は分かった。その点で言えば著者の企みは成功しているのではないか(本当はダメだけれど)。「意識の単位φ」や地球上に存在するあらゆるものに意識はあるのかという問いも興味深い。図や写真が豊富で見...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    意識という重大にして永遠の課題みたいなテーマがまず面白いし、統合情報理論についても大まかな理解が得られたと感じたからよかった。数式も用いられてないので誰でも読めます。
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    意識発生のメカニズムについての仮説をわかりやすく解説している。まず脳の働きと意識の関連とその不思議な働きから説明が始まり、Nスペの『驚異の小宇宙 人体』ファンとしてはそれだけでワクワクする。そこから、実際の現象との比較から順を追って矛盾がないことを説明するくだりは興奮して本をめくる手が止まらなかった...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    意識があるとは何なのか。一見自明そうだが、現象として把握しようとすると実に掴みどころのない問を平易にかつ論理的に紐解いている良書。
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    意識がいつ生まれるのか。その謎にいどむ統合情報理論。それを推理小説のように、これを調べたらこうだった、次にこれを調べたらこうなっている、だから今度はこうなるのでは、と興味を途切れさせないような語り口で意識の存在への探求へ導いてくれる。脳から小脳を取り除いても意識は存在するという。しかし視床ー皮質系が...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
     やはり意識は「自分の行動・考えを眺めること」だと思う。例えば、他者とコミュニケーションできるだけじゃ足りない。一応犬でも、猫でも、こっちが働きかければ向こうは反応する。犬だったら主人が撫でれば、嬉しいって思うだろうけど、犬が嬉しいって思うのを自分で認知してこそ「意識」だと思う。そうじゃないと、コン...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    一般人にも読みやすく、かつ著者の人文科学的素養もあって、楽しく読める。内容的には意識は大脳皮質系の複雑で統合的な活動によって生まれるのではないか、ということを科学的に証明した本。タイトル通り「意識はいつ生まれるのか?」を証明した本です。
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    意識とは何かを論理的に説明している。これは凄い。本の半分までは一気に読み進めることができる。難しい内容も含んでいるが、わかりやすく書かれている。具体的なエピソードが多く含まれイメージがしやすい。
     意識の正体を統合情報理論で解き明かす。数値化による説明と検証実験により統合情報理論が間違いだとの結論は...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    「意識」についての脳の研究

    ごく当たり前のごとく扱われているが、
    非常に不思議なものである「意識」を、
    脳を調べることによって解明していこうという試み。
    その定義や、科学的な研究方法の確立、検証、考察と、脳科学だけに収まらない内容。

    もちろんはっきりしたことは少ないのだが、
    こういった第一歩のよ...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    物質としての脳からどのようにして主観的な意識体験(クオリア)が生じるのかを説明する「統合情報理論(φ理論)」の解説

    ●未解決問題

    人間の意識には
    ・「脳内で情報がどのように処理されているか」という物理的過程を扱う「意識のイージープロブレム」と
    ・「物質および電気的・化学的反応の集合体である脳から...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    本の3/2程が意識が生まれるための条件の話、そこから本の副題にもある統合情報理論を導き出し、残りの3/1で理論の裏付けや今後の話をしている。
    臨床例が多く説明がわかりやすい。専門的な単語が出てくるが、あわせて解説もしてくれているので素人でも理解することができた。
    多少話が回りくどく、この場面でその例...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    意識があるとはどういうことか、という難しい問題に取り組む本。
    AIを人工「知能」だとは、ちっとも思わないけれど、このまま、コンピュータが、ニューロン、シナプスをどんどん模倣し続け、どんどん複雑なタスクができるようになってくると、そのうち大概の事は、人間と変わらずできちゃうんじゃないだろうか、とか、そ...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    ①他人の脳の中に意識の光が灯っているのかどうかを確かめる方法は今はまだ無い。

    ②意識を生み出す基盤はたくさんの数の異なる状態を区別できる統合された存在である。つまり、ある身体システムが情報を統合できるなら、そのシステムに意識はある。

    ③脳の特徴は1つに統合されているということであり、日常にあるも...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    手のひらに乗るくらいの大きさの物質である脳に、どのようにして意識が宿るのかを説いた本。
    進化の系統的にどの段階で意識が発生したのかや、人間の成長のどの段階で意識を持つのか、を説明しているわけではない。実はそう思って読み始めていた。実際のところは、意識が生まれるためにはどのような条件を満たせばよいか、...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    ”意識”というものをどうやって測るのか?
    この難題に様々な理論、臨床試験を経て迫っていく過程を分かりやすく解説する。

    普段意識することは無いが、わずか1.4キロの物体である脳がこの”我”の思考、記憶、全てを司っているかと思うと不思議な感覚になる。
    特に覚醒時、睡眠時、植物人間などの明確な違いを様々...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    意識の源泉を解明しようとする理論はいくつも提唱されているが、統合情報理論は最も合理性の高い理論の一つだと考えられている。本書では、意識の宿る物体と、意識の宿らない物体の物性的な違いに着目し、情報統合可能な結合を有するシステムこそ意識の源泉だと考える。しかし、意識の解明には技術的困難さが伴うため、未解...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    頭から体に伝わる電気信号。
    それが体を動かすのだけれと、反射とはまた違う個人の意識はどうして生まれるのか。
    普段全く考えたことがない内容だったので、とても面白く読めた。
    でも結局は解明されておらず、むだまだ研究の余地がある分野で面白い。
    基本的な脳の役割から説明してくれているので、復習+αの知識も得...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    脳科学に関する専門書のようでいて、実は一般書なので非常に読みやすい。
    意識とは何かを考える哲学書の側面も持ち合わせている。

    個々のニューロンが相互に関係しあったとことろに、情報統合が発生し、それを意識として定義している。

    この様な考え方によれば、意識は人間だけが持つ訳ではなく、他の生物にも当然意...続きを読む
  • 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論
    意識とは,という問題に実践的で,地に足のついたアプローチで取り組んでいる印象。脳の統合情報理論というものはこの本で初めて知ったが,とても興味深い概念。

    哲学的ゾンビ,自由意志,等の問題。