かんのゆうこのレビュー一覧
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最初の始まりから涙が出そうになるのを堪えながら読んだ。
このシリーズの中で一番優しくて悲しいお話なんじゃないかしら。
子どもを残して旅立たなければならなかったお母さんの気持ち、残された女の子の気持ちを想像するともう( ; ; )
ふゆねこさんは誰かを温かさを届けるためにいるのね。
ありがとう、お母さんの心残りを届けに来てくれて。
私のさ、亡くなったお友達のお子さん、表面上は元気なの。
でもたまに学校で見かけると一人小さくなって座っていることがあって。
何度お母さんの代わりに抱きしめてあげたいと思ったことか分からない。
亡くなったのも結構急なことだったから…ふゆねこさん、私のお友達とあの子の所にも行ってあげて。
お願い。
…と暗くなってしまった。
この四季のねこシリーズ、表表紙を並べるとそれぞれの絵描きさんの個性と四季の色合いがはっきりと分かれていてそれはそれでとても素敵なんだけど、裏表紙を並べるとあら不思議、統一感があってとっても素敵なの。
これは4冊並べて見てみる価値があると思う(*´꒳`*) -
Posted by ブクログ
この絵本は、子どもが風鈴に思い描く素敵な感性と、世界に於ける人と自然との繋がりを見事に共鳴させており、時にファンタジーは子どもの想像力から生まれたのかもしれない、そんな素晴らしさを改めて実感させてくれます。
女の子「なみこ」は、毎年夏になると家の軒下にかけられる風鈴が大好きで、そこから響き渡る音には特別な思いを抱いていました。
「あの おとは かぜが うたを うたっているんでしょう?」
「あら、あれはガラスの ゆれる おとよ」
お母さんにそう言われても納得できない、なみこは、ある夕方、庭の向こうから「チリリリン……」という音が聞こえたので、そこに行ってみると、浴衣を着た可愛らしい猫が、風鈴を片手に提げてちょこんと立っており、その猫「こなつ」によると、その風鈴は兄さんが作ったもので、もしよかったら、うちの風鈴作りを見に来ませんかと誘いを受けて、なみこはどうしても聞きたいことを我慢しながらも、喜んでついて行くことに決めました。
北見葉胡さんの絵は初めて見たが、表紙の幻想的な絵から、日常的な扉絵へと変わる意外性のある始まり方が上手く、その見せ方も、扉絵とその次の見開きの絵を正反対の方向から見せながら、スイカを食べる前と食べた後で時間の経過もそれとなく知らせていて、更に部屋の小物たちを丁寧に描いている中(工房の猫型のかまども印象的)、風鈴とお似合いの夏の風物詩といえば、ぶたの蚊取り線香という押さえるべき点も押さえている中、植物のあまりに直立した感じにやや不思議な感覚を抱かせる、そんな懐かしくも幻想的な世界観に惹き付けられて、こなつについてお店に向かって歩くなみこの姿は、夕方のほのかに茜射す空景色もあって、どこかお祭りに行くような期待感に満ちている中、ついに風鈴を作った「なつねこ」と出会います。
この絵本を読んで、私が心を動かされたのは、風という自然の存在にとても親しみやすさを与えながらも、それがまるで子どもの人生を表しているように感じられたことです。
その擬人化したように描いた風の存在は、まるで子どもが遊びに出かけていって、やがて帰ってきては、たくさんの素敵な思い出話を聞かせてくれる、そんな姿と重なるものがありました。
そして、そんな思い出たちはキラキラとした輝きに満ち溢れた、かけがえのない大切なものであり、それが『かぜのうた』と結び付いたことにも肯ける、風鈴の涼やかで心地好い透き通った一つ一つの音のきらめきは、まるで子どもの純粋な美しい世界そのものを表しているようでもあり、風鈴の音にどこか懐かしい響きを感じさせるのは、今も昔も存在する風が、かつての私の思い出を運んで来てくれているからかもしれない、そんな共鳴できるものを感じさせてくれた、自然と共に生きる素晴らしさなのだと思います。
「あきねこ」「ふゆねこ」「はるねこ」と続いてきた、かんのゆうこさんの『四季ねこ』シリーズも、本書で完読となりました。
どの作品もそれぞれの季節と密着した、猫と子どものちょっと不思議な心温まる交流を知ることによって、子どもが猫に対して抱いている特別な思いを実感しながらも、猫が子どもに対して、そうした思いを抱いてくれていればいいなという願いを叶えてくれた印象に加え、こんな不思議な状況も猫だったらあり得るのかもという気持ちとなったことに、改めて猫の持つ神秘性を感じさせてくれました。 -
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くまのソラタときつねのヒナタが友達になって、森で暮らすお話。大好きなともだちがいるっていいな、おたがいを大切に思い合えるっていいなと思える、温かい作品だった。
「きみがすきだから、いっしょにあそびたいんだって、すなおにいえばいいんだよ。」
「そんなの、もっとむずかしい…」
ソラタと友達になりたいヒナタが、なかなか素直に遊ぼうと言えないところとか、ソラタに好かれようと白ぎつねになろうとしているところとか、すごく愛らしい。
誕生日を迎えるヒナタのためにバースデーケーキと人形を作るソラタ。マグカップを割ってしまって悲しむソラタのために素敵な「昨日の自分宛の手紙」を書かせるヒナタ。二匹ともが友達思いで、一生懸命で、好きにならずにはいられない。
ソラタが「この森にやってくるまえのソラタへ」という手紙を書いて、もし時が戻ってもまたヒナタに会いたいという気持ちを表すラストは、特に温かくて大好きなシーン。読んでいて、たえず、美しいものにふれている感覚があった。 -
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はるをよぶ ねこの 絵本ですね。
かんのゆうこさんの四季のねこシリーズのはるです。
ぶんは かんのゆうこさん、東京生まれ。絵本作家。
えは 松成真理子さん(1959ー)大分県生まれ大阪育ち。イラストレーター、絵本作家。
あやちゃんのもとに いっつうの てがみと、わかくさいろの きんちゃくぶくろが とどきました。
きょねんの はるさきに であった はるねことの
ものがたりが はじまります。
春にふさわしい、夢のあるファンタジーで、ワクワクする絵本です。
絵も水彩画で、優しく春の薫りがわきたつような、ふわりとした爽やかな魅力的な作品です。
今の季節にぴったりな絵本を楽しませていただきました。 -
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かんのゆうこさんの「四季ねこ」シリーズの、春バージョンは、これまで読んできた、「あきねこ」や「ふゆねこ」とも共通するものとして、その季節でしか味わえない雰囲気を、五感で見事に体感させてくれた、絵本ならではの、色鮮やかに柔らかく匂い立つような、暖かい春を楽しめる作品です。
また、これまでの、ねこが何かをしてあげる物語とは対照的に、ねこが子どもに助けてもらう物語には、春の到来と重ね合わせた、希望の到来を叶うことが出来るのが、まるで純粋無垢な子どもであるようにも思われた、そんな前向きで健気な明るさが、爽やかな春の到来と見事に呼応しているようで、心地好く感じられると共に、それを叶えるための鍵が子どもの折り紙である点も、とても印象に残ります。
折り紙には、子どもが自らの創造力と手で新しい何かを生み出すイメージがあり、私が子どもの頃、初めて鶴を折り上げた時の喜びが忘れられないように、その過程には、まるで命を吹き込んでいるような特別な気持ちを抱いていた、そんな子どもにとって、夢のあるものからは、もしかしたら、いろんな春も折り上げることが出来るかもしれないねといった、素敵な気持ちにさせられる展開が、まさに子どもにとって、春を心待ちにするだけでなく、自分で呼び寄せたくなる心境にさせてくれるような、そんなワクワク感があり、しかもそれが春の象徴でもある、はるねこにとっての喜びにもなることには、まるで子どもと春に共通点があるような様に、人と自然が共存するあり方を教えてくれるようです。
そして、そんな子どもの無垢な気持ちを後押ししてくれるのが、松成真理子さんの、まるで子どもが描いたような夢の中の心象風景に近い、素朴でメルヘンチックな感覚の中に、色鮮やかで立体的な五感を心地好く刺激してくれる水彩画であり、表紙の絵こそ少し怖いイメージがあったものの、物語の展開を追っていく内に、それも次第に消えていき、そこには、女の子「あや」とはるねこが一緒に楽しみながら、春を作り上げてゆく過程を知ることで、絵も優しいものに感じられていった、そんな二人の純粋無垢な思いと、かんのさんの文章と松成さんの絵とが、こんなにも見事に結実した一体感は、淡い水色の空と、桃色と黄色の花々と、たくさんの動物たちに囲まれた中を吹き抜ける、春一番の風からも実感させてくれた、春の持つ、明るく爽やかな希望の力を、改めて教えてくれます。 -
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冬の風が吹く頃にちさとのおかあさんは亡くなった。
「おかあさんはね、おほしさまになったんだよ。」とおとうさんは言うけど、星のなかにおかあさんは見つからない。
ある日、真っ白なねこが、ちさとをたずねてやってきた。
ふゆねこと名乗る白いねこは、おかあさんに頼まれたと言って、てぶくろを編みはじめる。
器用に編み上げて、くさりあみのひもでつないで出来上がり。
かたほうだけなくして、悲しかったことがあるのを思い出した。
ふゆねこは、雪の中帰って行った。
おかあさんのいない初めての誕生日におじいちゃんとおばあちゃんが、おかあさんからのプレゼントだよとかごのふたをあけると…。
寂しいイメージだなぁと…だけどページをめくるたびにふゆねこのしぐさや表情が気になってくる。
ふゆねこの目の中には、ちさとが映っている。
2本足で立てば、ちさとと同じくらいの背丈で、てぶくろを編んでいる手の柔らかさまで感じるようで、またうつむいて目を閉じてるようなところもおかあさんみたいだと、ちさとも感じたのではないだろうか。
ラストがこういう展開だとは思わなかったけど、最初からおかあさんはプレゼントを決めていたことに少し驚いた。