海部俊樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
途中から選挙区が変わってしまったけど、かつて数回は投票してあげたことのある、おらが地元の元総理大臣。
今は時の人小沢一郎とのコンビも何度かあったようで、不信の小沢評が満載。これがもっとマスコミに広まると、もう彼はおしまいだな・・・というほどの内容。
あまりインパクトのなかった地味な政治家だったという印象ですが、随分まともなことを書いてくれていて、今更ながら見直してしまいました。
まぁ、政治家のお話なので、話半分くらいに解釈した方が良いかもしれませんが・・・
これだけは墓場に持っていくという話もあって、そのあたりの落とし所も「よし」でした。
(2011/1/29) -
Posted by ブクログ
昭和を知る、ということで読んでみました。
日本の政治家の回顧録というと書くに書けない話ばかりで伏せられる名前と煮え切らない表現のオンパレード、という通念を覆す一冊です。
海部氏の人となりそのままに書かれた本で、非常に率直な表現で書かれています。
リクルート疑惑があったときにリ社から未公開株を貰っていない中で一番当選回数が多く…という基準で選ばれた人ですしもともとクリーンで売った自民党としては傍流派閥の三木派出身の方ですから、権力とかカネのイメージはありませんでした。
その人が回顧録のタイトルに選んだのが「政治とカネ」。自民党がいかにカネで汚れていたかがわかります。
海部氏自らが他の -
Posted by ブクログ
リクルート・コスモス未公開株の譲渡を受けていたことが発覚し
竹下総理大臣は退陣を余儀なくされ、内閣の重要人物が何人も失脚した
棚ぼたで後継総理の座についたのは宇野宗佑だったが
三日後に女性スキャンダルの暴露を受け、これまたあっけなく沈んだ
人材の払底に苦しんだ自民党は
若手(いうても58だけど)の海部俊樹に白羽の矢を立てることとした
1989年、平成元年の急転直下であった
クリーンと目された三木武夫派の出身で、歳のわりに童顔の海部は
とにかく悪いイメージを払いたい自民党に
ある意味うってつけの人材と言えた
しかしながら若手の悲しさで実績に乏しく
じっさいクリーンで売ってて経済的にも乏しい彼は -
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ネタバレ“自民党はこの総選挙で、わずか二日間で80億円投入したと噂されたが、それは事実だった。(中略)それが良いか悪いかと問われれば、悪いに決まっている。”(本書P140)
面白い。政治の世界は相変わらずどろどろだな。
---気になった言葉---
自分が金やダイヤでないことはわかっている。でも、銀なら銀、銅なら銅でいい、いくら粉々になってもたえず本質を失わず、俺なりの石でいよう。大衆の中に入り、訴え、「きれいで、わかりやすい政治」を実直にやっていこう。それより他に、日本の政治が瑞々しく蘇える道はない。(P30)
(これらバラマキの額が)庶民感覚と大きく離れていることは、私自身が十分承知している。承 -
Posted by ブクログ
消費税導入を実行した竹下内閣、超短命に終わった宇野内閣の後を受けて1989年に総理大臣になった海部俊樹氏の回顧録。この頃はちょうど大学生になったばかりで、これから日本はどうなるんだろうと漠然とした不安を持っていた。
決して押しの強い総理大臣ではなかったが、いつの間にか人気を回復して政治は安定していった。かといって特別大きな功績があったとは思えなかったし、何となく辞め方もパッとしない感じだった。
この本の随所に出てくるが、この人ほど小沢一郎氏と関わりがあり、翻弄された人もいないと思う。いかにそれが難しいことであったかが、何となく恨み節のように書かれていて興味深い。今もまた同じことが繰り返されてい -
Posted by ブクログ
政治の世界も変転激しく、
この人が総理だった頃のことをすっかり忘れていた。
書店で手に取り、パラパラ流し読みをして、購入を決めた。
海部俊樹『政治とカネ 海部俊樹回顧録』(2010)を読む。
自民党は政権を手放さなかった代わりに
都度権力闘争があり、
ときにクリーンなイメージを取り入れ解毒効果を計った。
海部も、海部の師匠である三木武夫も
そのためのリーダーであった。
どちらも総理の座を与えられた代わりに、
政治改革を本格的に推進しようとした矢先に、
玉座から引きずり下ろされた。
真の権力者たちはカネと縁を切ることなど望みはしなかった。
三木も海部も議会主義を大義とするあまり、
総理の持つ