マリオ・リヴィオのレビュー一覧

  • 神は数学者か?──数学の不可思議な歴史

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    数学の辿ってきた軌跡を辿り、数学と世界の関係を考える。思慮に満ちた楽しい本だった。
    問いを得て想像力と可能性を広げることで心が豊かになる、という教訓的な締め方も個人的に好きだった。

    ↓以下、この本を読んで考えた私見。

    数学は人類の発明であり、世界について知るための有効な道具である。自然に則した認識的な公理に端を発して演繹的に厳密に組み上げられていく数学のプロセスと、対称性をもち秩序に満ちた世界との相性が非常によいために、数学の導く世界と実世界が高い精度で一致する。ただし、数学が表すのは世界のごく一部であり、数学や言語では表せないがゆえに私たちには認識できないものが世界には限りなく溢れている

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    2024年10月10日
  • 偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか

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    決して"失敗学"ではない世界を変えた超天才達の偉大なる失敗の原因とそこへ至る信念、そしてその失敗が産んだ発展。一級品の一冊。

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    2023年10月12日
  • 神は数学者か?──数学の不可思議な歴史

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    数学とは人間が発明したものなのか?それとも「元からある」ものを人間が発見しているのか?
    また、科学的な説明を数学が担えるのはなぜなのか?という点を数学思想史・科学思想史の視点から解説されています。
    非常に刺激的でした。数学に詳しくない方でも読めると思います。

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    2023年01月14日
  • 神は数学者か?──数学の不可思議な歴史

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    副題通り、数学(数理科学)の不思議な歴史なのだが、原典からの引用文とその出典が豊富でとても役に立つ。

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    2022年05月09日
  • 偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか

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    大変読み応えのある内容。

    宇宙物理学者である著者が、5人の偉大な科学者である、ダーウィン、ケルビン、ポーリング、ホイル、アインシュタインの偉業と、それぞれの偉業に伴って生じた彼らの「ミス」に着目し、その意義と貢献についてまとめた一冊。

    彼らのミスは単純な誤りなどではなく、次の世代の研究にモチベーションとなるようなヒントを与えて、現代科学の進歩に大きく貢献してきたんだということがよくわかりました。

    科学者どうしの当時の手紙のやりとりや、関係者への取材、著書や論文の内容など、著者がそれらを丁寧に調べてまとめており、事実関係をまとめるだけでも大変な手間がかかっている本でもあるなと思いました。

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    2020年05月05日
  • 偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか

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    新聞の書評で見て非常に興味をそそられたので早速読んでみたのですが、やはり正解でした。
    ダーウィン、ケルヴィン、ポーリング、ホイル、アインシュタインという5人の科学者について、主要な科学的業績のわかりやすい説明とともに、特にそれぞれの晩年彼らが陥った、結果として誤っていた自説に対する固執を描かれており、科学の勉強になると同時に、非常におもしろい人間ドラマにもなっています。
    ただ、自身科学者である作者の一貫した立場は、たとえ結果としては誤っていた説であろうと、世界の有様について深く考えた大きな仮説というのものは、それ自体として大きな意義のあるものであり、世の中に対する影響力の小さな「正しい説」より

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    2015年04月22日
  • 偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか

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    遺伝のメカニズムを勘違いしていたチャールズ・ダーウィン。地球の熱伝導率が一定だと決めつけて地球の年齢を大幅に間違えたウィリアム・トムソン(ケルヴィン卿)。DNAが三重らせんだと主張したライナス・ポーリング。宇宙は定常であると信じたフレッド・ホイル。宇宙定数を自ら否定したアルベルト・アインシュタイン。科学史にその名を残した偉人たちがその業績の裏でどのような間違いを犯し、なぜそのような間違いをしてしまったのかを追求したノンフィクション。

    偉人もひとりの人間であり、その間違いもまた至極、人間的でした。特にポーリングのエピソードがなかなか面白く、彼はライバルたちを出し抜くために思いついた「DNAの三

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    2015年04月19日
  • 神は数学者か?──数学の不可思議な歴史

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    数学がこの世の中をこんなにも上手く説明できるのは何故か。これまであまり深く考えたことはなかったが、確かに、とも思った。ただ上手く説明できるように改良を重ねたことでこの状態になったと言われれば、それも確かに、とも思う。でもやはり、根本的に改良を加えずとも説明ができるというのは、やはり不思議。様々な数学者、哲学者、物理学者たちの取り組みの歴史も紹介され、興味深い話が盛りだくさんで非常に興味深く読めました。

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    2024年09月28日
  • 神は数学者か?──数学の不可思議な歴史

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    ゲーデルとアインシュタインのエピソードが面白い。
    数学的対象が実在するかどうかについては断片的に書かれすぎてていまいち頭に残らない向きもある。海中で生きるクラゲのように外界から連続的な刺激しか受けない生き物に離散的な自然数の概念が生じうるか?という問題は一考の価値がある。ただ、人間が感覚する外界も突き詰めれば連続的なものしかないのでは? 前景と背景を区別する境界を認知して1つ2つと離散的に対象を数えられる能力は自明ではなく、そんな能力が自然に発生しうるのは何故かと考えると、やはり自然数は何らかの意味で自然にあるんじゃないかとも思えてくる。

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    2024年07月27日
  • 神は数学者か?──数学の不可思議な歴史

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    数式を使わずに、数学とは何かを歴史から掘り起こして説明している。文系頭には最高の数学説明書。数学は発見か発明か、というのが背後にある大きな命題。発見であるということは、もともと自然の中にある規則的なものを数学という形で表すことができることを「発見」したという意味。逆に発明であるということは、ヒトの頭が数学を作り出した、という意味。神は発見か発明か、という問いと同じだ。神が自らの想像で人間を作ったのか、人間が自らの想像で神を発明したのか。
    アルキメデスやピタゴラス、ガリレオ、ニュートン、ラプラスなど、数学が得意でない私でも一応は知っている人々の話を通して、カオスや非ユークリッド幾何学、ひも理論ま

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    2023年10月06日
  • 偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか

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    偉大な科学者達も自分のミスに気付かずに見過ごすことがあった。或いは当時の考え方(科学的常識)に合わせて修正したり、事実とは相容れない自説に固執したり、科学的な発見の裏にはミスや失敗もあった。この本で、著者は彼らの業績と共に失敗の事例を紹介する。取り上げた事例として、ダーウィンと遺伝学、ケルヴィンと地球の年齢、ポーリングとDNA、ホイルと定常宇宙、アインシュタインと定常宇宙など。
    どれほど優秀な科学者でも間違いはあるということだが、彼らも充分検討した上での主張であって、後世の科学的視点で正誤を判断されるのは少し気の毒な感じもした。

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    2022年05月19日
  • 神は数学者か?──数学の不可思議な歴史

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    ネタバレ

    数学史の本、面白い。たくさんの天才達がいて、今の数学があるのだということはわかった。
    あと、1+1=2って経験則なのかーーーー。たしかに当たり前過ぎて証明もむずかしいのかも。
    後半の論理とかはちょっと言葉遊びのようにも聞こえて、難しかった。
    デカルトが座標系を作ったと聞いて、この人はホントにすごい。

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    2020年01月04日
  • 神は数学者か?──数学の不可思議な歴史

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    この世界のいろいろな物事を説明し予測できてしまう「数学」は人類が発明したものなのか、それとも発見しているものなのか、という視点から数学の歴史を振り返る。
    明確な結論はもちろん出ない。しかし人類が世界を前に数学的概念を作り出してそれを使って眼の前に広がる、あるいは目に見える範囲をずっと超えた世界も含めて表現しようとしてきたこと、そしてそれが驚くほど成功していることは間違いない。世界が数学で表現できて我々の生活がその恩恵をいつも受けていることは、普段は何気なく当たり前と感じてしまうが改めて考えてみると純粋に驚きを禁じ得ない。この「普通の事を改めて考えてみる」のを徹底するのが数学であり哲学だ。この本

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    2018年01月07日
  • 偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか

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    チャールズ・ダーウィンやケルヴィン卿、ライナス・ポーリング、フレッド・ホイル、アルベルト・アインシュタイン。偉大な科学者が犯した失敗を偉業とともに紹介している。失敗といっても寝坊して学会に遅刻したとか、そんなレベルではない。あくまでも仕事(研究)での失敗だ。高度な失敗であるため、科学に疎い人は、何が失敗なのか分からないと思う。それでも、種の起源のダーウィンから相対性理論のアインシュタインまで、異なる分野の科学者だと思っていたが、どんどん繋がっていく様は意外性を感じられる。一般人が楽しみで読む本ではないが、科学史に興味がある人は読んでおいて損はない。

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    2020年06月02日
  • 偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか

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    チャールズ・ダーウィン、ウィリアム・トムソン、ライナス・ボーリング、フレッド・ホイル、アルベルト・アインシュタインという、天才科学者が犯したと思われる失敗を宇宙物理学者の著者が挙げた一冊です。失敗ではあるのですが、将来の人間たちに残された課題だと思えば、当時の人たち、そして私たち現代の人間にとって大きな業績を残した彼ら天才科学者の栄光は色あせることはないでしょう。

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    2016年05月21日
  • 偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか

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    ダーウィン、ケルヴィン、ポーリング、ホイル、アインシュタインという、歴史上の偉大な科学者たちの「世紀の過ち」を取り上げ、なぜ彼らが間違いを犯したのか、なぜそれは修正されなかったのかについて検証されたもの。技術の未発達や宗教的なバイアスも大きな要因だが、それ以上に競争、間違いを認めたくないという感情、単純な見落とし、過剰な礼賛など、実に人間ぽいことが積み重なっての出来事なんだなあ。これ、企業経営にもかなり当てはまることだと思う。ただ、後の世から見れば結果的に間違いだったことでも、それを検証しようとする動きは科学の発展に大きく貢献している。実力がないと「世紀の過ち」も起こせないのである。

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    2015年10月05日
  • 偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか

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    天才科学者たちの偉大なる失敗のエピソードはどれも読み応えがありました。
    それにしても、私は相対性理論のことはな〜〜んにも知らなかった(他のこともだけど)ということが今さらですが、よくわかりました。

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    2015年09月17日
  • 偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか

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    ダーウィンの「パンゲン説」、ウィリアム・トムソン(ケルヴィン卿)の地球の年齢、ライナス・ボーリングのDNAの三本鎖モデル、ホイルの定常状態宇宙論、アインシュタインの宇宙項を偉大なる失敗と名付けて、その失敗を行った偉大なる科学者の偉業と失敗を巡るストーリーを順に紡いだもの。これらの「失敗」があまりにも偉大であるがゆえに一般化には向いていないので、「失敗」という観点でパッケージ化してみたものの思ったよりもエッジが立っていない印象を受けた。進化論、地球論、生命科学、宇宙論、といった現代科学の基礎を広くカバー(あとは量子論が足りないくらい)をしているところはいいところ。各科学理論に関する当時の論争に関

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    2017年11月23日
  • 神は数学者か?──数学の不可思議な歴史

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    ネタバレ

    ”むしろ、彼にとって、世界の数学的性質は、「神は永遠に幾何学する」という事実の表れにすぎないのだ。”(「プラトンの洞窟へ」より)

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    2019年11月04日
  • 偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか

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    逸話だけでおもしろいのですが、もう少し人間の認知バイアス等にからめてくれるとなおよかったかなという感じです。
    あと、天才たちではなくふつうの研究者たちの間違いについても少しは触れて欲しかったところです。

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    2019年07月24日