堤朝子のレビュー一覧
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2年半前に起きた『ジグソー・キラー』による連続バラバラ殺人事件を模倣した事件が相次いで起こる。かつてジグソー・キラーを逮捕したが、大怪我を負わされPTSDとなったヘンリー警部補が再び立ち向かう。警察とシリアルキラーが別に模倣犯を追い詰めるおいしい構図だが、今ひとつハラハラ感が弱め。が、ラストの解決や最大のピンチはモヤッとはするものの、割と満足できた。結局は警察の敗北だとは思うけど、この結末もアリかな。警察関係者や過去と現在の犠牲者、そして犠牲者候補と登場人物が多すぎて、誰が誰だか混乱させられた。ロンドンにおいて、黒人女性が警部補を務める困難さや夫との対立、上司との微妙な関係。新人刑事ラムーター
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Posted by ブクログ
ナディーン・マティソン『ジグソー・キラー』ハーパーBOOKS。
原題は『THE JIGSAW MAN』。もしかしたら、先に扶桑社ミステリーから刊行されたゴード・ロロの『THE JIGSAW MAN』という原題の作品が『ジグソーマン』という邦題を使ったので『ジグソー・キラー』というタイトルにしたのかも知れない。
有りがちな設定の英国ミステリー。逮捕したはずの猟奇連続殺人犯と同じ手口の猟奇連続殺人事件が再び発生し、殺人犯逮捕の過程で犯人により傷付けられた主人公の刑事が復帰したばかりで再発した事件に臨むという、過去に何度か読んだことのある設定だ。
そして、服役中の殺人犯に刑事がサジェスチョンを -
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マシュー・クワーク『ナイト・エージェント』ハーパーBOOKS。
あのマイクル・コナリー絶賛の国際謀略ミステリー。主人公が特段、超人的な大活躍を見せる訳でもなく、描かれる国家レベルの陰謀もスケールは小さく、がっかりした。結末もスッキリせず、またまたマイクル・コナリー絶賛に騙されてしまった。
念願かなってFBIの局員となったピーター・サザーランドに任されたのはホワイトハウスの危機管理室で緊急電話を取り次ぐナイトシフトを担当する。1年余りのうちに緊急電話が鳴ったのは、たった1度だけ。
ある晩、若い女性から緊急電話があり、暗号めいた言葉が伝えられる。電話の内容が気になったピーターは業務を逸脱し、 -
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後半になってやっと理解できたのは、これは猟奇ミステリーなどではなく、姉妹と家族の物語ということです。
ある日突然娘を失って崩壊してしまった家族が、20年以上の歳月を経て、再び危機に曝され、残されたなけなしの勇気を振り絞って立ち向かう、そういうお話。
そういう視点で思い返せばよく練られていて読後感も悪くないと感じました。
ただ、文章から脳内へのビジュアル変換がうまくできないというか、テンポよくすんなり入ってくる部分とそうでない部分があり、なかなか時間がかかりました。
これは翻訳もののせいなのかそれともアメリカの生活習慣やライフスタイルを知らないせいなのかは判然としません。
あとで「あ、あれはど -
Posted by ブクログ
これで去年の感想も最後。
年末って本当にドタバタしますね。
ここから感想
物語自体は面白かった。
上巻で亡くなった夫の秘密を知り、驚きと戸惑いに混乱する妻とはじまり、下巻でも意外な展開もあり楽しませる。
残念なことは、翻訳がおかしいのか作家の文章自体がおかしいのかわからないけれど、とにかく読みにくい。感じ方はそれぞれなので、違和感なく読めるかたも多いのだと思うけれど、わたしには合わなかった。
物語と直接関係あるようなないようなことが、気になったことのひとつとしてある。
それは、日本とアメリカの違い。
物語中、裕福な家庭の妻である主人公が、傷害事件で保護観察中という設定になっているのだが