吉村和就のレビュー一覧
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ネタバレ私は学生で就職活動の一環として本書を読んでみましたが日本の現状から海外の現状まで幅広くまとめられており非常に勉強になりました。
以下に自分のアウトプットとして簡単にまとめを書かせてもらいます。
全人類が例外なく必要とする水。
その8人に1人は安全な水を飲めない。
サダム・フセインは「石油と水は国家なり」と言い、イラン・イラク戦争の発端も水であったと言える。
今後水ビジネス市場は110兆円市場になると言われており、世界各国でこの大型市場の争奪戦が起きているが、日本の企業は出遅れている。
というのも海水淡水化技術では日本が優れているが、110兆円のうち100兆円は管理・運営であり日本の上下水道の -
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「水問題の解決はノーベル賞2個分の価値がある。水問題を解決した者は、ノーベル平和賞とノーベル化学賞を受賞できるだろう。」アメリカ第35代大統領ジョン・F・ケネディ
日本で普通に住んでると深く考えるきっかけがない「水」。蛇口をひねれば水が出てくるという当たり前の現象を、客観的に考えさせてくれるきっかけを与えてくれる。客観的に見てみると、水は人間が生きる上で無くてはならない物質であり、巨大な市場となる。僕は農学部で農業関係を学んでいるが、水が農業にももちろん必要であるということを深く考えることは今までなかったし、水がなければ農業も工業も発達しないと気付かされました。
本書では、日本の上下水道事 -
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ネタバレ仕事で上下水道セクターを担当するようになり手に取った本。著者の吉村氏は水分野では有名な方であり、水ビジネスのニュースではよく拝見する。国連テクニカルアドバイザーや「水の安全保障戦略機構」技術普及委員長などを務める。水分野の最近の潮流を知るにはとても良い。(但し、これまでのODAが著者の言うとおり悪い側面(「海外の水企業を利するもの」)のみを持っていたわけではないだろう。)出典があまり詳しく書いていない点は気になる。
第1部 世界中で足りない水
第1章 世界を襲う「ウォーター・クライシス」
第2章 「ヴァーチャル・ウォーター」―水輸入大国・日本
第3章 地球温暖化が水資源の枯渇をもたらす -
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グローバルウォータージャパン代表の吉村和就氏の著書。
水がありふれたこの日本ではまったく実感がわかないであろう
水問題や水ビジネスについて解りやすく書かれている。
水に関する本を読むのはコレが初めてたが、この本を選んで
正解だったと思っている。
中でも最先端の技術である「海水淡水化」で突出する技術、世界一の上下水道を持ちながらそれを生かせない日本の現状には
憤りを感じた。現状、世界の水メジャー3社で世界の水関連ビジネスの8割は独占されている。今後110兆円市場になるといわれている水ビジネスに日本ももっと官民一体となって世界に進出できる
体制を整えて欲しい。
スイスで行われたダボス会議では「いず -
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ネタバレ日本を代表する水専門家が、地球の水不足事情とそこから派生するビジネスについて説明された。
日本で生活していると、世界の水不足なんて想像もつかないことであるが、これはひとえに上下水道技術で日本は世界のトップクラスにあることの恩恵を受けているからであると述べられてる。また、日本の周辺諸国の水利用環境が改善されたのも、我が国から贈られた政府開発援助に拠るところが大きいと述べられている。
しかしこうした技術を持ちながら、水ビジネスの世界で日本は遅れをとっています。なぜなら、こうしたハコモノを建てた後のメンテナンスを日本の民間企業が行っていないため、海外の民間企業に先を行かれているのである。ODAに -
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世界では今、水ビジネスが注目されている。新興国での上下水道の整備、海水の淡水化、そして貴重になりつつある水資源の確保などだ。
著者は日本の水ビジネスの出遅れについて警鐘を鳴らしている。海水を淡水化する膜や水道管などのアイテムでは世界屈指の技術を持っているが、水道施設の管理などのソフト面が弱く、市場規模100兆円といわれる世界の水ビジネス市場の1%のシェアも取れていない。そして、世界に類を見ない素晴らしい日本の水も危機に瀕している…。
非常に現実的な思考の本だと思う。日本はもっと貪欲に、政府と民間企業が力を合わせて、世界の水ビジネス市場に挑戦していくべきだと強く共感した。