夏来健次のレビュー一覧

  • 旧神郷エリシア 邪神王クトゥルー煌臨!

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     遂に完結。想像していた展開とは随分と違っていたが、『地を穿つ魔』で示された伏線、というかアイデアをキッチリ回収した見事な結末……と言いたいが、〈タイタス・クロウ・サーガ〉と謳いながらクロウがほとんど登場しなかったのが残念。最後こそクロウとアンリのコンビでの冒険を読みたかった。

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    2017年08月14日
  • 幽霊狩人カーナッキの事件簿

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    届いたばかりの創元推理文庫版W.H.ホジスン「幽霊狩人カーナッキの事件簿」を耽読中。角川ホラー文庫版と比べて全て1人の訳者が翻訳しているので統一感がありテンポが柔らかい。
    ホジスンという作家さんはファンタジー作品を書く人ではないらしく異世界を描いても明快で分かりやすい。

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    2020年06月26日
  • 幽霊海賊

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    幽霊船的なものとはちょっと違うな感じ。本質的には同じだが、分かりやすいビジュアルがなく不穏な空気がひたすら流れてるって感じだったな。
    幽霊海賊が現れてからのカタストロフは実にあっけない

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    2016年08月07日
  • ボレアの妖月

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     『タイタス・クロウの事件簿』の解説で紹介された内容とちょっとちがうが面白かったので気にしない。それに徐々に風呂敷をたたんでいる感じが最終巻への期待も高まる。それにしてもアンリというキャラクターは面白い。ワトスンとしての側面だけでなくトリックスターとしての役目、さらにちょっとしたロマンスまでやってのけるあたりクロウやシルバーハット以上に主人公をしている。案外ラムレイはアンリを活躍させようとしているのではないかと思えるほど。さて、タイタス・クロウサーガも残すところあと1巻となったが、これまでの刊行ペースからすると2年ほど待つことになるのか。

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    2016年07月23日
  • 幽霊海賊

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    やっと入手。ホジスンのボーダーランド三部作の3作目。近刊に野村芳夫氏訳の1作目が予定されている。思えばハヤカワ文庫の団精二(荒俣宏)訳の異次元を覗く家を読んでから幾星霜…
    カーナッキの新訳を担当した方なので安心して耽読中。

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    2016年01月30日
  • 幽霊狩人カーナッキの事件簿

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    ネタバレ

    『礼拝堂の怪』
    アルフレッド・ジャーノック卿の屋敷で行われた礼拝の終わった礼拝堂で片付けていたベレット執事が何者かに刺された。司教もジャーノック卿も目撃する中の事件。呪われた礼拝堂の秘密。

    『妖魔の通路』
    アンダースン邸の回廊の突き当たりの部屋で起きる怪現象。夜中に開くドアのの音。執事のピーターズとの捜査。部屋の中から出られないという霊の秘密。

    『月桂樹の館』
    月桂樹の館で殺害された2人の浮浪者。その館で一晩を過ごす者は命を落とす。夜中にカーナッキが写した写真に写っていたもの。

    『口笛の部屋』
    アイルランドの館を買い取ったアメリカ人のタソック氏。地元の美女ミス・ドナヒューと婚約したタソッ

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    2013年04月23日
  • ジキル博士とハイド氏

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    新潮文庫のものを読んだんですけど、見つからなかったのでこっち。ジキル博士とハイド氏は同一人物である、というのは知っていたのですが、そのジキル博士の苦悩が克明に描かれていてとても面白いと思います。

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    2009年10月04日
  • ロンドン幽霊譚傑作集

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    ネタバレ

    19世紀ヴィクトリア朝期のロンドンを舞台とした幽霊譚13編、内12編が初訳。9編が女流作家の作品のためか幽霊譚の体を採りつつ当時の女性の境遇や社会的地位を物語るような作品が多い印象。その一方で、男性作家による4編はどれも男性ならではのロマンチシズム(というか理想?)が表されているようで、その辺りの対比もなかなか面白い。全般的に三角関係が描かれている作品が多いのも特色だが、続けて読むと(またこのパターン?)と感じてしまうのも致し方ないところ。

    いわゆる“ジェントル・ゴースト・ストーリー”的なものも多く全体的に怖さ度は抑えめだが、資産家の女性との結婚のために元恋人を無惨に打ち棄てた野心溢れる青年

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    2025年10月14日
  • 無名祭祀 クトゥルー神話原典集成

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     ロバート・アーヴィン・ハワード――REH は、英雄コナンシリーズ等に代表される冒険ファンタジーもので一躍有名となった人気作家の一方で、物語の熱烈な愛好者でもありました。ハワード・フィリップス・ラヴクラフト――HPL の作品ももちろん好物で、彼の作品を読んだことをきっかけに文通仲間となり、やがてクトゥルー神話作家としても名を上げるようになりました。
     本書はREHの作品リストから、選者である森瀬繚氏の、クトゥルー神話で作った釣針にかかる要素を持った作品を集めた集成です。蛇人間が暗躍する『影の王国』やREHが創造した無名祭祀書が登場する『黒の碑』など、未完の断章も含め21篇を収録。
     本書は2部

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    2025年10月11日
  • 英国幽霊屋敷譚傑作集

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    英国の幽霊屋敷がテーマのアンソロジー。
    こういうゴシックホラーな雰囲気には憧れるのだが、作品として読むとイマイチ良さがわからないものが多くて悔しい。正統派ホラーより、自分の買った屋敷に幽霊がいないから招きたいと奮闘する男を描いた「ゴアズソープ屋敷の幽霊選び」(コナン・ドイル)が好みだった。

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    2025年09月10日
  • 幽霊狩人カーナッキの事件簿

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    古典的ゴーストハンターもの小説。人が霊的現象に見せかけたものを暴く一方で、本物の霊的現象の猛威を電気式五芒星で防ぐカーナッキ先生のお話。基本、探偵が自分の経験を、「こんなことがあって」と冒険譚として語る形式を取っている。一貫した霊的現象に対する設定のようなものはあるが、科学っぽいものとゴッチャにされており、あまりスッキリとはしない。名作は押さえておくべきと思うなら。

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    2025年05月09日
  • ロンドン幽霊譚傑作集

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    ・またである。何匹目の泥鰌になるのか。夏来健次編 「ロンドン幽霊譚傑作集」(創元推理文庫)、この手の物語の愛好家が多いのであらう。私もそれに当たるのか、何匹目かにもかかはらず私は買つた。この古風な物語にはこのまま捨て おき難いものがある。しかし、最後は忘れてしまふ。そんな物語ばかりである。本書には13編収録、 巻頭のウィルキー・コリンズ「ザント夫人と幽霊」のみ既訳あり、他の12編は初訳である。コリンズ 以外で知つてゐる人はイーディス・ネズビットぐらゐであらうか。「砂の妖精」の作者である。これ以 外の人は知らないのだが、ネズビットを含めて9人が女流作家である。意識して選んだのかどうか。たぶん意識

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    2024年05月17日
  • ロンドン幽霊譚傑作集

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    同じ編者の手になる「クリスマス」にも同じようなことを書いたけれど、怖い話を読みたいという向きには勧めがたい。エリザベス朝英国の雰囲気も込みで、古風な怪談を愉しみたい読者向け。単に幽霊が出たで終っている話が多く、登場人物に危害が加えられる場合でも、今の読者の目から見ると手ぬるい感じだ。この頃の怪談は、節度ある、そこそこの恐怖を与えることがそもそもに目的だったのだろう。そんな中、例外的に、今読んでも怖い「事実を、事実のすべてを、なによりも事実を」や、ミステリ風の「降霊会の部屋にて」あたりがお気に入り。

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    2024年03月19日
  • 英国クリスマス幽霊譚傑作集

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    ネタバレ

    タイトル通りヴィクトリア朝期英国、それもクリスマス限定でなくちょうどこの時季を舞台にした幽霊譚13編。内12編が本邦初訳だそうだが、全体を通しての味わいは期待通りだった。

    好みの作品いくつかについて。
    ・クリスマスの日の情景を描いたエッセー的なC.ディケンズ「クリスマス・ツリー」。ツリーや種々の飾りに纏わる思い出話は次第に昏い色を帯びていき……。ツリーが造り出すクリスマス、そして冬の夜の光と影。

    ・「海岸屋敷のクリスマス・イブ」E.L.リントン
    イングランドの西端コーンウォールの家を購入し移り住んだ若い夫婦。妻は家の管理人ベンリースという男に言い知れぬ嫌悪感を抱く。その後悪夢を繰り返し見る

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    2023年12月20日
  • ジキル博士とハイド氏

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    代名詞になるだけはある。
    夏来健次訳を読んだが、短い話なので機会があれば別の翻訳者のものも読んでみたい。

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    2023年05月26日
  • 恐ろしく奇妙な夜

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    70~80年前の中短編サスペンス集。筆者ロジャースは、ハーヴァード大学出身の秀才であり、そのサスペンス作品群は近年復刻が進んでいる説明にあった。
    なるほど、私が学生時代読んだサスペンス作品に臭いがしたはず。

    6編の中短編が掲載されており、いずれも現実と虚構の間にあるグレーゾーンで読み手を綱渡りしているようなふらつき感の空間に泳がせるような技が冴えている。
    種明かしをすると【それはないだろう】とか【現実性に欠けるなぁ】と感じるのもあったけど、それも遊びの内として。。。。。

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    2023年05月14日
  • 恐ろしく奇妙な夜

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    『赤い右手』の著者の中短編集。
    ミステリやサスペンスのほかSFチックな作品もあり、何が起こっているのか読者にわかりづらい構成、熱に浮かされたような幻想的な語り口で物語に引きこまれてゆく。続けて読むと飽きるがこの著者独特の雰囲気を十分楽しめる作品集である。

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    2023年05月06日
  • 英国クリスマス幽霊譚傑作集

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    ヴィクトリア朝期に書かれた英国怪談の選集。当然のように古式ゆかしく、雰囲気たっぷりだが、もうひとつのクリスマスの方は関連がもうひとつ希薄。どこがクリスマスだったっけ?と読み終えて首をひねるような作も多いがこれはご愛敬。基本的に幽霊が出ましたで終ってしまうお話ばかりなので、今読んで怖いか問われると正直微妙。それより世知辛い現代人の目からは浮世離れしているようにさえ思える、悠長な雰囲気を愉しむものだろう。その中では読み物としてモダンな「青い部屋」とすっきりしない感じが後を引く「メルローズ・スクエア二番地」あたりを押す。

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    2022年12月11日
  • 血まみれ鉄拳ハイスクール

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    文藝春秋がけっこう満を持して翻訳版を出してきたので買って読んでみたのですが、あんまり乗り切れなかったなぁ。この手のジャンルは翻訳者の文体で好き嫌いがずいぶんと変わるってことかな。全然リズムが合わないし、読み返しても登場人物達の体の使い方が追い切れない描写ばかり。

    アクション描写は平山夢明『ダイナー』の方が上。建造物内での群衆スペクタクルは呉勝浩『スワン』の方が上。日本人作家、すげぇな。再認識した。

    この作品で着目すべきは、最終的に勝ったのか負けたのかはさておき、社会階層、職業、人種、貧困、性あらゆる差別と抑圧への抗いの描かれ方だった。その差別は本作のテーマとして「暴力」に表出しているのだけ

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    2020年12月03日
  • ジキル博士とハイド氏

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    あまりにも有名な言葉と本なので読んでみたら、面白かった。1人の人間の内にある善と悪。人の命を救う善の人格と、人の命を奪う悪の人格。訳が分かりづらい部分も多少あったが、話自体に引き込まれた。

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    2020年08月26日