夏来健次のレビュー一覧
-
タイトル通りヴィクトリア朝期英国、それもクリスマス限定でなくちょうどこの時季を舞台にした幽霊譚13編。内12編が本邦初訳だそうだが、全体を通しての味わいは期待通りだった。
好みの作品いくつかについて。
・クリスマスの日の情景を描いたエッセー的なC.ディケンズ「クリスマス・ツリー」。ツリーや種々の飾...続きを読むPosted by ブクログ -
『赤い右手』の著者の中短編集。
ミステリやサスペンスのほかSFチックな作品もあり、何が起こっているのか読者にわかりづらい構成、熱に浮かされたような幻想的な語り口で物語に引きこまれてゆく。続けて読むと飽きるがこの著者独特の雰囲気を十分楽しめる作品集である。Posted by ブクログ -
ヴィクトリア朝期に書かれた英国怪談の選集。当然のように古式ゆかしく、雰囲気たっぷりだが、もうひとつのクリスマスの方は関連がもうひとつ希薄。どこがクリスマスだったっけ?と読み終えて首をひねるような作も多いがこれはご愛敬。基本的に幽霊が出ましたで終ってしまうお話ばかりなので、今読んで怖いか問われると正直...続きを読むPosted by ブクログ
-
文藝春秋がけっこう満を持して翻訳版を出してきたので買って読んでみたのですが、あんまり乗り切れなかったなぁ。この手のジャンルは翻訳者の文体で好き嫌いがずいぶんと変わるってことかな。全然リズムが合わないし、読み返しても登場人物達の体の使い方が追い切れない描写ばかり。
アクション描写は平山夢明『ダイナー...続きを読むPosted by ブクログ -
あまりにも有名な言葉と本なので読んでみたら、面白かった。1人の人間の内にある善と悪。人の命を救う善の人格と、人の命を奪う悪の人格。訳が分かりづらい部分も多少あったが、話自体に引き込まれた。Posted by ブクログ
-
・ブライアン・ラムレイ「ネクロスコープ 死霊見師ハリー・キーオウ」(創元推理文庫)を読んだ。上下あはせて700頁超、結構な長さである。この作品、「一九八六年に発表された、新生ラムレイの第四作、『ネクロスコープ』こそ、ラムレイが専業作家としての地位を確立した最初の傑作なのだ。」(宮脇孝雄「解説」下37...続きを読むPosted by ブクログ
-
思ったより、コズミックホラー度合いが低いのがちょっと残念でした。
短編のいくつかは単純な事件だったりしますし。
それでも、「異次元の豚」など一部の話では異形の存在が出てきたりと、雰囲気は楽しめるのではないでしょうか。
なんとなく、電気に過度な期待があるようなそんな時代の話でした。ノスタルジック?Posted by ブクログ -
石丸幹二主演ジキル&ハイドを観て、原作を大まかにしか知らなかったので気になり劇場で購入。
ミュージカルの原作として興味深く読めた。
結末、ストーリーなどわかっていてもミュージカルと違った部分も面白く、何よりもこれが1800年代に書かれていたことに驚いた。この作品がのちの文学(コナンドイルなど)に影響...続きを読むPosted by ブクログ -
心霊・怪奇現象を探求するカーナッキ先生が、怪奇事件を調査して解決する連作短編集。オカルト前提ではない中立な姿勢で調査して、時には合理的な解決がみられることもあるのが面白いです。
正直なところ盛り上がりに欠けて若干退屈な作品もあるのですが、独特の魅力があります。
独自の理論体系や用語にはなかな...続きを読むPosted by ブクログ -
二重人格の代名詞でもあるので
なんとなく知っていたけれど、
二重人格?想像していたのと違ってた。
いい意味で裏切られて
おもしろかった。どきどきしました。Posted by ブクログ -
コアなファンも多いようだが、う〜ん、という感じ。友人4人を呼びつけて、カーナッキ自らが解決した事件を語って聞かせるという設定なのだが、「理解できるかね」「想像できるかね」等々、確認を促すような問いかけが頻々とあって、いささか鬱陶しい。“究極の恐怖”として語られることに対しても、あまりそう感じられなか...続きを読むPosted by ブクログ
-
オカルトかな?ミステリかな?
幽霊探しを生業(?)にする主人公はA.A.ミルンのとか、ポール・ギャリコのとかで読んだことがあるが、
全体的に明るい雰囲気だった印象だった。
カーナッキはもう少しオカルト寄り。
全体的にイギリスの雨模様といった薄暗い雰囲気。
いい雰囲気出てます。Posted by ブクログ -
あれこんな話だったっけ、という感じ。良くも悪くもなく純粋に。百年前にこんな話を書けたのがすごいのか、百年前だからこそ生まれた想像力なのか。ジキルとハイドが同一人物であることを知らなかったらどれだけ楽しめただろうと思った。Posted by ブクログ