有森隆のレビュー一覧
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信用構築には長い時間を要する。けれども瓦解は一瞬だ。その盛衰を9社の事例を採り上げ分析する。
特にそごう、安宅産業、三光汽船は立身出世伝と経済小説が混じったような面白さだ。米エンロンのように史実を振り返れば批判されるようなビジネスモデルでも、いずれの経営者も当時としては画期的かつ革新的な成長手段を開発・実現したことは評価すべきだろう。晩節を穢した面はあろうが、副題『「絶対潰れない会社」を潰した社長たち』とするのはやや酷な気もする。一方タカタやシャープなどは経営判断を誤り安泰に胡坐をかいた結果の際たるものだろう。
タカタや大昭和製紙あたりはwikiからの転載?と思うほど表層的内容だったが、中 -
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本書の紹介文にある通り、名だたる大企業。トヨタ、JR、住友銀、関電、帝国ホテル、フジサンケイグループ、日産、神鋼、東芝。これら大企業10社の社内抗争劇について。本当かは分からない、週刊誌のような記事でもある。だが、これも紹介に書かれるように、実際に企業はビジネスの場であると同時に、政治の場でもある。従い、社内抗争は自然発生的に起こるものだろう。だからこそ、これを抑止して最大限収益に目を向けるガバナンスが重要だ。
「リアル・半沢直樹の世界」と書かれるようにその迫力やドロドロ感は確かなのだが、残念なのは、取り上げられる事例が、少し古い。現役については書けない事もあるだろうし、中々こぼれ話も出てこ -
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有名な日本企業が、華々しく発表した大型M&Aが、あまりにも稚拙な計画で行われていたことを確認できます。
なれない大金を持った小心者が、大失敗をする話は、昔からよく聴かれます。バブルのときに失敗し、その後の「グローバル化」で失敗し、巨額のお金を海外にだまし取られていく姿が、ありありと現れています。
しかし、失敗することが明らかでも、周囲の役員たちは転がりだす大きな流れのを止めることができません。その姿は、自分ならどうするだろうと考えると、やるせない気持ちにさせられることでしょう。
最近は、カリスマ経営者の強引な世襲が通らなかったり、あまりにも傍若無人な経営を行う企業の内幕が外に漏れるよう -
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◆年金 賦課方式 積み立て方式
田中角栄の時物価スライド、賃金スライドを採用→オイルショック
→積み立て方式では追いつかなくなる
◆31年度に積立金枯渇
◆公募増資 企業が新しい株式を発行し、不特定多数の投資家から資金を集めること
→発行株式が増加、一株当たりの価値が下がる→空売り!
◆DEレシオ 負債が株式資本の何倍かを示す指標 長期の支払い能力
◆東電 投機電力
◆商品の企画から生産、販売まで一貫して行うSPA【製造小売業】ユニクロ、ギャップ
◆JAL、豪カンタスグループ、三菱商事 ジェットスタージャパン
◆ANA、エアアジア エアアジアジャパン
◆3分の2以上が黒字の転換
◆46年 -
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ふらふら本屋にたちよって気がついたらもっていた本。
ついこの間倒産したアーバンやスルガコーポ、NOVAなどの
成り行きが表では語られない、そもそも出されない情報からの
視点から描かれていておもしろかった。
反社会的勢力が次々と生み出す錬金術に会社でありそれを
取り巻くステークホルダーらが翻弄され、市場の健全化が
損なわれていく。ルールを厳密化することはその分、何かが
生み出る要因を損なってしまったり、グローバル化した市場を
個別に鎖国化してしまう恐れがあるので、いかに効率よく
彼らを市場から締め出すことが今後の課題とされると
思うが、道はいばらであるなとぼんやり思った。 -
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起業家の銭地獄 「巨悪」欲望の暗闘史 二巻
新興企業は、一歩足を踏み外すと、一瞬のうちに奈落の底に沈む。
栄枯盛衰とはまさにこれですね。。
同じ業界に身を委ねている者として、ほんとによく感じることですが、
表の世界では
「そこの奥さん、これからは銀行預金ではなく投資ですよ!株主優待ですよ!」
とPRしている。
でも、そのウラでは、きな臭い金の匂いにまみれたウラの世界もあるのです。
普段から、ファンドやらSPCやら、いわゆるリアルでない世界ばかり見ていると
このギャップによく驚かされます。
実話の話しで人物別に分かれているので、昼休み2日分くらいで読みきってしまいました。
特にリキッド