アンドリュー・J.サターのレビュー一覧
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「与える」ではなく、「引き出す」教育を行う上での観点整理が進む一冊だった。
以下備忘録
◼️子育てにおいて重視する点
・やりたいことを自分で見つけ出す力を持っているか
・生涯を通して学び続ける喜びを知っているか
・変化の中からチャンスを見つける確かな目と、強い生命力を持っているか
◼️子どもへの3つの語りかけ
・どう思う
・よく思いついたね
・一緒に探そう
◼️PISAテストにおける家庭内での文化的・社会的コミュニケーション尺度
博物館、美術館、舞台、オペラ、バレエ、コンサート、小説、詩文、絵画の有無・左記に関する家族間のコミュニケーションの有無
政治・社会問題、映画、テレビ番組、クラ -
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減成長を掲げる筆者が、GDPの妥当性に疑問を抱き、そレに基づく経済成長という考えについて再考するための本。
興味深かったのはGDPが冷戦時代に政治的背景から推し進められた神話だと主張しているところだ。
少なくとも80年代以降は、GDPと実質的な生活の上での豊かさの関係は無くなってきていると筆者は述べる。
拡大してきたのは富の一極集中とそれに基づく効率性であり、格差の拡大によってGDPが押し上げられてきたらしい。さらにGDPはかなり恣意的に数字をいじれる部分もあり、信頼性に欠けるそうだ。
リバウンド効果の話も面白かった。これは効率が良くなればなるほど、今まで以上に資源を利用してしまうことを意 -
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ネタバレより国際化し、競争も国境も人種も超えた次世代のビジネスでモノを言うのは
●やりたいことを自分で見つけ出す力を持っているか
●生涯を通して学び続ける喜びを知っているか
●変化の中からチャンスを見つける確かな目と、強い生命力を持っているか
「信頼」がキーワードとなるが、それは当たり前のようでとても難しい。尊重ともいえるのかな。子どもにどんな人生を歩んでほしいか、どんな社会であってほしいか、そんなことをより明確に考えようと思った。
そして、教育のテーマとは関係ないが、インタビューに出てくるデイヴィッド・グリーンさんの考え方が、社会の持続可能性を模索する現代にやっとみられるようになってきた考えで、 -
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出版から6年経って読んでみた。
正直かなり良い本だとは思う。
出版した時期が悪かったのか、かなり話題にならなかったのは運がなかったとしか言いようがない。
経済学にどっぷりと浸かっているわけではない自分にとっては読みやすい内容だと思うし、様々な理論やアイデアをナラティブに紹介してあるので理解もしやすい。ただし同様の内容の新書や単行本は(現在では)数多くあるため、埋もれてしまっているのが残念。ボリュームにもやや問題があったのだろうか?
想像するに、出版した時期が震災直後(と民主党政権時だったために)「日本人の多くが、長期的な視点を持ちにくい時期」だったのと、外国からの経済批判に対するアレルギ -
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経済成長は必ずしも国民の幸せ(ハピネス)や国際的地位につながらないし、永遠にGDPを増やし続けることは不可能であり意味もない、という内容。基本的には著者の主張するデクルワサンスの概念に賛成である。
ただどうすればよいのか、という点については具体性に欠けるし、減成長による繁栄は「本当にできるかな?」と思わざるを得ない。世界中の人々が一斉に考え方を逆転させて「減成長」に向かえば可能かもしれないが、他の大勢が成長を目指す中で自分だけ減成長を貫けば競争から脱落し、すべてを失うことにならないか?中途半端な「少し負け」なんてことは熾烈な競争社会ではありえないように思われる。勝つか負けるか二者択一であり、規 -
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著者のアンドリュー・サター氏はハーバード(物理学)卒の弁護士、ソニーでも勤務。今は立教大教授。
雑誌の紹介記事を教授。考え方、大枠には多いに共感。特に、GDP成長が目的化してしまったこと、使用価値と交換価値のうち交換価値が重視されてしまったこと、年率数%の成長を数百年続けた場合の世界は現実的ではないこと等々。
で、著者は減成長での繁栄・ハピネスを提示するわけだが、ここが個人的には上手く理解できない。なんだか違和感を感じる。
結局は、資本主義で行くとこまでいって、格差が広がり続けた結果、革命でも起きなければ世界観がかわるのは難しいのでは。
備忘録。
・経済成長は必要なぜ必要か、生活の向上、 -
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常に前年との比較を強いられ、成長し続けないといかんという“常識”はいつまで続くのか。ポスト経済至上主義に、「減成長による繁栄」をコンセプトとした国家運営の提案書。
価値には交換価値と使用価値の2つの意味があると言う。
交換価値のほうは、商品売って売り上げればいい。その価値はおカネで交換でき定量的に表せる。値引きをすれば当然その価値は下がる。
使用価値とは、そのモノとは切り離せない本質と言ってるが、要は「交換価値では表せない価値」。だからそういう価値のモノに対して投資対効果では評価はできない。そこが分かってないと、本当に投資に値するものまで経費削減の名のもと削ってしまうことになる。
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