原田実のレビュー一覧

  • 偽書が揺るがせた日本史

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    「東日流外三郡誌」「秀真伝」のような有名どころから最近話題の椿井文書まで、日本の偽書を網羅的に紹介している。「ヴァイマールの聖なる政治精神」に引用された架空の神学者カール・レーフラーや、「シオン議定書」のように日本史を対象としない文書も含む。
    「三教指帰」「慶安御触書」が偽書というのは知らなかった。
    とにかく全部入りなので、個々の文書や事件へのツッコミは薄い。

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    2020年12月28日
  • オカルト化する日本の教育 ──江戸しぐさと親学にひそむナショナリズム

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    <目次>
    第1章  「江戸しぐさ」とは何か
    第2章  「親学」とは何か
    第3章  親学の社会浸透
    第4章  親学の人脈
    第5章  「江戸しぐさ」「親学」を貫く陰謀論
    第6種  オカルト・ナショナリズムの系譜と教育現場


    <内容>
    「江戸しぐさ」なるものは、江戸時代ルーツではなく(まったくのウソ)、戦後たかだか30年前後のものであることを暴いた、原田氏の新作。「江戸しぐさ」に続いて、「親学」の虚像をさらし、政治とのつながりを暴いた。
    そこに見え隠れする「ナショナリズム」。地球の歴史で言うと、こういう考え方は古いものだが、古いだけに何度も現れては、現実の歴史をかき回していく。今は戦後何回目かのそ

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    2018年06月30日
  • 偽史と奇書が描くトンデモ日本史

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    「伝奇もの」は古代から連綿と書かれてきているということ。昔の人が「これホント」と書いてるからといって無邪気に信用してはいけない。現在の架空戦記小説も、遠い将来には史実として教科書に載ったり、多くの信者・研究者を獲得する偽書になり得る。全否定も全肯定もせずに歴史的な位置づけを探る、学者の地道な検証に敬意。
    「江戸しぐさ」もぶち込んでくるあたり、監修者の味。

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    2017年04月02日
  • もののけの正体―怪談はこうして生まれた―

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    妖怪譚を中心にもののけについて文学的に考える新書です。妖怪好きにはお勧めですし、江戸時代におきた妖怪が引き起こしたとされる事件なども紹介しているので雑学として読むのも良いです。

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    2025年12月21日
  • もののけの正体―怪談はこうして生まれた―

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    日本の「もののけ」(妖怪)の姿やあり方を、江戸期のもののけの様相を中心として考察・解説した本。「鬼」・「天狗」・「河童」などメジャーなものから、「累」・「化け猫」・「豆腐小僧」と言った江戸期の活躍したもの、更には琉球・蝦夷地のものまで幅広く紹介している。
    個人的に参考になったのは、第三章「『百物語』のもののけたち」である。この章では『絵本百物語』に登場するよう妖怪(の一部)を解説しており、特に「舞首」の起源に関する説は大変興味深かった。また第四章・第五章で取り上げられた琉球・蝦夷地の妖怪に関する解説も初めて知る事が多かった。
    ただ、いくつかの記述に間違いがあったほか、妖怪の解釈について疑問のあ

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    2013年02月04日
  • もののけの正体―怪談はこうして生まれた―

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    怪談の歴史を紐解きながら、時代背景と怪談の成立順序から、もののけがいかにして生まれたか。日本人に愛されてきたか。を民俗学的視点で、説く一冊。(愛されるというのは、怖がられたり、教育に使われたり、日本人の生活に必要とされて、受け入れられてきたことを指す。)「鬼」「河童」「天狗」など代表的なものから、「寝肥り」「二つ口」などマイナーでもよく知られていもの、アイヌや沖縄のもののけなど、幅広く紹介している。民俗学的見地から怪談の歴史が、「うる星やつら」「ゲゲゲの鬼太郎」など現代文化に繋がるところが特に面白い。

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    2011年03月23日
  • もののけの正体―怪談はこうして生まれた―

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    鬼・天狗・河童などの定番から、琉球やアイヌのちょっとマイナーな妖怪まで、さまざまな“もののけ”を紹介し、その成立過程を分析した本。

    中にはちょっとこじつけじゃないかと思うような説もあったけど、全体におもしろく読めました。
    女性差別ともののけを結びつけた説はなかなか新鮮でした。

    個人的には化け物の親玉は見越し入道だという思いがあって、どうして『ぬらりひょんの孫』なんだろう?と疑問に思っていたんだけど、ぬらりひょんが化け物の親玉に成り上がった理由がわかってよかったです。

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    2010年12月13日
  • もののけの正体―怪談はこうして生まれた―

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    第一章では鬼や河童などの代表的な、第二章では江戸時代の怪談や黄表紙、第三章では絵本百物語、第四章では琉球、第五章では蝦夷。
    この本ではこれらのもののけの成立過程や正体が考察されています。
    絵本百物語などの章は時代背景なども絡めて面白く読めたのですが、鬼など代表的なもののけになるとその成立も諸説あり、定説に否定的な作者の考えにすんなり納得出来ませんでした。
    しかし蝦夷や琉球などあまり馴染みのないもののけの話も興味深かったです。
    豆腐小僧の豆腐を食べるとカビると私も思っていたので、そのイメージが水木しげる先生の創作であったことに驚きました。

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    2010年09月04日