経営共創基盤のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
リアルな経営分析とは何かを考えさせられる本。
アカウンティングを学び財務三表の見方を理解していたが、財務諸表上の数字を見て財務指標分析をするといった数字上の分析手法では本当に実態にあった適切な分析ができるとは言えないということを理解した。
その分析対象の企業がどんな会社かを定性的に想像できることが何よりも重要。
行っている事業はどんな構造でどうやって儲けているのか、その業界の構造がどうなっているのか。
今ライフサイクル上のどこに位置しているのか。
取引先はどんなところか、それが意味するところは何か。
P/Lからその会社の事業構造を具体的に創造し、そこから仮説を立て、違和感のある数字を確認する。そして、B/Sを見て資産状況から何が言えるのかを考える。
リアルにその会社の実態を創造し、置かれている状況から考えられる課題を見極めて財務諸表と比較し定量的な課題の答えを見つける、そういった分析の仕方が学べる。
身近な商材の例をとってわかりやすい内容になっている。
また、規模の経済や範囲の経済、密度の経済、ネットワーク経済性といった事業経済性の基本も学べる。
日頃からビジネスの具体的想像を意識させてくれる良い本である。 -
Posted by ブクログ
事業再生業界で有名な富山氏が事業計画に焦点を当てて綴った書籍。他にはないポイントの具体性は魅力であったが、例に対する道筋はほしかったり変数に分解せず「売上高は10%増」「人件費は横置き」等の根拠がないヤマ張りは意味のない計画に過ぎないと、事業計画にも関わらず蓋然性が高いとものは計画未達に終わるのは最もだ。また、社長に報告する際は、売上増加率等の事実よりも「1年後、3年後、5年後に会社や事業はどうなっているか、何を目指すか」「どの前提条件を達成できることが、事業計画のポイントか」を意識したい。
事業計画の残念なパターン
1.想いのアピールはあるが、数字になっていない
→「前年比10%の売上増加を目指します」「管理可能費全体で10%の削減を目指します」という根拠の見えない数字になっておりぐ、具体性がない
2.実行責任者が関与しておらず、無責任な計画に
→事業部門を巻き込まずに企画部門だけで作成しているため、実行現場の納得かんを得られず、作ったあとに日の目を見ない
3.作ることだけが恒例行事として定着している
→毎期の恒例行事として、各部門で定型フォーマットを埋めて提出しているものの、パーツだけを考えて作業した内容の合算にすぎず、作ることが目的になってしまっている
事業計画策定のステップ
イ.事業内容・財務状況の外観を把握する
ロ.将来業績にインパクトを与える変数を把握する
売上→数量×単価
広告宣伝費→内訳把握→web広告、サンプル配布、展示会参加件数×出展料
人件費→人員数×単価→年代別や職種別の単価
ハ.外部環境(市場希望、競合他)も把握する
例えば「A製品で売上を伸ばし、増収増益を狙う」という場合、これだけでは事業計画とは言えず、「A製品をどれだけ売って、対応するコストがいくらだから、利益はいくら、ゆえに増収増益」というところまで数字をもって説明できて初めて、事業計画と言える。
IGPIが再生計画を作るとき、「どの程度まで利益を確保する必要があるのか?」「改善する必要があるのか?」を最初に算出し、見極めを行う。1つと目安として捉えているのは、借入金に対してEBITDAが5分の1程度の水準である。
事業戦略立案する際には
1.インダストリーにおける「エンドゲーム(最終戦争)の姿」や「勝ち組の姿」を洞察すること
2.そこに行き着くための「勝ちパターン」(ゲームのルール、1つあるいは複数の成功のセオリー)を見極めること
3.それを鏡にして、自社の競争力の源泉(コアコンピタンス)や経営モデルを照らし合わせてみること
4.自社にとって固有の勝ち抜きシナリオ(自社の事業戦略)を導き出すこと
※差別化=競争優位×持続性
①潜在顧客からの視点では、重量の差が購買の意思決定と重要な要素であり、その差異ゆえに他の製品よりも高い満足度を見出し、高い経済負担も覚悟すること
②供給側の視点では、そに差別化された要素について、他社が容易に追随できず、その格差が比較的長期に維持される仕組みを供給側が組織内に内在化していること
3C
市場性
①市場のセグメンテーション
→どこからどこまでが隣のセグメントと事業展開上で優位になるのかを見抜くことが本質
②市場の量的変化
→市場規模や成長性がどうなっていくか
③市場の質的変化
→使用、所有、購買の各々の行動の変化や最終購買者に影響を与えるチャンネルの変化を見ていく。そのうえで、これまでの製品・サービスコンセプトや売り方がこれまでと同様でいいのか、大きく変化させるべきか、要するに市場に刺さる打ち手を大きく変えるべきかを推察しにいく。
競争
①業界の競争の構図
→インダストリー全体でみると、どのような付加価値と分配になっていて、価値の取り合いがどう起こっているに関心をもちたい。さらに、顧客側の視点から見たとき、異業種間の競争も存在することは頭に入れておいたほうがいい。その視点からは、誰と誰が間接的に、何で競合しているのかがみえてくる
②競争密度の高低
→競争密度が高いほど儲けにくい。開発競争であろうと、価格競争であろうと、競争が熾烈になるほど、儲けシロはどんどん減っていく
③競争の流動性の高低
→競争のルールが比較的固定的であれば、その市場における企業の序列は変化しにくい。変わる局面では、全方位を守らないといけない、今までのやり方とのジレンマを抱えるトッププレーヤの方が動きが悪い場合が多く、大きなスキが生まれる -
Posted by ブクログ
ローカル企業の復活について、企業再生業界で著名なら富山氏が綴った書籍。人口減少や都心への人の流れによる、地域経済の縮小に伴い、ローカル企業に逆風が吹いているように思われる。しかしながら、「当たり前のことを当たり前にやる」さえ実施していれば、ローカルきぎは地方でトップに君臨することは可能である。当たり前のこととは、会社の「見える化(顧客別・地域別・チャネル別・製品別という切り口での売上貢献や利益率分析」ができていことである。加えて、労働生産性(事業・財務・組織・経営・ガバナンス)の観点から試算することも大切。
・事業
→事業の戦略から個別の施策、あるいはオペレーションの改善の積み重ねなど。また、事業の稼ぐ力に大きく関わる売上とコストと利益の関係についても事業面。「選択捨象マトリックス」「改善積み上げ滝グラフ」を使用。「選択捨象マトリックス」とはコア/ノンコア/Good/Badに分けて事業性を評価。「改善積み上げグラフ」とは収益性や投資採算性を上げるために、ウォーターフォールチャートを使用。借入金に対するEBITDAの5倍が理想。
・財務
→BSの安全性や健全性やCFの創出力や資金の効率性。ROEを改善する必要があり、デュポン方式に分けた検討する。ローカル企業の場合、成長し続けなくても負けることはないので、財務レバレッジはあまり用いない。しかし、資産回転率は多くの企業では改善の余地が残されている。
・組織
→従業員数や拠点の数など量的な側面と、組織の体質や文化、経営者の個性や経営陣と従業員との関係性など質的な側面。「お金の良好な連鎖」をつくる。多くの企業が生産性を向上させ、稼ぐ力を何段も引き上げ、労働分配率(賃金)として家計所得の上層に貢献する、それが地域経済の中で好循環をつくる。
・経営・ガバナンス
会社全体のアクセルとブレーキの意思決定とチェックの仕組み全般。意思決定の訓練をし続け、実際に意思決定をするための判断材料に抜かりがなく、かつ、適時性と的確性を意識して決断をするための周到な準備をしておく -
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ネタバレIGPIの本2冊目。
感想。
IGPIも財務三表や簿記の考えを大事にしていることが分かったのは励みになった。飲食店や製造業のケースは特にリアルノウハウと思いました。
備忘録
・事業計画の大前提は、数字を根拠に作られ、数字をもって説明されるものであること。ビジョンや想い、戦略は大事だが、数字にしないと。
・簿記を知らないと事業計画は作れない。簿記の発想、仕訳を頭の中で想像できるか。簿記が分かれば絶対事業計画を作れるわけではないが、分かっているに越したことはない。
・実績も将来予測も、四則演算の積み重ね。人件費=人数×給与単価の様に、適切な方針でブレイクダウン。
・ブレイクダウンさえしておけば良いというものでもない。売上=購入人数×単価にした上で、購入人数の設定は市場規模やターゲット層からして適切か、単価は例えば新興市場を狙った場合に現実的か、とか。
・そういったものは情報収集により精緻化。何を情報収集するかが肝。計画策定納期を決め、その範囲内で集める情報の優先順位を決める。
・整理すると、①今の事業内容・財務内容を理解、②将来業績にインパクトを与える変数を特定、③外部環境の把握。
・若手中心のプロジェクトチームに抜本的・革新的な事業計画を作らせようにも、大抵は上手く行かない。経営陣への最終提言は当たり障りないものになりがち(勇気をもって言える人は少ない)。やはり、しかるべき立場の人がしっかり作るのが良い。
・飲食店と製造業の事業計画策定ケースはとても分かりやすい。飲食店は、セントラルキッチンがなければ規模の経済が働きにくい、赤字店舗の切り離し、FLコストが肝、Food部分は安易な仕入価格引下げてなく客寄せ商品は品質を下げずもうけを下げて他で儲ける、同業他社や自社内店舗との比較が有効。製造業は構造改革費用と純資産の確保。
・エンドゲームという考え方。今の事業環境が続いた場合に、5年後10年後どうなるか、勝ち組負け組はどう決まるか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ経営分析の一般的なイメージとしてPL、BSの数値を四則演算などによって指標化し、業界内で比較すると想像していた。しかしながら、本書はそれら一般的かつ大学の教科書で使用されるような経営分析本と違い、数値からなぜそのような数値になっているのかを、ビジネスの実態(オペレーション人員はどのくらい?保有すべき車両はどのくらい?などに現場レベルまで因数分解する)まで落とし込んで考えていくことが本当の経営分析だという。
数値をもとにビジネス実態がどうなっているのか、一般的なモノサシやデータを使って財務諸表上の表面的な数値を、単位当たりの意味のある数値に分解していくことは一種のフェルミ推定のような考え方に近いと感じた。 -
Posted by ブクログ
事業計画とはお金の計画を練ること。計画ゆえに時間軸があり、単年収支のみならず、減価償却やストックを含む。財務諸表で語れ。何か施作を行なった結果は財務諸表に表れる。本書の主張は明快であり、すべては財務諸表で語れということだ。
差別化の本質的な意味。
1.顧客視点で購入のトリガーとなること、
2.競争視点では他社が容易に追随できないこと。
この2つでもって「差別化」となる。顧客が製品から感じ取る「違い」を差別化と見る人が多い。差別化でもって、他社とのコスト競争を回避できる。
ー以下、メモー
本書を読んで思ったのは、ビジネスっぽいなということ。技術をやっていると、バリュー以上に技術のことに意識が向いてしまう。
現代のIT業界の競争では財務諸表に表れない財産もある。データである。これをどう読むのだろうか。 -
Posted by ブクログ
冨山さんの話を聞く機会があり、色々と修羅場をくぐっているだけあってその話には大変惹きつけられた。そのときにも経営者は数字が大事、ということも言われていたこともあり、であればと手に取ってみた。
まず会計による経営分析には限界があるということ。財務諸表を読むことができることは当然必須のことではあるが、その数字の意味するところを理解するためには、その企業の成り立ちや競争環境を理解する必要があるということである。至極当然であるが、そのためにはセンスと経験がいるということなのかもしれない。
大きな危機にあるときには、細かいところではなくて、インパクトの大きなところだけに注目しないといけない、規模の経済が利くか否かは当然ながら条件に依存する、合併によるシナジー効果が自動的に出ることはめったにない、密度の経済やネットワーク効果が重要、などといった言葉が並ぶ。
結局は、人間心理であり、人間音痴では、正しい経営分析はできない、と言われると場数を踏まないとなと思うのである。