神田秀樹のレビュー一覧
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新会社法制定を機に執筆された会社法の入門書。一般的な教科書では簡単にしか記述されていない点についても詳しく説明されていますので、併読すると立体的な理解が得られるよう工夫されていますし、新書ながらかなり高度な水準の内容まで盛り込まれています。(特にエクイティ・ファイナンスの部分)
思うに、本書の読者層は学生などの初心者というよりも会社実務を知っている人間が会社法の知識をインプットするニーズを想定している気がしますし、そういう人間にとって会社法の法制度の制度趣旨や立法論を理解するのに有益な視点をもたらしてくれるでしょう。
大学の教科書を水で薄めただけの入門書、図表の多用でいかにも分かりやすく装 -
Posted by ブクログ
2006年5月から施行された「会社法」。株式会社という形態の特質や普及の理由に始まり、会社法の制定された理由や、株式会社の機関、資金調達に至まで、体系的かつ平易な文章で書かれてある。
法律に関わる書籍であるので、決してすらすら読めはしないが、驚く程理解できた。そしてこんなにも法律に興味が持てるとは思わなかった。大変素晴らしい書籍である。
独立を目指す起業家は確実に一読しておいた方が良いことは言うまでもないが、いちサラリーマンも読んでおいて損はないと思われる。出世して安易に取締役になることの危険性が理解できる。損害賠償請求でも被ったら大変な事になるであろう。 -
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会社法、「それは、株主がおカネを出し、それに基づいて、会社の運営を決め、会社が活動すると言う面についてルールを定めている」ものである。※「 」 な内は本書からの引用
株主といっても複数いるし、買収を目論む新株主も出てくる。会社の資金調達が必要になるかも知れないし、事業を畳むことになるかも知れない。法令遵守は上手くいっているのか、など、考えることは多い。また、そういった問題に対応するにも、株主間で利害の調整や取締役の監督などが必要そうである。会社法はこれらに関する決まり事が書かれている、ということか。
内容はかなり硬め、かつ読みやすいとは言えないが、頑張って読み進めるたら、資金調達や組織再編 -
Posted by ブクログ
ネタバレ会社法の全体把握のために読書
漫画でわかりやすくとっつきにはよき
メモ
・会社は目的を定款に定める必要あり
・持分会社は個人的な信頼関係で結ばれたもの同士が作る会社
・合同会社は有限会社社員のみで構成される持分会社
アメリカのLLCを参考に成立したがパススルー課税はない
・会社設立プロセス
定款作成
出資
経営者選定
登記
・発起設立と募集設立が存在
・定款の内容は
絶対的記載事項 目的、商号、所在地
相対的記載事項 制度利用時の規定 役会設置
任意的記載事項 事業年度、総会招集時期
に分かれる
・資本が300万以上でないと配当できない
剰余金のみ充当 -
Posted by ブクログ
小難しい専門的な内容を、平易な表現でわかりやすく解説するところがすごい。しかも、それが随所に見られる。ある程度の事前知識があると本当に感心させられる。
一方で、全く会社法を知らないという人に対しては、入門書としてはあまりおすすめはできない。もっと簡単な入門書は他にもたくさんある。日常的に会社法に接する仕事をしているとか、関連する分野に触れているとかでないと、小難しい部類だと思います。
会社法の制定・改訂の経緯や背景。事件等の事例やその判例。関連諸法令等との関係。日本だけでなく世界の会社法や、それを取り巻く環境の変化や動向等を踏まえて、日本の会社法ってどうなの?という本でした。