スヴァンテ・ペーボのレビュー一覧

  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    邦題はダイレクトだが、原題は“Neanderthal Man: In Search of Lost Genomes”。原著は2014年刊。著者スヴァンテ・ペーボがノーベル生理学・医学賞を授与されるのは、この8年後の2022年。
    ネアンデルタール人のゲノムを取り出し解析するという冒険の一部始終が語られる。自伝的なエピソードもたっぷり入っている。それにスウェーデン人で、ドイツで研究。それらが混然一体となって、ふしぎな読後感がある。
    時系列で書かれた研究の進展はスリリング。快いほどのスピード感がある。ネアンデルタール人と現生人類が交配した可能性については、かなりの紙幅を割いている。2014年の刊行な

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    2025年10月28日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    ネアンデルタールが現世人類と交配した。少し前なら、ジュラシックパークなみの眉唾ものでした。
    この本は、読みやすく分かりやすかったです。訳文もこなれて良いです。面白かったです。

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    2023年10月18日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    分子遺伝学、古人類学。
    2022年にノーベル生理学・医学賞を受賞したSvante Paaboの著作。

    現生人類の遺伝子の中にはネアンデルタール人由来の領域が含まれていることを発見した。
    極めて緻密な実験設計、衛生管理により実現。
    バイセクシャルらしい。
    なんとも興味深い本だった。

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    2023年02月20日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    とてもおもしろく、一気に読んでしまった。そもそも読んだきっかけは、ResearchatというPodcastでおすすめ本として紹介されていたからだ。気軽に読み始めたのに本当に惹き込まれてしまい、ページを捲る手もわくわくも止まらなかった。「ネアンデルタール人は私達と交配した」ということは教科書やニュースで聞いており、更にアフリカを起源として人類がどう世界に発展してきたかも既に現在図説などでは当然の知識として載っている。その当然のものがどのようにして明らかになったのかと問われた時、「DNAを比べたから」という非常に簡潔な言葉一つで普通は終わり、そこにあまり感動もなければ驚きもない。しかし実際そこに行

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    2019年08月30日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    まず、この本は非常に面白い。『イヴの7人の娘たち』や『アダムの呪い』のように、遺伝子解析によって人類の歴史をたどる話は、自分にとってはほぼ外れなく面白いのだけれど、この本は特に研究界の競争の実情がよく伝わる内容になっていて興味深い。

    本書では、著者のスヴァンテ・ペーボが、古代生物のゲノム解析の研究者として成功し、マックスプランク進化人類学研究所を率い、その分野の第一人者となる物語が自身の手で描かれている。その過程では、古代生物解析におけるDNA汚染の回避に向けた地道な闘いや、他研究機関との協力や競争の内実、研究者としてのテーマ選択やキャリア形成、メディアとのやりとりなどが描かれていて実に面白

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    2015年12月31日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    ゲノム配列の解析技術開発と、現生人類ゲノムやバクテリアゲノムのコンタミネーションと、損傷ゲノムを含む希少サンプル解析。我々は何処から来たのか、我々は何者なのか、に迫るサイエンスの物語。

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    2025年06月30日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    ノーベル賞も受賞されたスワンテぺーボ博士の自伝である。
    古代DNAの解析に取り組み、進化のミステリーに挑み続けた歴史がわかる。
    最新のDNAシーケンスの技術は常に取り入れているものの、科学的に難しいアプローチはほとんどなく、ただひたすらに内在性のピュアなDNAを抽出しシーケンスし、私たちの祖先とネアンデルタール人との関係を紐解く情熱には心打たれる。
    真摯さ、謙虚さ、大胆さ、ユニークさ、超一流の科学者の心の動きや思考力などを垣間見える素晴らしい一冊だった。

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    2023年11月29日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    なかなか専門的な内容が多く、難しいところもありましたが
    面白いと思いました。科学者という人の思考パターンや
    気質がよくわかった感じがします。

    そういえば、日本の恐竜学において、恐竜のDNAを
    抽出(有機物?)できるかもといった
    記事を見たことを覚えているのですが(多分NHKかな)
    あれは、結局どうなったんだろうと思いました。

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    2023年01月15日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    ノーベル生理学・医学賞を受賞されたということで拝読しました。

    そこまでDNAに詳しいわけではありませんが、高校生物に毛が生えた程度の知識でもとても楽しく読み進めることができました。DNA分析のカギを握るPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)はここ最近よく聞いた言葉の一つではないかなと思います。
    興味深かったのは、ペーポ博士が元々はエジプトのミイラの研究をしたいと思っていた点です。同じく研究していた医学とそれを組み合わせたことから、このDNAをめぐる大きな研究が始まったともいえます。
    多分野に興味を持つと、往々にして「どれか一つにしておきなさい」と言われることがあります(本文中のペーボ博士もそうです)

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    2022年10月12日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    DNA解析の歴史でもある。
    むずかしいことははぶいてある。
    一気によんだ。

    日本の考古学が他の学問、大学同様、権威主義で、さらに捏造事件で地に落ちたことと対象的に、科学的に進められている。

    科学、医学、工学を目指す中学生に読んで貰いたい。

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    2022年02月16日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    生物をバックグラウンドに持っていないと難しいかもしれない。生物基礎レベルがあれば読めるが、実験レベルの知識はないと結構読むのむずいかも。

    PCR黎明期なだけあってそっち方面の苦しみが多く描かれている。PCRは簡単じゃねえんだよワイドショー!

    そしてさり気なく作者に暗い影を落とす東西冷戦。スウェーデンは第三世界にあったおかげでなんとかなっているけど、これ作者が西側出身なら絶対できず諦めるしかなかった内容だよなあ。

    ネアンデルタール人と現代人の差の研究は面白い。ミトコンドリアが母系遺伝である以上、ミトコンドリアイブのものを受け継いでいるはずだが、当時(20年前程度)の技術は現代と比べると未熟

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    2021年04月05日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    子供と一緒に読んだ。ちょうどTVにも出ていたりして興味を持ったようだ。本は非常に面白い話だったけど、自分のことそんなに書いてしまって良いのだろうかと思わないでもなかった。

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    2020年11月09日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    分子生物学を古代DNAに適用したパイオニアが書いた自伝的な本。古代DNAと言ってもネアンデルタール人みたいに数十万年前のものまで。それより古いとDNAは失われてしまっているそうだ。恐竜のDNAを復元したなんてニュースも昔あったが、それはとんでもない誤りだったそうで。そういった試行錯誤も込みでの科学の現場が描かれていて読み物として楽しめるし、分子生物学の知見や古代のDNAを復元するむずかしさについても興味深い。

    ただ理論的なところについては、半分わかったものの半分はハラに落ちなかった感じ。PCR法の説明なんかも昔読んだ福岡伸一の本のほうが分かりやすかったので、引っ張り出して復習してしまった。時

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    2020年04月25日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    ネアンデルタール人のDNAを幾多の困難を乗り越えて解読した著者の自叙伝。タイトルから想像してた内容とはちょっと違っていた。

    初めから1/3くらいはちょっと退屈だったし、遺伝子工学、DNA等の専門知識がないと理解できないところが多い。しかし、次々と出てくる課題をチームで知恵を絞って、ズルをせず地道に正直に研究を進めていく過程は読み応えがあり、最後に花開くところはわくわくして、全体としてはおもしろかった。

    けっきょく我々のDNAの数%はネアンデルタール人に由来していることをつきとめて、それがタイトルになっている。

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    2017年12月09日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    ネットで見かけて。

    9割ぐらいの部分はわかっていない。
    ネアンデルタール人と現生人類が交配した、結論付けるまでのDNA解析の進歩や研究の過程が描かれている。
    かなり噛み砕いて書いてあるのはわかるが、
    それでももう少し面白い部分を増やしてくれないと、難しくて読んで理解する気にならない。

    古代の標本からDNAを抽出するために、こっそりオーブンで子牛のレバーのミイラ作りをして、ラボの人々に臭いとばれてしまった話とか、著者の結婚に至る話とか、毎年自分はネアンデルタール人じゃないかと思うという手紙が届く話とか。

    ネアンデルタール人から現生人類へDNAが流れ込んだ、つまり二つの集団が出会った時ネアン

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    2017年10月23日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    2016年のベスト。
    運とテクノロジーと人と根気を使ってネアンデルタール人のゲノムを読み取った生物学者の道のりと半生を記す。まず著者がバイセクシュアルでノーベル賞受賞者の婚外子だという話もさらりと出てくるところが面白いが、何より色んな人と関わり合い、試料を探し出し、最新の技術を使い、分析して、既存の概念に挑みネアンデルタール人のゲノムを読み出すことに成功するその学者冥利につきる半生を追体験できるのが痛快である。

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    2016年02月25日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    著者スヴァンテ・ペーボはスウェーデン人の分子古生物学者。彼とその仲間たちはネアンデルタール人のゲノムを明らかにし、私たち現生人類のゲノムの中に、ネアンデルタール人の遺伝子が入っていることを突き止めたのである。

    彼が新たな研究分野を確立するために組織を一から作り上げていく苦闘も描かれている。加えて、同性愛者であった著者が同僚研究者の妻に恋をしてしまい略奪してしまう話もあったりと、もはや単なるサイエンス本ではない。情熱あふれる著者の一代記である。

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    2016年01月28日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    「ジュラシックパーク」が上映された頃は、何千万年前の化石から恐竜のDNAが採取されたことが話題になったが、DNAは極めて変質、分解しやすく、恐竜のものの採取は不可能というのが最近の常識らしい。
    当時「採取」されたのは、混入した他の(もしかすると採取した研究者本人の)DNAだったのだろう。

    本書には、こういった「汚染」を除去しながら、前人が試みなかったミイラや化石からのDNA取得とゲノム情報解析を著者(とそのグループ)が、数多の困難を乗り越えていかに実現したかの、30年にわたる苦闘の歴史が記されている。

    それだけでも感嘆するに余りあるのだが、本書には著者の性的嗜好というかジェンダー傾向も隠さ

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    2015年11月17日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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     我々の中にネアンデルタール人のDNAが残っいる・・その事実については、まあだからどうした、というくらいの感想しかないのであるが、その事実を明らかにする過程がスリリングである。というか、真の科学者というのはここまで「科学」に対して誠実であることができるのだということに感動した。。
     掘り出された古代のDNAにはすでに現代の微生物や人のDNAが混入している。それらから目的のDNAだけを取り出し、増幅する。だが、目的のDNAだと思ったものがやはり混入した現代人のDNAだったりする。様々な設備や装置や仕組みを自ら開発し、2重3重のチェックを自らに課し、そしてたぶん科学ではもっとも重要なことの一つ「再

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    2016年01月09日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    ネアンデルタール人に全く興味が無いというか交雑してようがしてまいがどうだっていいじゃないか、というような人には退屈極まりない本です。
    しかし人の影響で汚染されていない純粋なDNAを採取するための偏執的な取り組みと検証システム構築については頭が下がるというか、想像するだに吐き気がする。

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    2016年11月18日