粟飯原文子のレビュー一覧

  • 崩れゆく絆

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    読んで良かったと思う。
    アフリカについて世界史じゃない文学として初めて触れたと思うけど、なんともやるせない気持ちになった。
    植民地前の文化が全て肯定出来るわけでもなく、まして支配者側の考えが受け入れられるわけもなく。
    ただ後世の私はこれを読んだことがいつか何かの基準になると思った。

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    2024年01月02日
  • マイ・シスター、シリアルキラー

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    初のハヤカワミステリ。
    読みやすい文体で、細かい節に区切られているのでサクサク読めました。
    妹怖すぎ、かつての父親ももっと怖いけど。

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    2022年12月16日
  • 小さきものたちのオーケストラ

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    ネタバレ

    チノンソはとても心優しい人で人の為に動ける人ではあるけど物語が進むにつれて元々の気質である暴力性だったり自己犠牲的だなぁと思った。

    物語が不運すぎるのもあってか怒りや悲しみ羞などの心の描写が分かりやすい

    人の出来る限界、人に降り掛かる不運についても、鶏は何が起こっても泣いて喚く事しか出来ないと重なって、自分でどうにもならない事ってあるよねと言うのがタイトルからも内容からも感じた。

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    2022年12月11日
  • 崩れゆく絆

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    「読書会という幸福」(向井和美/岩波新書)で紹介されていた本。初めてのアフリカ文学ですが、読みどころの多い小説でした。著者のアチェべはナイジェリア出身のイボ人作家。
    1958年にロンドンで発表された本書は「アフリカ文学の父」と呼ばれるアチェべの最高傑作とされています。

    (以下、プロットに若干触れます)

    本書は3部で構成されます。第1部は架空の村ウムオフィアにおける慣習、神々、呪術の数々と主人公オコンクウォの人となりを描き、オコンクウォが犯してしまった過失で終わります。第2部はオコンクウォの流刑先での日常と拡大する白人の植民地支配を描き、第3部ではオコンクウォの悲劇が描かれます。

    本書の読

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    2022年12月06日
  • 崩れゆく絆

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    アフリカ文学初読み。
    イボ人の伝統と生活習慣が色鮮やかに語られていく。異文化を体感できるのは読書の醍醐味だ。
    主人公が最後に選択したものが消化しきれない。また時間を置いて読み返したい。

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    2022年08月02日
  • 小さきものたちのオーケストラ

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    ネタバレ

    読み進めるにつれて、気分が重くなった。

    優しさの影も形もない姿になってしまった宿り主。それが、彼女への愛と、負った苦しみの大きさを物語る。

    小さきものたちとして生まれたら、仕方のない結末なのだろうか。この後の人生で幸せを感じる出来事があることを願いたい。

    一方で、いつも復讐に燃えている宿り主は、手放すことや自分を鑑みることなしには、結局、幸せにはなれないのかもと思った。(例えば彼女と結婚出来ても何かあれば、彼女を恨み始めそう)

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    2022年05月20日
  • マイ・シスター、シリアルキラー

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    ナイジェリアの作家が描く、サイコミステリー。交際相手を殺しがちな妹、その後始末を手伝う姉。姉妹の性格も容姿も真逆といってよい。
    家族、ジェンダーなども描きつつ話が進むが、重たくなりすぎず軽妙で読みやすいこの作品。ほんの1-3ページずつに章が分けられて描かれているのも驚きだが、重たいシーンでも軽妙なジョークが挟まれる。ナイジェリアの文化なのではとのこと。この独特な感覚は、ぜひ味わってほしい。
    お勧めです。

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    2022年03月13日
  • マイ・シスター、シリアルキラー

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    妹の殺人の後始末,過去のトラウマ,ほのかな恋,抑えきれない感情を目覚めない患者に語りかける看護師のコレデ.その出口の見えない姉妹の関係に胸が痛む.
    次々と起こる事件をサクサクと明快に書き分けて,会話も巧みでとても面白かった

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    2022年01月07日
  • 小さきものたちのオーケストラ

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    最近ミステリを読まないのは意味のなさない長い人名、役職の肩書きなど単語が長文化したものの羅列に振り回されたあげく、中身もないので、ただ車酔いだけしただけのような感覚に陥るからである。
    この作家はそうとう血肉削って書いてるのだろう。たまにつるっと骨と肉が離れるチキンもあれば、反対に、ぼそぼそ骨にこびりつく(かに肉のような)のもあり、この人の文章を読んでてそういうイメージが浮かんだ。
    あらすじだけいうと身分の違う男女が「正式に」結婚するために起こした行動の結果。ちょっとねー、どうしてこんなに後半男性は受け身で意思表示しないのか不思議だった

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    2021年11月15日
  • マイ・シスター、シリアルキラー

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    ネタバレ

    機能不全家族という土壌で形成された姉妹の歪な絆。理解し難い所もあったけど、人命の軽い国では割り切りの良さがないと幸せは手に入らないのかも。
    軽快に流れる文体は、不気味な世界に独自のユーモアを与えていて面白いなと思いました。

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    2021年09月11日
  • マイ・シスター、シリアルキラー

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    なんとも珍しいナイジェリアミステリ。

    人物描写や人間関係にそこはかとなく文化色を感じ、序盤やや馴染めない感じがしたが、凝縮された3~5ページからなる章を連ねた小気味よい構成に引き込まれていった。

    何故か付き合う男、付き合う男をナイフで殺めてしまう妹アヨオラに振り回される姉のコレデ。
    アヨオラの次なる標的はコレデが職場の病院で密かに想いを寄せる医師のタデ。
    アヨオラのぶっ飛びっぷりと、その言動を諫めながらも心の底では血の繋がりによる愛情を捨てきれないコレデの物語の行きつく先はどこなのか。

    とてもサスペンスフルで、なるほどおもしろいと感じた。
    結末が期待していたほどひねりの利いたものではなか

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    2021年05月07日
  • マイ・シスター、シリアルキラー

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    あっという間にクライマックスを迎えてしまった。サクサク読めるしコミカルなところもあるのだけれど、これそうとうトチ狂った姉妹の物語だぞ!?(褒めてる

    嫌いじゃないよ。コレデ。きみがいちばんトチ狂ってる。この二人は今後もこうして生きて(殺して)いくのかしらと先々を思うとまたゾッとする…

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    2021年04月02日
  • マイ・シスター、シリアルキラー

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    ネタバレ

    意外に小さい本ということにまずビックリ。
    お話自体はテンポ良く、読みやすかったです。長女同士感情移入できるかな..と思ったけど、全然そんなことはありませんでした。あんな妹いらん笑 でも魅力的なことはよく伝わりました。人物の見た目の描写はすごく良くて、しっかり想像できました。
    主人公が日本的だなと感じ、周りにイラッとするだろうなってこととか、そんなところは共感しました。
    多分アフリカの作家さんの本は初めてです。周囲の描写が新鮮でした。

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    2021年03月09日
  • マイ・シスター、シリアルキラー

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     ナイジェリア発新人女性作家によるデビュー・ヒットということである。ロンドンとナイジェリアの大都市ラゴス島を往来する若き女流作家(1988年生)のこれまでの人生がどのようなものかはわからないが、英国へ留学し、キングストン大学の学位を取得している上流育ち。写真は可愛らしくお洒落なイメージ。

     まずはアフリカ発ミステリーというだけでも珍しいし、数々のミステリー賞を獲得したという、本作の煽情的なタイトルも話題性豊かで目立つだろう。ちなみに本書は、二百ページに満たない短めの小説である。内容は細かく区切られた章立てによる、場面転換の豊富な、とても読みやすく興味深い作品であった。

     三人以上の殺人で「

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    2021年03月05日
  • マイ・シスター、シリアルキラー

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    真面目な姉と奔放な妹の絆と葛藤、家族の闇、薄っぺらい人びと、重めのテーマだが短く簡潔でポップな文体で淡々を進められるストーリーテリングが新しい。どうしょうもない状況なのになんだか明るいところがアフリカらしいのだろうか。

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    2021年02月28日
  • 崩れゆく絆

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    ・アフリカ文学史上最高と呼び名の高い小説
    ・アフリカの村で一代で名声を築いた男が主人公
    ・父親を反面教師に努力をする
    ・隣の村と戦争を起こす代わりに人質を捉えて自分の家で育てる
    ・村のならわし、神のおつげにより、自ら大事にしていた人質の子を殺めてしまう。そこから暫くは食事もせず。
    ・偶発的な事後で同族を殺してしまったことでオコンクウォは流刑されて、母親の親族の村で7年間過ごす
    ・そのかん、イギリスの植民地支配でキリスト教が蔓延。
    ・オコンクウォが7年後に戻ってから、イギリス白人と村の一族との対立
    ・オコンクウォは白人の首を跳ねて、後日に木に首を吊って自殺するという衝撃な最後。

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    2021年02月23日
  • マイ・シスター、シリアルキラー

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    一文が短くテンポ良く話が進められる。 
    ファンタジー?う〜ん、別世界。生活感をもっと知りたかった。 #ナイジェリア・ラゴス

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    2021年02月19日
  • マイ・シスター、シリアルキラー

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    ネタバレ

    狂っているものをブラックユーモアで軽やかに描くのがなんか面白かった。
    妹が恋人を次々殺してしまう。妹を守るために姉が死体を始末する。おかしいのはどちらなのか。いや両方か。

    「命を始末するよりも死体を始末するほうが、うんと手間がかかる。」

    なるほど。

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    2021年02月14日
  • マイ・シスター、シリアルキラー

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    タイトルだけ見れば猟奇的なものを想像するけれどそれだけではなくて、ブラックユーモアのような雰囲気もあって面白い。妹が殺人を犯し姉に助けを求める。そうしてやってきた二人の繋がりと姉の苦しみ。それが抑えた文章で描かれていてこれまであまり読んだことのない作品になっている。

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    2021年02月03日
  • マイ・シスター、シリアルキラー

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    ネタバレ

    や、これは新感覚。
    ナイジェリアの女性作家だが、英国の大学卒の方。
    舞台がナイジェリア最大の都市ラゴスだが、植民地としてのアフリカ感がなく、空想上の都市のよう。

    まず妹がぶっ飛んだ性格破綻者として登場しどぎもを抜かれるが、堅物と思われた姉のクールな語り口から次第にバックグラウンドが明らかになると、まるっきりのおもしろいミステリーでないことがわかってきて、
    確かにブッカー賞候補作品だと納得。

    200ページほどの中篇で読みやすく、変わった感じの小説を読んだ気持ちになって楽しめた。

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    2021年01月23日