広瀬順弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。でもモヤモヤする。読んだ後の後味は良くない。そこも含めて面白いんだけど…
題名の霊応ゲームは、この物語において重要な鍵になっているはずなんだけど、それについての深い言及がなかった。日本語に訳す前はThe wishing gameで、読んだ後はそっちのほうがしっくりくる。
主役がだれか分からなくなるぐらい、登場人物全員が濃いキャラクターやバックグラウンドを持っていた。みんな、心に秘密や後ろめたい気持ちを隠していて、それを暴かれるのを恐れている。最後のあたり読んでてあれっこれってニコラスが主人公?ってなった。
最後にジョナサンが願ったことって何だろう。
私は2人の友情が偽りや勘違いじゃないって信じたい。
私個人的にはリチャードとジョナサンがうまくいって欲しかったよ。実はこの話はニコラスの妄想って言うオチを期待したよ。リチャードやばいやつなのに、スーパーヤンデレマザコンサイコパスなのに、、、 -
Posted by ブクログ
イギリスの全寮制の男子校を舞台としたホラー。閉塞的な生活の中での鬱屈、不満、いじめ、その中で育まれる友情…この思春期の同性同士の限りなく恋愛感情に近い憧れとか嫉妬は、確かにあると思う。
前半はいじめられっ子のジョナサンに孤高の美少年リチャードが手を差し伸べ、2人の仲が急接近していく。今まで自分がジョナサンの一番の親友だったのに…とやきもきするニコラスの気持ち、すごくわかる。ニコラスは最後の最後まで良い奴だった。リチャードがいじめっ子や意地悪な先生に一泡吹かせるシーンは胸のすく思いでした。しかし、後半になるにつれどんどん雲行きが怪しくなって行き、終盤破滅に向かって突き進んでいくリチャードが痛々しく、つらかった。どうにか救われてほしいと願ったけど、結局周りの大人たち含む全員が不幸になってしまった。これも、霊応ゲームで呼び寄せてしまった「何か」の呪いだったのだろうか。
なんとも悲しい物語だったけど、面白かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画でも見てみたいと思える作品だった。
死んだ者も、辛うじて生きながらえた者も誰一人として幸せにならないバッドエンド。
唯一、ハワード校長と妻エリザベスだけはマシとも言える。
バッドエンドなのにそこまで気持ちが落ち込まなかった。何故なのだろうか。
本書はもちろん物語が進むにつれて破滅へとじりじり読者を誘う。
おそらく、悲しさよりも物語自体の展開の面白さが勝っていたのかもしれない。
600Pを超える久しぶりの長編にも関わらず、中だるみせずに読み終えることができたのは作者の凄さだなと。
書評の大矢さんも書かれていたが、
ジョナサンが教科書を忘れてさえいなければ...。
そもそも二人は交わることが無かったのである。
運命の悪戯とは、こういう小さなきっかけで大事件へと繋がるのである。
リチャードは一見悪の権化のように見えるが、彼のような子は現代に幾らでも存在している。
そして、ジョナサンも同様である。
本書に登場するキャラクター達は全員、傷や罪を負いながらも生きている人たちである。
これは私たち現代にも通ずるところである。
表面的に接している分には見えないが、壁の1枚をぺらりと捲るとそこにはそれぞれの地獄を抱えていたりする。
どこにでもいる少年たちの危うさを極限まで書き切った素晴らしい作品に会えて良かった。
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Posted by ブクログ
1950年代に英国の全寮制パブリック・スクール、
カークストン・アベイ学園を見舞った奇怪な事件について、
真相を知ると称する者との面会が叶ったティム・ウェバー。
長時間のインタビューを録音し、記事にして、
ジャーナリストとして脚光を浴びたいと願うティムだったが……。
――ということで、
枠内の物語=来訪者が語ったこと=が、
三人称のあっちこっち移動しまくる視点で綴られた長編で、
非常に読みにくかった。
中身は20世紀半ばの厳格な規則に縛られた寄宿舎で起きた
悪質ないじめに端を発した、いくつかの異様な出来事について。
純真な被害者と、彼を庇う立場のクールな美少年が
報復のためにウィジャ盤を持ち出す話で、
タイトル The Wishing Game は、
この西洋版こっくりさんに由来。
それ自体は読みごたえがあるものの、
超常現象と思われた事柄に
後から科学的な説明が付されて解決するミステリかと思いきや、
オカルトのまま終わってしまったので拍子抜け。
また、繰り返しになるが、
短いスパンで視点がコロコロ切り替わるので読みづらいし、
セリフの末尾にも「!!」や「?!」が多くて、
全然耽美的な雰囲気ではなかったため、
期待を裏切られた気分。
14~15歳の男子って、あんなに子供コドモしてましたっけ? -
Posted by ブクログ
ネタバレなんか…思ってたよりあっさり終わった感じ。
リチャードが何かしらの異能を使っていたかどうかは定かではないけれど、子供の器に有り余る憎悪と、それにあてられた心優しく弱いジョナサンという心許してもいい(かもしれない)相手、多感な年頃故に言葉に・形にすることで信じてしまう力が相まって、本当は偶然で済むことを、大人達の秘密を巻き込んでの大事になった、という感じかなぁ。
大人たちはまぁ自業自得なんだけど、死んだ少年たちはリチャードの、ジョナサンへ対する力の誇示であっただけのような気がして、美しく賢い少年というのは残虐性を持ち得て絵になるというか、ん~…。
「霊応ゲーム」という子供特有のお遊びを題材にした、一人の孤独で頭のいい子供の大量殺人、という流れでもいいんだけど。
もし、本当に、ジョナサンとリチャードがたかがゲーム、されど信じる力で「何か」を生み出し、または呼び出し、その力をもって嗜虐の限りを尽くしていたとしたら。など、リチャードの不可解な死に様に納得いく説明がなかったので。もしかしたら契約違反をしたのかなーとちょっと思いました。
例えば、力を貸す代わりに、ジョナサンには「ゲームのことを口外せぬこと」、リチャードには「ジョナサンを手放さぬこと」…ニコラスにはなんだろうな、彼は契約を破っていないのかも。
彼らだけに見えた、仮に悪魔と呼ぶとして、それはリチャードの母親の形をしていたのかもしれないし、ジョナサンにはリチャードの憎悪の象徴に見えていたかもしれないし。恐れや信仰故の正常でない人間心理のデパートのような一冊でした。
全くの余談ですが、片仮名の名前が全く覚えられないので、なんとなく肩書きみたいなものと紐づけして覚えつつ読み進めるのですが、リチャードは王様の名前(イングランド王?)、ジョナサンはカモメの子だなーと思ってたら、かもめのジョナサンの作者てリチャードさんて言うんですね。へー。勉強になった。読む前に知っておきたかった…