山本聡美のレビュー一覧

  • 増補カラー版 九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史
    何度も手にとってようやく、購入しました。
    東洋には、死体が腐乱して白骨となるまでを9つの相で表す、九相図という絵画がある。
    これは、死体の変化と僧侶の修行の段階を表した九相感と重ね合わせたとある。僧は人が変わりゆくのを見て、修業に励むのである
    シルクロードの石窟にも書かれた九相図は、日本に伝来して、...続きを読む
  • 闇の日本美術
    古代中世の美術作品から当時の“闇”の背景を見つめる。
    悲しい・辛い・苦しい出来事を見つめ飲み込むために生み出された考え方が積もり積もって、仏教世界は編まれたのだなとしみじみ。祈りの前には闇があった。
    日曜美術館で書籍を知り、「病」と「鬼」の章が読みたくて購入したけど、すべての章がおもしろかった。
    ...続きを読む
  • 闇の日本美術
    美術、説話を通じて恐れと向かい合う人間の弱さと強さを感じた。
    引用されている絵画の多くが白黒で小さく、作者の意図する詳細部分がわかりにくいかったのが残念。
    新書版の弱点ではあるが。
  • 闇の日本美術
    地獄草子や餓鬼草子や、粉川寺縁起絵巻、九相図などを通して、老いや病、死や断罪を日本美術がいかに描いてきたかを論じる一冊。詞書等は原文を(活字で)提示した後、現代語訳をつけ、簡潔でわかりやすい文章だった。

    惜しむらくは新書版という制約上、掲載されている絵画資料が小さいこと。別途図版等と照らし合わせな...続きを読む
  • 闇の日本美術
    主に平安期の美術品を、地獄や病、死といった観点から取り上げている一冊。連載をまとめたものだそうです。
    テーマはとても魅力的なのですが、内容は…うーん…学術的に寄りすぎているというか…。勝手な思い違いをしていたようです。

    テーマがマイナス方面ということもあり、宗教のえげつない方針がばんばん取り上げら...続きを読む
  • 闇の日本美術
    日本の古代・中世絵画に描かれた“闇”という主題。
    仏教思想・死生観等を通して、読み解いてゆく。
    闇に覆われた時代。夜の闇は深く、輝く灯りは庶民にはほど遠い。
    闇に潜む・・・地獄、鬼と怪異、病、死、断罪等が描かれた絵巻や
    草紙等は、どのような背景で生まれたのか。
    何故、詳細に描かれたのか。
    それは、前...続きを読む
  • 闇の日本美術
    <目次>
    プロローグ 闇
    第1章   地獄
    第2章   鬼と怪異
    第3章   病
    第4章   死
    第5章   断罪
    第6章   悲しき女
    エピローグ 光ある方へ

    <内容>
    中世の絵巻物や絵解きなどを、「闇」という視点から解いていったもの。怖いというよりは、信仰心を見る感じであるが、エピローグで、「...続きを読む
  • 闇の日本美術
    書名だけでは興味を惹かれずにいたところ、お能でおなじみのテーマを扱っている、ときいたので。古代中世の人々が何を恐れていたのか、仏教の考え方とともにわかりやすく説明されている。ところどころ論理展開についていけなかったけど、それは読み手のわたしにベースの知識がないせいだろう。入門書として読むには良いと思...続きを読む