アルベルト・アンジェラのレビュー一覧
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ローマ帝国がその繁栄の絶頂期にあったトラヤヌス帝治世下の首都ローマの人々の一日の生活を24時間著者がレポートするといった非常に興味深い趣向の本。
当時のローマ人の生活が衣食住から始まり、裁判、教育、娯楽、果ては公衆トイレや性生活に至るまで事細かく描写されている。
それらの描写は、最新の考古学的研究の成果に基づく知識に裏打ちされており、古代ローマを題材とした小説を読むのでは得られない種類のリアリティーを感じさせる。
史料でしか知ることのできない古代ローマ人たちに血肉を与え、当時の生活の匂いまで感じられそうな程に彼らの生活を活写して見せる著者の学識とイマジネーションには驚くばかりである。 -
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ネタバレ古代ローマ人の生き生きとした描写を用いて描かれたシリーズの一冊。
高く評価する点が3つ、一つだけ低く評価する点が1つあるため、星4つとした。
高く評価するのは、次の点。
1.オウィディウスの『恋愛指南』など、当時の道徳教訓詩をパロディ展開した作品からも史料を引いているが、全体としては信頼のおける史料だ、と思われる点。
2.貴族や中流階級だけにとどまらず、貧困層の事なども調べて書いてある点。
3.当時の社会、文化における価値観を紹介し、一方で『現代の道徳』による価値判断をさしはさまないよう気をつけて書いてある点。
一つだけ低く評価する点については、紹介前に前提となる筆写の事情がある。
まず、評者の性的な嗜好は二次元限定で、男性同士、女性同士を問わず、同性愛描写ばっちこーいであり、その内容が非現実的なもの(描写やシチュエーションなど)であっても楽しめる口である。性指向(現実の人間に対する行動)に至っては非性愛(恋愛感情はあれど、性的な欲求が無い)である。
こうした前提があるため、
「同性愛を扱った項目はどのような内容だろうか?」
と、興味をもって本書を読み進めていた。
ところが、他の恋愛や性愛についての章と異なり、この項目は文章量が少なく、概論、いわゆる「さわりだけ」紹介したに過ぎない、という印象を受けた。
著者自身の性指向やホモフォビア(同性愛嫌悪)が影響したのだろうか?
疑っても詮無いことではある。
他の章での、『その場所で、生きているローマ人の背後からカメラで追っていく』ごとき生き生きとした描写が優れていただけに、この一点だけが画竜点睛を欠く、と言わざるを得ない。
総括すると、エピクロス学派の『物の本質について』や、ストア主義哲学の『自省録』といったローマ時代の哲学書とは異なる側面から、ローマ帝国の世界を見せてくれる良書であった。 -
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古代ローマの全盛期(トラヤヌス帝治下、紀元115年)のある一日に焦点を当て、当時のローマ人がどのような一日を送っていたかを追うドキュメンタリー調の歴史読み物。
一日の時系列を追って、起床から就寝(または深夜の活動)までを、視点や立場を巧みに変えながら、淡々と追っていく。
ローマの歴史を扱う本は多いが、多くは歴史的な偉人や大事件に焦点を当てたもの。
それに対し、ローマの一般的な人々はいったいどのような生活を送っていたのかを、細かく細か~く丁寧に再現するのが新鮮。
名もなき人々のなんでもない一日を追うことで、当時のローマの雰囲気や文化がとても分かりやすい。
若干叙述が淡々としすぎていて退屈な側面もあるが、古代ローマに興味のある人なら読んで間違いなく損はない。
きっとローマを旅したことがある人なら、具体的情景が目に浮かんでもっと楽しめるんだろうなあ。 -
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ローマ帝国、トラヤヌス帝治世下。反映の絶頂期を迎えた首都ローマの人々の一日の生活を著者が24時間密着レポート!という趣向で綴られた本書。企画の勝利、というのは簡単だが、最新の考古学的研究の成果を基にした実に綿密な考証で、今の我々が得られる最大級の古代ローマのリアルをここに出現させている。
衣食住はもちろんのこと、裁判、教育、娯楽、果ては公衆トイレや性生活まで、時に現代社会と照らしあわせて語られる古代ローマ人の姿は、人々の匂い、体温まで感じられそうなまでのリアリティーをもって迫ってくる。
中でもP.207から始まる奴隷についての著述には考えさせられた。古代ローマと現代を照らしあわせて考えると、今の我々の生活も、数々の家電製品や交通機関といった奴隷によって支えられているのだ。古代ローマと同じように。その奴隷が人かモノかの違いはあるが。
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ローマ ―すべてが始まる場所
ロンドン ―ローマ人が考案した都市
パリ ―ポンペイよりも小さな町だった頃
トリーア ―神酒を作る
ライン川を越えて―蛮族との戦い
ミラノ ―女性解放 レッジョ・エミリア―古代のジョーク
リミニ ―外科手術
テヴェレ川 ―水に運ばれてローマへ
ローマ ―世界の中心
大競技場キルクス・マクシマム―『ベン・ハー』の謎
オスティア ―多言語が入り乱れる「バベルの塔」
スペイン ―ローマ帝国の金
プロヴァンス ―馬車への襲撃
バイア ―贅沢で淫蕩な都市
地中海 ―航海という冒険
アフリカ ―人種差別のない帝国
エジプト ―古代の観光客
インド ―ローマ帝国の国境の向こうへ
メソポタミア ―トラヤヌス帝との遭遇
エフェソス ―ローマ帝国の大理石
ローマへの帰還 ―タイムトラベル