赤瀬達三のレビュー一覧

  • 駅をデザインする

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    ネタバレ

    毎日東京都心で鉄道を利用する者として筆者の主張はほぼ全て肯定できたことが、作中でも度々述べられている通り本気でパブリックなデザインを考えている証拠なのだろうと感じた。理想を実現するためには例えば新宿駅大改造のような夢物語は現実的でないとした上でこれからの駅デザインを考える土壌を作ることにまずは行政の本気の取り組みの必要性を訴える点にも違和感はなかった。テーマの身近さ、内容の分かりやすさ、主張の納得感がある良著だと思う。

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    2025年05月15日
  • 駅をデザインする

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    日本の公共デザインへの怒りの本。
    日本の駅は文字に溢れて迷うことが多い。何故なら、駅の設計が路線の付属物として扱われているために、駅をデザインする範囲が限られているためだ。見通せない駅構内で、文字ばかり増やして、余計に分かりづらくしている現状。また乗換駅で他社線への案内を大きくすべきところを自社関連施設への案内を大きくし、利便性を考えていない。案内図は利用者の為の図であり、広告板ではない。
    また東京であれば、相互乗り入れが多いにも関わらず、わざわざ相互乗り入れに複数のラインナンバーを振っている。海外利用者がそれでスッと理解出来るとは思えない。鉄道会社の自己都合である。
    駅のデザインは、単なる駅

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    2016年04月08日
  • 駅をデザインする

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    駅という身近な施設について、パブリックな施設・空間のデザインの重要性を記されている。
    具体事例で知っている駅・路線があげられていたので想像しやすく楽しく読んだ。
    駅を利用する際にあらたな視点で観察しそう。

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    2015年10月30日
  • 駅をデザインする

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    筆者は 1972 年から営団地下鉄の案内サインを設計した。本書のテーマは、駅に関し、大きく案内と空間構成から成っている。

    案内については、営団地下鉄での成果をまとめた設計マニュアルが、全国で統一されている方がわかりやすいという思想のもと提供され活用された。
    その後、横浜駅で乗り入れ五社を一体として捉えた案内が日本で初めて実現したが、その過程でも、JR 東日本の上位層から他社線の案内を拒絶する偏狭な妨害がなされたことが紹介されている。JR 他社でも、他社線への乗換案内より自社系列ホテルや商業施設の案内を優先し、利用者が必要とする案内がなされていない例が示される。
    また、営団地下鉄が民営となった

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    2015年05月06日
  • 駅をデザインする

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    ネタバレ

    僕は仕事柄全国を鉄道で旅をしていて思うことがあるが、日本の駅は大抵醜い。東京駅や、新宿駅に見られるようにそもそも構造が人に親切でなく(東京駅などまだ新線増設でさらに駅構造が立体化される!)、それに輪をかけるように不快な空間設計、広告なのか何なのかわからない案内・誘導サインにあふれていて、一体自分がどちらに向かっていって良いかわからない。誰でも大きなターミナル駅で迷った経験の一度や二度あると思うが、それはあなたが悪いわけでも田舎から出てきたお上りさんだからでもなく、駅が悪いのだ。まさしく、列車に乗ってもらうのではなく、乗せてやるという鉄道会社の意識そのものが駅自体に現れている。
    そうした酷い駅の

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    2015年03月12日
  • 駅をデザインする

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    駅の「パブリック・デザイン」はいったい何のため・誰のためにあるのか、それをわかっていないから、渋谷駅のような惨状が出来するのだろう(行ったことないけど)。
    「駅」に関係する人は必読の書といえる。

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    2015年02月17日
  • 駅をデザインする

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    「地下鉄の出口看板の色は黄色」など、今となっては当たり前のルールを1970年代に初めて提唱し、以来、「みなとみらい線」や「つくばエクスプレス」などの駅のサイン(案内表示)をデザインしてきた著者による、駅を公共の空間としてデザインする際の基本的な考え方をまとめた本。

    著者が改善してきた駅の案内表示の実例は、看板の設置場所から色、フォントの大きさまで、一つ一つの要素を利用者の立場から考え抜いたものになっていて、その結果として実用性と美しさを兼ね備えた優れたデザインになっていると思った。

    また、「駅の案内表示にわかりにくいものがあることは事実だが、そもそも駅の構造が利用者にとってわかりにくいもの

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    2023年09月03日
  • 駅をデザインする

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    ようやく読み終える。。日本のデザインの拙さと作者のデザインの先進性を描いて、なかなか面白かった。たしかに日本は過保護というか、結局よくわからなくなっている現状が多い。

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    2019年05月06日
  • 駅をデザインする

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    この本を読み終わったのは、普段あまり使わない新宿駅に行く途中の電車の中だった。
    実際に新宿駅に降り立つと、なるほど本書で指摘されている通りサインが見辛く、サインを目を凝らして見ていれば後ろから突き飛ばされ、また駅の出口もわかりにくく(「高層ビル方面」などという案内を作った人間を小一時間説教してやりたい)、各社各線がまとまりのない乗り換え表示を出している、実にわかりにくい駅であると改めて実感した。

    ただし筆者の理想とする駅が終端駅ばかりであるので、それらの終端駅と新宿や渋谷のような途中駅(この呼び方が正しいかはわからない)を同列に比較するのは無理があると思う。

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    2019年01月24日
  • 駅をデザインする

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    サインを中心に、駅のデザインとは何かということをまとめた本。この本ではパブリックデザインという言葉を使っていて、利用者にとって使いやすいように、問題解決することみたいな感じ。

    日本の主要なターミナル駅(新宿とか)の現状と問題点、営団地下鉄やみなとみらい線などで筆者が実際にやったデザイン事例、ヨーロッパ駅の紹介など、実践的かつ内容が豊富だった。

    写真や図版がカラーでとてもお得感がある。

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    2015年08月23日
  • 駅をデザインする

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    まずは表紙の絵を見てほしい。
    少し細かいので見にくいかもしれないが、これは営団地下鉄(当時)大手町駅の案内図で、著者が関わったプロジェクトで作られたものだという。
    駅の入り口から電車に乗るまでの一連のサインが白と(千代田線のカラーである)緑を基調としているのに対し、電車から降りてから駅の出口までは黄色を基調としたサインとなっており、分かりやすい。
    私は普段から東京メトロのサインは他の鉄道会社よりも分かりやすいと感じていた。特に、ホームに続くエスカレーターの上に掲げられている停車駅案内図は、ホームの左右どちらの電車に乗ればいずれの方角に向かうのかがすぐに分かって便利だし、また路線ごとのカラー分け

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    2023年11月17日
  • 駅をデザインする

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    国交省「公共交通機関における外国語等による情報提供促進措置ガイドライン」には
    むやみな多言語化はせず
    ユニバーサルデザインの観点から
    日本語、英語、ピクトグラム
    の三種類を基本とするのが良い。
    最近は、中国語、韓国語とごちゃごちゃしすぎの感がある。Simple is best.

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    2022年09月28日
  • 駅をデザインする

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    5章のダメ出しが凄かった。
    わかりやすく居心地が良い駅を作るために総合的な視点から設計が必要、パブリックに徹するべき、との話は納得できたが、海外の例で「迷わない」とあるのはそうかなあ?という感想。
    実際に海外に行くと右往左往したし、慣れていないものを見ると人間は迷うと思う。
    誰でも必ず理解できるものを作るのはとても難しい。だからこそ挑戦しがいがあるのかもしれないが。

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    2022年06月27日
  • 駅をデザインする

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    駅デザインに重要なパブリックという視点、認知されやすく理解されやすい、かつ、ストレス軽減というポイント。伝えるという技術と似ている。

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    2021年04月03日
  • 駅をデザインする

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    駅のデザイン課題(自社思考、主役存在感の欠如、過多なサイン)→実際の駅デザインの長所▪短所→今後の駅デザイン課題の解決方法(ユニバーサルコード化、グラフィックデザインの充実)

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    2021年02月14日
  • 駅をデザインする

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    意識しなければ何も思わない、しかし心地よくもない地下鉄駅の利用。日本の駅構造の貧困さ。そうなってしまう経緯(土木建築の縦割り)。案内サインの在り方(パブリックとマーケティング)と、その土台となる公共デザインの考え方。人が快適に感じる環境とは。

    「JR東日本横浜支社のしかるべき立場の人」のように、この仕事の一番の敵はやはり資本主義社会だと思う。

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    2020年08月17日
  • 駅をデザインする

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    北陸新幹線開業に沸き立つ富山駅。他方、今もなお様々な苦情が寄せられている。正確さと安全性は世界トップレベルにある日本の鉄道であるが、デザインレベルは意想外に低い。欧米の構内写真を見れば一目瞭然。愕然とさせられる。本書では空間構成と案内サインの両面から、分かりやすさと心地よさを体感するためのデザインの手法が紹介されている。ページの半分は写真とイメージ図で構成されており視覚的にストーンと入ってくる。なかなか飽かせないつくりこみになっている。

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    2015年06月19日
  • 駅をデザインする

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    営団地下鉄やつくばエクスプレスなど、さまざまな駅のデザインに長く携わってきた著者。その制作物を振り返り、デザインの意図をまとめた一冊。

    何かを提案する時には、「必然性」が必要だということがよくわかった本だった。決してデザインに限ったことではないけれど。どうしてここは赤色なのか、この形状にした意図は何か、など、すべてに筋が通っていなければ、プロの仕事とは言えないのだと。

    著者はまず「駅の役割とは何か」というところから問いかけを始める。電車に乗れれば良いのだ、とは考えない。人々が気持ち良く過ごせて、憩いの場にもなり得る場所…。それが著者が考える理想の駅だそう。そのビジョンがあるからこそ、筋の通

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    2015年03月12日