C・オットー・シャーマーのレビュー一覧
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ネタバレ
スクライビングを実践する上で、抽象度と五感への依存が高い部分を言語化した一冊。実践と理論の行き来の中で繰り返し読んで血肉にしたい。
U理論の併読がWantか。
備忘録
・スクライビングは本質的には参加型のソーシャルアート
・内面と外面に同時に注意を向け、複数の情報を処理する
・5つの領域:在る、融合する、捉える、知る、描く
・3つの枠組み:ダイアモンド・氷山・プレゼンシング
・カンターの4つの行動モデル:動かす、後に続く、反対する、俯瞰する
・氷山モデル:出来事、行動パターン、構造、メンタルモデル、ビジョン
・プレゼンシング: 出現し明らかになりつつある現実に呼び起こされる行動を今この瞬間にとること
・在り方をケアする=殻と実の両方をケアすること。鎧がはがれると中の実が自由になり、単純に在るよういざなわれる。
・スケッチに言葉を添える形でのジャーナリングに1年間打ち込む。模倣に学び、統合で進歩し、自らの源に触れることで熟達する。オーセンティックな自己であれ。
・壁の前に立った時描かれたがっているものは何かイメージする。イメージできない時は描かない。まずはより深く聴く。
・クライアントとは直接話す。組織文化を事前に掴み、自分の価値観と通じるものがある相手としか組まない。どんな仕事も何が目的で何が求められているかを事前に理解してから受ける。現場入りの前に会場環境と配置を知っておく。お互いを尊重できる関係でなければ仕事を受けない。 -
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昨年、「U理論第2版」を読んで、「U理論」の初版以降の実践事例の積み上がりや方法論の進化を感じていたので、その復習くらいのつもりで読んだのですが、なんかこれはガンときました。
これは第2版の要約ではなくて、「出現する未来から導く」の内容も踏まえたエッセンシャル版。
そして、第2版との読み比べをしているわけではないので確かではないのだが、第2版以降の事例の紹介に加え、説明がよりわかりやすくなったり、より本質的になったりしているところもある気がして、エッセンスに絞り込むことで、やっとオットーの言いたいことがわかった!みたいに感じました。
もちろん、この10数年間で、日本でもU理論的なアプローチ(やっている人がそう思っているかどうかは別として)で取り組まれている人々が見えてきて、具体的なイメージがしやすくなっているというのもあると思います。
また、ティール組織という概念も現れた一方、それをどうやって実現するかというところについてはモヤモヤな状態があって、最近では、「ティール組織は目指して実現するというものではない。目標・手段という思考自体がオレンジだ」みたいな話しになっているような感じもするなかで、具体的な方法論を示している「U理論」を今一度、読み直すのは、意味のあることなのかなと思いました。
また、「ティール組織」で議論されていたような社会や組織の進化の概念も社会のOSのヴァージョン1.0、2.0みたいな感じの比喩として整理されていて、「ティール組織」の議論を違う側面からサポートする内容にもなっていると思います。
とはいえ、なんだかんだで、モヤモヤしながら、「出現する未来」「U理論」「出現する未来から導く」「U理論第2版」を10年以上読んできて、今回、ようやくわかったような気になったということなので、これを最初に読んで、わかりやすいかどうかは不明。
エッセンシャル版というだけあって、ぎゅっとエッセンスが濃縮されている。
U理論関係の本を読むのが初めての人も、何冊目かの人も心して読まないとね。 -
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コーチングでは、相手と共有する「安全地帯」を醸成するために、まず「傾聴」が重要であるとする。それが第一のステップであると。「7つの習慣」でも、まず相手を理解してからでないと、こちらの言い分は聞いてもらえないと説く。
リーダーの立場の時間が長いとか、常により良い状態を目指して努力、勉強を続けていると自負する人ほど、ステップ1の「ダウンローディング」の情報量が多いのでかえって「自己欺瞞」にハマって次に進めなくなりやすい(進める気持ちが持てなくなる)と痛感した。「傾聴」スキルでも「思い込みをなくそう」と注意喚起はしているが、U理論は「ステップ1」として必ずこの手順を踏むことにした点が良い。これを確かめるには、ちゃんとステップ2「観る」ができているかどうかを意識しようと思った。
また、ここまでは自分の努力や心がけで進められるが、相手(組織)と力を合わせてシナジーを生み出す段階に入ると、メンバー数や親密度、価値観の隔たり具合の変数で途端に難易度が真冬の夜空のように高くなる。
冒頭に書いた「安全地帯」を僕は「多様な生態系を実現している肥沃な土」に重ねてイメージしてきたが、U理論の「ソーシャルフィールド」と一致した。 -
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著者オットー・シャーマーは、変革を「未来の可能性を感じ取り、それに基づいて行動するプロセス」と定義し、その中心にあるのが「プレゼンシング(Presence+Sensing)」という概念で、深い内省と集合的な感受性を通じて、まだ現れていない未来を「感じ取り、共創する」姿勢が求められると述べている。プロトタイピングを通じた実践重視の姿勢が特に印象的で、小さく試しながら学びを深めるフレームは、イノベーションや組織変革に携わるビジネスリーダーに有効であると感じた。
「思考を変える」のではなく「あり方を変える」ことが変化の出発点であることを論理的かつ実践的に教えてくれ、ビジネスの枠を超え個人の成長にも直結する一冊に思える。 -
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U理論
第2版
著:C・オットー・シャーマー
訳:中土井 僚
訳:由佐 美加子
読むのに時間がかかってしまい、もうへとへとの状態です
読む前まで、ちょっと楽しみにしていたのですが、甘かった。
近頃であったことのない感覚がありました。そういう意味では脳細胞は活性化されてよかったかもしれません。
各章のうしろに、フィールドノートというまとめがついているのですが、わからないものをまとめてもわからないのです。図表がたくさんついているのが幸いでイメージ的に感じられた、ような感覚をもちました。
現在のやり方でも、過去のやり方でも、問題は解決できない
そこで、過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出せる技術、がU理論と冒頭でいっています
正直、用語の使い方がビジネスライクでなかったりするところや、論理の飛躍が多々あったりするかと思いますが、方法論のひとつとして、チーム・組織・社会におけるイノベーションを生み出す方法として書かれています
否定する⇒感知しない⇒不在化⇒欺瞞⇒破壊 という道をたどって滅亡するか
観る⇒感じ取る⇒開かれた意思⇒結晶化⇒共創造という道をたどって共に生きるのか
どちらのサイクルをたどるのかという,問いかけからはじまっています
個人ではなく、集団を扱っていることが特徴です
U理論は、共プロセッシングという道をたどって、問題解決をしましょうというのが主張です
共始動⇒共感知⇒共プレゼンシング⇒共創造⇒共進化
と言う道です
おもしろい比喩がいくつかありましたので下に並べさせていただきます
盲点に突き当たる
空白のキャンバス
膜を突き破る
器を満たす
全体にいたるには、部分を通り抜けることによって全体に入り込む
全体をみるためには、下がって眺めるだけではなく、内側へ入り込む
視座の転換と手放す
針の穴を通る
大きなバイオリンを弾く
8つの鍼のツボ
時間の彫刻
真実を知る5つの方法
エピステーメ 才能、能力
プロメーシス 知恵
ソフィア 理論的な知恵
ヌース 直感
テクネー 技術
複雑性には3つある
ダイナミックな複雑性
社会的複雑性
出現する複雑性
こういう本には、索引がないと漂う海に一人さまよっている感がありました。
目次
日本語版訳者まえがき
第二版まえがき――10年ののち、立ち現れる地球
序文――ピーター・センゲ
はじめに
第1部 盲点に突き当たる
第1章 火事
第2章 Uへの旅
第3章 学習と変化の四つの層
第4章 組織の複雑さ
第5章 社会の変容
第6章 哲学的見地
第7章 敷居
第2部 Uの領域に入る
第8章 ダウンローディング
第9章 観る
第10章 感じ取る
第11章 プレゼンシング
第12章 結晶化する
第13章 プロトタイピング
第14章 実践する
第3部 プレゼンシング
第15章 社会的な場の文法
第16章 個人の行動
第17章 会話の行動
第18章 組織の行動
第19章 グローバルな行動
第20章 現実創造の瞬間をとらえる
第21章 プレゼンシングの原則と実践
エピローグ Uスクール
原注
参考文献
用語解説
ISBN:9784862762474
出版社:英治出版
判型:A5
ページ数:592ページ
定価:3500円(本体)
2017年12月25日第1版第1刷
2021年06月05日第1版第3 -
Posted by ブクログ
「学習する組織」、「U理論」関係のファシリーテーション・グラフィック、グラフィック・レコーディングの本かな?と思い、なんとなく興味は持っていたのだが、なにせ字や絵を描くのが大の苦手で、ファシリーテーション・グラフィックなどなどは、必要なときは誰かに頼むことにしている。
そういうわけで、2年前にでていたものをようやく読んでみた。
ここでは、話をグラフィックにするのは、スクライビングといわれている。(これらの言葉の違いはわからない)
描くのが苦手なわたしには、かなり高度な話で、アートの世界だな〜と思いつつ、参考になるところも思った以上にあった。
つまり、学習する組織系のフレームワーク的なものを踏まえたものになっているので、自分で絵を描かない場合でも、対話の進行のしかたなどへのヒントがたくさんあった。
一方、最近の「学習する組織」系の話しは、ますますアート的、右脳的、身体的、神秘主義的になっているなという印象をもった。
左脳だけでなく、右脳、身体が統合されるということの重要性はわかるのだが、なんだか、自分がいわゆる「現実」世界でやっていることとの距離を感じてしまう。
U理論は面白いかなと思いつつも、だんだん縁が遠くなっている感覚があって、やはり自分のリアリティとは違う感じを再確認してしまったかな? -
Posted by ブクログ
ネタバレ中土井僚さんの「U理論入門」が刺さったので、提唱者オットー・シャーマー氏のこの本に手が伸びた。
しかしこんなに宗教、自己啓発、スピリチュアル、有機野菜信者の色を放っていたとは。。。一般的な日本人にっては、「オペラ風の映画」くらい違和感というか、拒否感を反射的に身にまとってしまうんですよね。これがまさに本書の第一段階「ダウンローディング」になるわけで、なかなか読み手を試してくる本です。
「7つの習慣」も何年も本棚で埃かぶっていたんですよね、同じ理由で。でも家族ができて、この概念を共有しようと一念発起して精読を重ねる度に新しい発見があり、さらにいつしか心の清涼剤的な落ち着きが得られるようになって、それがキリスト教徒の日曜日の牧師の説教の効用なんだなとわかってきました。
ということで、この本も何度も読み貸す本に加えようと思ってる。 -
Posted by ブクログ
第1版より、だいぶ薄くなった印象の第2版。
ページ数では、605ページが、585ページと20ページくらいの減少だが、紙質が変わったせいもあるのか、それ以上にコンパクトになった印象。
あと、30ページくらいの前書きが追加されているので、本文は、50ページほどコンパクトになったことになる。
コンパクトになったのは、第3部のプレゼンシングの部分。第1版を読んだときは、第2部まではなんとか読めるが、第3部になって、だんだん読むのが面倒になったことを思い出した。
ページ数が減ったからといって、内容が薄まるはずもないわけだが、なんだか、第1版に比べると、ずっとわかりやすくなった印象。
それは、第1版から10年を経て、表現がよりシンプルに洗練されたとか、実例が増えたということもあるのかもしれないが、この10年でU理論を踏まえた本やセミナーも増えたし、日本でも、こういうU理論的なことをまさに実践しているリーダーたちが沢山現れてきているということも、関係するのだと思う。
こんな具合で、久しぶりに読んでみて、以前、読んだときより、はるかにわかりやすく、頭に入ってくる。
一方、以前にはない微妙な違和感も感じつつあるかな。
なんだろうか、それは多分、現象学的な哲学的なスタンスと神秘主義、本質主義的なところかな?
「本当の自分」みたいな概念は、やはりなんだか落ち着かない気持ちになってしまうんだよね。
ナラティヴ・アプローチの本とか、ミシェル・フーコーなどを読むことを通じて「本当の自分」という概念への違和感をもってしまう自分の感覚がことさらに否定されるものでもないことがわかりホッとしているところだしね。
その辺が、整理できて、よかった。