ブッツァーティのレビュー一覧

  • 神を見た犬
    短編集だけど、印象に残る作品が多い。
    7階、戦艦(死)など、ありえない設定も
    寂寥感とともに読ませる。
  • 神を見た犬
    ブッツァーティは、『タタール人の砂漠』と『待っていたのは』を以前に読んだ。

    あまりにも『タタール人の砂漠』が名作で、ブッツァーティの深い思索の集積をみた気がした。

    『待っていたのは』は、河出書房新社から出ている短編集で、光文社から出ている本書と重複している短篇もいくつかある。

    本書はブッツァー...続きを読む
  • 神を見た犬
    いろんなアイディアがつまった、魅力的なSF短編集。表題作の『神を見た犬』と『戦艦《死》』が特に秀逸。

    ただ、オチがよく分からないものもままあったので星4つ。
  • 神を見た犬
    「七階」と「グランドホテルの廊下」は面白かった。そういう、何か得体の知れない力が働いてしらぬ間に身動きがとれなくなったり気づいたら運気が下がっていることってやはり世界中誰でも感じることはあるんだな。
  • 神を見た犬
    イタリア文学を読んだのってはじめてかもしれない。「コロンブレ」「アインシュタインとの約束」「聖人たち」「驕らぬ心」あたりが結構すき。「アインシュタインとの約束」は冒頭のプリンストンというところでわかる人はわかるんだろうなと思った。自分は検索したけど。「聖人たち」はちょっとかわいそうだけどほのぼのとし...続きを読む
  • 神を見た犬
    頭木弘樹さん「絶望読書」で、「絶望するときに読んではいけない本」として紹介されていた「七階」が収録されている短編集。

    シニカルともブラックユーモアともいえない、切なくてぞっとする幻想的なお話がたくさん。
    お目当ての「七階」は結末を知っていたけれど、それでもぞっとした。
    表題作「神...続きを読む
  • 神を見た犬
    イタリアの作家ブッツァーティの短編集。「タタール人の砂漠」が非常に良かったので読んだ。「タタール人の砂漠」ほどは揺さぶられなかった。

    幻想的な雰囲気が漂う作品が多い。時代設定が少し昔だったり、物語の舞台が田舎がだったりすることで、今自分がいる世界とは地続きのようだが実際に見たことはない世界のストー...続きを読む
  • 神を見た犬
    はじめの2作は軽快で、ピウミーニの『キスの運び屋』みたいだな、と思った。聖人が天から人の世界を見下ろして…という設定は、私はピウミーニで初めて読んだのだが、勿論ブッツァーティの方が古いので、ピウミーニが真似したのかもしれない。しかし、そもそもイタリア人は、こうしたことをしょっちゅう考えているのでは、...続きを読む
  • 神を見た犬
    20世紀のイタリア文学。幻想文学の鬼才、と称されているらしい。イタリア文学はイタロ・カルヴィーノしか知らなかったので、このブッツァーニさんは初体験の22篇。
    勝手に濃ゆいのを想像したが、星新一みたいな愉快な話も多く、読みやすかった。
    七階、聖人たち、驕らぬ心、マジシャン、この世の終わり、の5篇がお気...続きを読む
  • 神を見た犬
    レーヴィの短編に比べると全体的に若干シリアス。ツボにはまる作品があったり、毛嫌いしてしまいそうな作品があったり、というように、この 『神を見た犬』 の編集は統一性が欠けているように思える。関口英子訳はとても素敵だと思うけど、ロダーリのイメージが強くてどうかと思うし、短編集からいくつか作品を取り上げて...続きを読む