西田正規のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「人類史のなかの定住革命」読。
人類が何百万年も遊動生活していた理由の一つとして、グループ内での不和や緊張関係の解消の意味もあったという説は、なるほどと思った。
そして定住が始まって以来、現代の人類の緊張関係は解消される兆しすらないというのも、そのとおりだと思った。
定住が始まった理由として、気候変動などを上げているが、そのへんは頭に入らなかった。
最後の方で「安全保障の言語」 「仕事をする言語」というものを持ち出して、
「安全保障の言語」は天気の話や、近況報告、今度呑みに行こうなどの社交辞令でこれはどの民族も一緒で、猿が無駄に長時間毛づくろいしたりするのと同じことで、これを拒否すること -
Posted by ブクログ
定住によって装身具や土偶、文様などに能力を使うようになった。
農耕社会の特徴は、実は定住社会の特徴だった。
栽培は定住生活の結果であって、原因ではない。初期は漁業生活ではないか。漁獲高は狩猟に比べて安定的で豊富。
薪として木を借ることで、栗、クルミ、小麦、大麦が群生してきた。
広葉樹林を薪として利用すると、アカマツ二次林へと変化する。クリ、クルミ、ワラビ、フキ、ウド、ミツバ、タラノキなどの陽性植物は二次林に好んで生える。
水産資源の活用で定住集落が出現し、栽培化が進行した。その後水産資源が得られない場所で農耕化が促進された。
家族を形成することは、道具を持ち歩く人類が安全を保障するために -
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Posted by ブクログ
人類の歴史に置いて長く続いた遊動生活が有益なものと考える立場から、それが破たんしたために定住を始めたという発想の転換がおもしろい。農耕を行わずに定住する社会の多くが魚類資源に依存した生活を行っており、定置的な漁具を発達させている。魚類資源は陸上動物よりも生産量が大きく、年間を通した漁獲が期待できる。定置漁具は必要な労力が少なく、魚類の危険性も少ない。水産資源の利用が定住生活の出現に重要な役割を果たした。
・ヨーロッパでは、後氷期の森林拡大とともに遺跡が海岸部に集中する。
・氷期が終わり、中緯度地帯に森林が拡大し始めると、ユーラシア大陸の各地に定住集落が現れ、魚類資源の利用、ナッツの利用、食糧 -
Posted by ブクログ
「不快なものには近寄らない、危険であれば逃げていく。この単純極まる行動原理こそ、高い移動能力を発達させてきた動物の生きる基本戦略である」
「遊動生活とは、ゴミ、排泄物、不破、不安、不快、欠乏、病、寄生虫、退屈など悪しき者の一切から逃れさり、それらの蓄積を防ぐ生活のシステムである。移動する生活は、運搬能力以上のものを持つことが許されない。僅かな基本的な道具のほかは、住居も家具も、様々な道具も、移動の時に捨てられ、いわゆる富の蓄積とは無縁である。」
「一方、定住生活とは、これら一切を自らの世界に抱える生活システムである。この生活を維持するには、ゴミ捨て場を定め、便所を作るなどして環境汚染を防止