青島幸男のレビュー一覧

  • 人間万事塞翁が丙午
    再読
    丙午生まれの女性視点で昭和前期の一家族を描いた自伝的時代もの
    作者のキャラクタからとっても色眼鏡掛けられて見られる本作だが
    文句なしに良くできた傑作
    笑いも悲しみも昭和の匂いも狙いすまして描かれているのに
    一切隙がなくそれでいて照れもちゃんと感じさせる絶妙な塩梅
    主人公を含めて各キャラクタへの...続きを読む
  • 人間万事塞翁が丙午
    「青島幸男」の処女小説作で第85回直木三十五賞(1981年)受賞作品の『人間万事塞翁が丙午(にんげんばんじさいおうがひのえうま)』を読みました。

    「道尾秀介」作品の『向日葵の咲かない夏』読後… 良くできた作品だと感心しつつも、後味の悪さが残っていたので、心が癒される作品を読みたくなり、本書を選択し...続きを読む
  • 人間万事塞翁が丙午
    第85回(昭和56年上)直木賞受賞作。昭和初期、東京下町の弁当屋に嫁いだ女性とその家族の浮き沈みを描いた作品。落語を聞くようなテンポある文章で心地よく読み通せる。野暮なことを嫌い、強がり、とぼける、江戸っ子の言動が活き活きと描写されてあり楽しめる秀作。おすすめ。
  • 人間万事塞翁が丙午
    第85回直木賞。
    戦時中、青山家に嫁いできたハナの生涯。
    弁当屋を営む青山家で、夫が兵隊にとられたり、おじいちゃんが偏屈だったり、息子が悪ガキだったりする。まるでエッセイのような小説。登場する次男・幸二はきっと青島幸男本人じゃなかろうか。
    何かにつけて、周辺の人たちの言葉は粋でユーモアがあって、落語...続きを読む
  • 人間万事塞翁が丙午
    時代を家族と共に駆け抜けた話。
    人生楽あり苦がもっとたくさんありですね。
    戦中戦後の雰囲気が間近に感じられた
  • 人間万事塞翁が丙午
    中国の故事『人間(じんかん)万事塞翁が馬』をもじって、
    『丙午』生まれの『はな』を主人公にした戦中戦後の下町小話。

    『はな』と『おとうちゃん』の馴れ初めから、
    『おとうちゃん』の出征、おめかけさん問題、
    『おとうちゃん』の死まで、

    下町のにおいをぷんぷん漂わせながら、
    落語のような心地よいテンポ...続きを読む