青島幸男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「青島幸男」の処女小説作で第85回直木三十五賞(1981年)受賞作品の『人間万事塞翁が丙午(にんげんばんじさいおうがひのえうま)』を読みました。
「道尾秀介」作品の『向日葵の咲かない夏』読後… 良くできた作品だと感心しつつも、後味の悪さが残っていたので、心が癒される作品を読みたくなり、本書を選択しました。
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激動の時代をたくましく生きた庶民たちの哀歓を、いきいきと描き出した、笑いと感動の下町物語。
直木賞受賞。
呉服問屋が軒をつらねる東京・日本橋堀留町の仕出し弁当屋「弁菊」。
人情味豊かであけっぴろげ、良くも悪くもにぎやかな下町に、21歳で嫁 -
Posted by ブクログ
中国の故事『人間(じんかん)万事塞翁が馬』をもじって、
『丙午』生まれの『はな』を主人公にした戦中戦後の下町小話。
『はな』と『おとうちゃん』の馴れ初めから、
『おとうちゃん』の出征、おめかけさん問題、
『おとうちゃん』の死まで、
下町のにおいをぷんぷん漂わせながら、
落語のような心地よいテンポで話が進む。
さらっと読み飛ばすその中に、
芝居や落語の知識が満載されている(らしい)。
前半は『おとうちゃん』の一人称語りが無く、
ミステリアス『おとうちゃん』であった。
そのタッチで話が終了するかと思ったが、
後半からは良くしゃべるようになった。
その間に、
確実な分岐がある気がしますが