関満博のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こんな素晴らしい本と著者を、今まで知らなかったのは不覚であった。
(オビには、山形浩生氏絶賛、必読!一回じゃなくて、毎月読んで襟を正せ!とある)
産業組織論などの実践的な経済学をバックボーンとする著者は、国内各地と主に東アジアの海外のフィールドを活躍の場としている。地域の現状と課題について、エネルギッシュにインタビュー調査を行い、チームの総合力で地域にプラスフィードバックをもたらすような持続的関係をつくっていく。その方法論を、志を訴えるような熱気で一般読者に紹介した本。
・現場に受け入れられるには、何度も飲んで夜更かしして、同じ話であっても繰返し語り合うべきである。
・自分の研究成果の刈り -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
現場には常に「発見」がある!
国内五〇〇〇工場、海外一〇〇〇工場を踏査した“歩く経済学者”が、現場調査の勘どころを初めて明かす。
実際に行ったモンゴル二週間四〇社調査をケースに、海外調査のルートづくり、インタビューの要諦、調査結果のまとめ方など、その全プロセスを公開する。
調査が終わったらとにかく早く形にする、整理はしない、現場は刈り取るだけではなく育てるもの、等々、IT時代だからこそ心に染みる、超アナログ知的生産のすべて。
[ 目次 ]
序 なぜ現場なのか
1 「現場」調査の準備編
2 いざ、現地へ―モンゴル二週間調査
3 結果をまとめる
4 生産性を上げる法
5 フィールド -
Posted by ブクログ
日本の中小企業の承継問題に興味を持って購読。なかなかこの問題だけを掘り下げた本がなかったのもあるが、他の話題の部分も多く、自分の目的にはイマイチ敵わなかった。事例のカタログに終始しており、So what?という感じで考察も甘い気がする。
中小企業の三分の一が後継者不在で、その最大の障害は、家族が承継しない場合に、従業員などが引き継ごうと思っても、個人保証と買取資金が準備できないこと。であればM&Aなんじゃないか?と思ったが、リードしてきた社長自身に価値があって、その社長がいないなら買う価値がないこともままあるよう。
思っていたより悩ましいことが分かっただけでも良しとしよう。 -
Posted by ブクログ
「現場主義の人材育成法」より前に書かれた本。
あちらの本が、各地で企業誘致や産業育成に取り組む人々を熱く語っていたのに対し、こちらでは割と冷静に(笑)、著者の知的生産法を語る。
これも隣の人から借りた本なので、手元になくて細かいところは忘れてしまった。
ところで、この著者も、昔カードによる整理法を試みて、断念しています。
これまで、カード整理法を活用してバリバリやってますという人を聞いたことがないのだが、いったいなぜなんだろう。
あれは「知的生産の技術」(梅棹忠夫)という本が作りだした壮大なる幻想ではなかったのかしら。
儲かったのは京大式カードの会社だけだな。
私も大学時代、ちょっとだけ -
Posted by ブクログ
一橋大学経営学部教授の啓蒙書(?)。とにかく、現場へ行って、現場の人間と飲んで飲んで話して飲んで…という現場主義。泥臭い方法だけど、確かに説得力はある。そして、「研究」をしていく上で、すごく大事なことを言っていると思う。だけどね。これもまた極端だと思うんだよねー。今の若い研究者が、完全にこのやり方に心酔してしまうのも、危険ではないんだろうか。現場主義はもちろん大事で、それを忘れては研究は机上の空論で空虚なものなんだけど。「飲まなければはじまらない」みたいな、日本の居酒屋会議方式は、そろそろ改める時期なのではないかなー、と思う。飲まなきゃ話せない、っていう気弱なメンタリティーが、日本の組織の限界