スザンナ・キャハランのレビュー一覧

  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験
    なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験。スザンナ・キャハラン先生の著書。正気と狂気を見極めることができない精神科医。精神疾患である人とそうでない人を見極めることができない精神科医。もしそうであれば精神医学に意味はあるのと疑問に思う人がいても不思議ではない。でも狂気に苦しむ人がいて精神疾...続きを読む
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験
    ローゼンハンの偽精神患者の実験は広く知られている。しかし、そのニセ患者が自分と院生以外はいたかどうかわからない、という結論である。サイエンスに掲載された論文とともにこれを読むことがいいと思われる。ただし、400ページの本文のうち250ページは偽精神患者実験の説明であり、残り150ページがそのニセ患者...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    感動的で貴著な本である。

    著者、スザンナ・キャラハンは本にある病気になった時24歳。
    訳者のあとがきにあるように、本書の構成は、前半が著者の次第に悪化していく詳細な精神症状と、医師による相次ぐ誤診、診断が確定されない中どんどんと精神状態が悪くなっていくさまと困惑する周囲の記述は、ホラー小説を読むか...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    発表当時は珍しかった、自己免疫性疾患が突然発症した女性の、ご本人による回顧録。
    こうした書物を読むときは、

    ・日本とは異なる保険診療/自由診療混合医療の国で起きた事である。
    ・書かれている内容は、現在また異なる基準で判定されたり、価値が変わったりすることがある。

    の2点に気をつけながら読みます。...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    一気に読めるミステリーを超えた一冊。

    これがフィクションではないということも驚きだが、
    この病を乗り越えた彼女が
    偶然にも物書きであり、
    のちに情報を集めて本書にまとめられたことは奇跡のようなものだ。

    既存のミステリーに飽きた人にぜひおすすめしたい。
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験
    著者には脳炎を精神病と誤診された過去がある。危うく精神病棟に移送されかけたが、別の医師が脳炎を見抜き、事なきを得た。なぜ簡単に誤診が起きてしまうのか? 精神病とはいったい何なのか?  著者は自身の体験から、こう問い続けた。脳疾患と精神疾患の境目について調べていく内に、著者がたどり着いたのは「ローゼン...続きを読む
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験
    1973年に行われた精神病院潜入実験「ローゼンハン実験」の真相を探求した刺激的なノンフィクションでした。本文にもある「もし正気と狂気が存在するなら、違いはどこにあるのか?」が本書のテーマでしょうか。結末がやや曖昧でした。偽患者として精神病院に潜入する体験談が(真偽はともかく)スリリングでした。
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験
    めっっっちゃ読むのに時間がかかった。文章自体は凄い読みやすかったと思うんだけど、うーん…。
    内容は、二転三転していてスリリング。あらすじも覚えていなかったので、中盤以降の展開は実に面白かった。
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験
    原題は『The Great Pretender』、大詐欺師やなりすまし役者などといったニュアンスの意味を持つタイトルの本書。本書は、1973年に科学誌「サイエンス」に掲載され
    たアメリカ心理学者デイヴィッド・ローゼンハンの「狂気の場所の正気の存在」という論文を巡る一流のノンフィクションである。

    ...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    映画「エクソシスト」さなからの狂気の症状になる脳の炎症を患った筆者の体験とその病のリポート。
    すごい勢いで悪化する病、異常な症状、ひたすら信じサポートする家族とパートナー。
    巻末の謝辞で平凡だがと感謝の言葉です残した筆者の気持ちが痛々しいほど伝わる。
  • 脳に棲む魔物
    世界衝撃ストーリーといったようなTV番組で紹介されるようなタイトルですが、これはノンフィクションである上に、病気そのものから、そして病気による脳神経損傷からの快復をめざして闘いながら患者本人が書き上げた本です。語られる症状の重さを読み進めると、この事実だけでも驚くべきことでした。

    病にかかる前の日...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    (No.14-17)  ノンフィクションです。

    内容紹介を、表紙裏から転載します。
    『マンハッタンでひとり暮らしをする24歳の新聞記者スザンナが心身に変調をきたしたのは、ある朝突然のことだった。
    最初は虫に噛まれたものと高をくくっていたところ、徐々に左腕がしびれそれが左半身に広がっていった。
    同時...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    ちょっとおどろおどろしさを感じる表紙写真でホラー小説か何かを想像してしまいそうだが、脳を侵すタイプの自己免疫疾患にかかった、ニューヨークポストの記者である著者の闘病記である。

    著者が「映画『エクソシスト』の主人公の少女が私の症状とそっくり」と評しているのを読めばお分かりかと思うが、想像を絶するほど...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    ニューヨークポストの記者が自身の体験を書いた体験記です。
    著者は2009年に病気になるまでは、社交的で話し好きな有能な記者だった。しかし徐々に精神的におかしくなっていく。部屋にシラミがいるという確信が離れず、彼氏の部屋をあさったりし、徐々に仕事がうまく運ばなくなる。かかりつけ医や神経内科医へかかるが...続きを読む
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験
    読み進むうちにどんどん期待していた方向とは離れていったけれど、それはそれとしてたいへん興味深く読みました。
  • なりすまし――正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験
    これ、どこからチョイスしたのか分からん…。でも、興味深い内容だったからまあ良い。いかにも容疑者チックな表紙で、中身もそっち系かな、と思ったけど(なりすまし事件を起こした真犯人、みたいな)、違ってました。一義的には、精神科患者になりすまし、実際の入院生活を体験し、その暗部を告発する、というもの。ただ本...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
     悪魔にとりつかれる映画エクソシスト。実は類似の例が世界各地にあるそうです。ひきつけを起こす、手を奇妙な形に曲げる白目をむく、妄想にかられる・かと思うと正常に戻る。そしてこうした急激な変化と正常との間と行き交う。

     実は私の近しい人間(義弟の彼女)にこのような症状が出ました。物忘れが増え始め、ぼー...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    NMDA脳炎の闘病記。
    2005年に症候群として発表され、2007年にNMDA受容体に対する自己免疫がその原因として特定されたばかりの病気。著者が発症したのが2009年で、テラトーマもなかったことを考え合わせると、発症したのはともかくとして、その後の経過はかなり幸運なものだったといえるだろう。

    ...続きを読む
  • 脳に棲む魔物
    妄想に取り憑かれたスザンナが、紆余曲折を経て世界で217人目の難病と診断され、さらにそこから回復するまで。

    ノンフィクション。
    表紙とタイトルのインパクトの凄さで手に取ってみた。
    自己免疫性疾患というのは何とも厄介な…。
    医学が進んでエクソシストとか癲癇とか双極性障害とか思われていた症状が正しく診...続きを読む