萩耿介のレビュー一覧
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ネタバレなかなか不思議な、幻想的な一冊でした。
「智慧の書」を介して現在、18世紀フランスの革命、17世紀インドのムガル帝国とまるで3冊を同時読みしたかのような感じです。
本作の主人公は隆なんです。
その隆の兄はインドで消息を絶ち、そんな兄が残した「智慧の書」を手にしたところから不思議な世界が始まります。
当然、過去の時代には隆は登場しません。
難解だからこその「哲学」。
己が未熟故に、まるで歴史物語を読んだのかと錯覚さえしてしまう。
説明
内容紹介
18世紀フランスの革命、17世紀インドのムガル帝国――兄の遺品の中から見つけた一冊の本が導く、言葉と哲学の時空を超えた闘い。
内容(「 -
Posted by ブクログ
読書録「イモータル」3
著者 萩耿介
出版 中央公論新社
p20より引用
“ わからなかった。真剣に生きた人なら、
もう一度人生を求めるのではないか。前向き
な姿勢は変わらないはずだからだ。しかし、
すぐに気づいた。この世の悪意にさらされな
がらも真剣に生きた人は十分に疲れている。
長い戦いを終え、憔悴しきっている。だから
二度と人生を求めることはないのだと。”
目次より抜粋引用
“扉
言葉
予感
信頼
憧れ”
時代を越えて伝え続けられる伝承と、それ
を後世に残すために尽力した人々を描いた長
編小説。同社刊行作「不滅の書」改題・改稿
文庫版。
十五年以上前にインドで行方不明 -
Posted by ブクログ
萩耿介『イモータル』中公文庫。
この作品も以前から本屋で山積みになっていて非常に気になっていた。最近、近所の古本屋の百円文庫コーナーで発見し、購入。
現代と過去、宗教と哲学が交錯する難解混沌混迷の物語。確かにスケールは大きいが、小説として昇華し切れていない感じがした。つまりは面白くないということなのだが。学生時代に講義を受けたインド哲学を思い出す。
大手不動産会社に勤める滝川隆は嫌な雰囲気の職場に鬱屈とした日々を過ごしていた。隆の高校時代にインドで消息を経った兄が残した『智慧の書』が持つ不思議な力に導かれ、隆は兄の姿を求めてインドへと向かう。自分は一体何者なのか……
現代よりも、過去の -
Posted by ブクログ
帯に惹かれて手に取ってみました。
う~ん。人生を変えた一冊、とか大仰な帯でしたが私の人生はさほど影響を受けなかった感じ。読む時期とかタイミングもありますしね。
前世とか転生を言いだす人って大体歴史に名を残した人や、身分の髙い人の生まれ変わりだ、みたいな事を言うなぁと友人が言っていたのをふと思いだしました。確かに。名も無い庶民の方が相対的に数は多いはずなんですけれどもねぇ。
そう言う意味では智慧の書?に感銘を受けた「俺たち」「私たち」が著書に携わった彼らの意志を継いだ後継者と書かれてたらちょっとは違う感想だったかもしれないけれども。
個人的にはあまり合わなかったかな、という感想です。