萩耿介のレビュー一覧 食われる国 30年後には本当にこんな未来が待っているような気がして、ただただ滅入ってしまう。 リアリティに溢れ、筆力もあり、読み応えは充分なのに、☆を4つ・5つ付ける気にならないのは、主人公と同じ精一杯の悪あがきであり、結局は無駄な抵抗に過ぎないのかもしれない。 Posted by ブクログ イモータル なかなか不思議な、幻想的な一冊でした。 「智慧の書」を介して現在、18世紀フランスの革命、17世紀インドのムガル帝国とまるで3冊を同時読みしたかのような感じです。 本作の主人公は隆なんです。 その隆の兄はインドで消息を絶ち、そんな兄が残した「智慧の書」を手にしたところから不思議な世界が始まりま...続きを読むす。 当然、過去の時代には隆は登場しません。 難解だからこその「哲学」。 己が未熟故に、まるで歴史物語を読んだのかと錯覚さえしてしまう。 説明 内容紹介 18世紀フランスの革命、17世紀インドのムガル帝国――兄の遺品の中から見つけた一冊の本が導く、言葉と哲学の時空を超えた闘い。 内容(「BOOK」データベースより) インドで消息を絶った兄が残した「智慧の書」。不思議な力を放つその書に導かれ、隆は自らもインドへと旅立った…。ウパニシャッドからショーペンハウアー、そして現代へ。ムガル帝国の皇子や革命期フランスの学者が時空を超えて結実させた哲学の神髄に迫る、壮大な物語。『不滅の書』を改題。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 萩/耿介 1962年東京生まれ。早稲田大学第一文学部ドイツ文学科卒。2008年『松林図屏風』で第二回日経小説大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) Posted by ブクログ イモータル 読書録「イモータル」3 著者 萩耿介 出版 中央公論新社 p20より引用 “ わからなかった。真剣に生きた人なら、 もう一度人生を求めるのではないか。前向き な姿勢は変わらないはずだからだ。しかし、 すぐに気づいた。この世の悪意にさらされな がらも真剣に生きた人は十分に疲れている。 長い戦いを終...続きを読むえ、憔悴しきっている。だから 二度と人生を求めることはないのだと。” 目次より抜粋引用 “扉 言葉 予感 信頼 憧れ” 時代を越えて伝え続けられる伝承と、それ を後世に残すために尽力した人々を描いた長 編小説。同社刊行作「不滅の書」改題・改稿 文庫版。 十五年以上前にインドで行方不明となった 兄の足跡を追い、インドに入国した隆。兄は 何を考え消息を絶ったのか、自身の悩み苦し みとも混じり合った感情と共に、答えを探し て動く…。 上記の引用は、主人公・隆の兄が残した「智 慧の書」の中の、赤線が引いてある場所につ いての一節。“「思慮深く誠実な人は、その 生涯の終わりに際して自分の人生をもう一度 繰り返したいとは決して望まないだろう」” という部分に引いてあったとのこと。やり直 したい繰り返したいと、最後の時に思わずに いられるように、精一杯日々を過ごしたいも のです。 主人公は一応現代人の隆なのでしょうか、 「智慧の書」を現代まで繋げてきた人たちに ついての描写が多いので、主人公と言ってい いかわかりません。 時間も場所もあちこちに飛ぶので、読みにく く思われます。かといって、時系列順に並ん でいたら、それはそれで面白くないのでしょ うね。 この作品を本当に楽しむには、わたしの知 識は足りていないように思います。歴史・哲 学に造詣が深い人が読まれれば、もっと評価 の高い作品ではないでしょうか。 ーーーーー Posted by ブクログ イモータル 「智慧の書」を巡る歴史ロマン。 って感じでまとめたいところだけれど、ま、大半はそうなんだけど、現代を舞台としたパートがちょっとした幻想小説の味わいを出していて、奇妙な感じの本ですね。(^^; 過去パートの方が幻想を(あまり)含まないっていうところが、工夫でしょうか。 現代パートの幻想部分も、過...続きを読む去パートから想像するのとはちょっと違った方向性で、意外な感じが良かったです。 何か解決したような解決していないような読後感もこの本については好印象。 Posted by ブクログ イモータル 宗教 哲学 歴史 主人公の男性がインドで亡くなった兄の謎を探る旅にでる。そして残された『智慧の書』をめぐり、執筆したムガル帝国の皇子のストーリー、フランス革命の時期に翻訳をした学者のストーリーの構成になっています。 現在ではなく過去の話の方がボリュームがあります。 私には難しく全てを理解した訳で...続きを読むはないが、宗教や哲学、歴史に触れられて神秘的な気持ちになりました。 Posted by ブクログ イモータル 僕には明確に理解できる本ではないが、 なんとなく神聖な何かに触れたような気がするような読後感です。 これは史実に基づいて書かれているのだろうか? そういう教養もあればより面白いのかもしれない。 私自身最近は神聖に対して憧れる年齢になってきました。 この本を楽しめた人には、 ジャンルはオカルト寄りにな...続きを読むりますが、 田口ランディの「コンセント」おすすめです。 Posted by ブクログ イモータル 古代インドの思想が現代までどのように語り継がれてきたか、その歴史に知ることができた。インドの歴史について詳しく知りたくなった。 Posted by ブクログ イモータル ヒンドゥー教の聖典「ウパニシャッド」とその翻訳本「智慧の書」をめぐる、不思議な因縁の物語。ロマンがあって、惹き込まれた。 Posted by ブクログ イモータル 「智慧の書」を巡る壮大なドラマ。現代、18世紀のフランス、17世紀のムガール帝国。ウパニシャッドの原理を伝えようとする意志が現代に繋がる。 Posted by ブクログ イモータル NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 1万円選書のいわた書店 でオススメされていた本。 萩耿介さんも初めまして、の作家さんです。 3つの時期、場所も違うそれぞれの話に『智慧の書』が出てきて 歴史ものも哲学も苦手なのですが、 どこかでつながるのかな~?と思いながら… オススメだし… と頑張ってみた...続きを読むのですが…ピタリと3つのストーリーが繋がるのかなと思いながら… よくわかりませんでした。 Posted by ブクログ イモータル 帯に惹かれて手に取ってみました。 う~ん。人生を変えた一冊、とか大仰な帯でしたが私の人生はさほど影響を受けなかった感じ。読む時期とかタイミングもありますしね。 前世とか転生を言いだす人って大体歴史に名を残した人や、身分の髙い人の生まれ変わりだ、みたいな事を言うなぁと友人が言っていたのをふと思いだし...続きを読むました。確かに。名も無い庶民の方が相対的に数は多いはずなんですけれどもねぇ。 そう言う意味では智慧の書?に感銘を受けた「俺たち」「私たち」が著書に携わった彼らの意志を継いだ後継者と書かれてたらちょっとは違う感想だったかもしれないけれども。 個人的にはあまり合わなかったかな、という感想です。 Posted by ブクログ イモータル 夫がジャケ借りしてきました。 確かにこの表紙、ちょっと惹かれる。 がしかし…表紙から想像されるアドベンチャーなお話ではなく、予想外の哲学の入門的本でした。。 サンスクリット語で書かれたヒンドゥー教の根本聖典であるウパニシャッド。古代インドの思想書と言われています。それをシコーというムガル帝...続きを読む国の皇子がペルシャ語に翻訳させ、それがヨーロッパに伝えられ、今度はデュペロンというフランスの学者がラテン語に翻訳します。これをドイツの哲学者ショーペンハウアーが読んで感動し代表作、意思と表象としての世界、を完成させます。これが現在世界中で翻訳され、今なお読み継がれています。。。 という筋書きを現代・フランス革命前後・ムガル帝国の時代、と場所も時代もバラバラながら、それぞれの時代に智慧の書に魅せられた人々のエピソードを断片的に盛り込んだ構成になっていて、章ごとのお話はそれなりに楽しめたのですが、じゃあ全体を通してみると・・・よく理解できない部分が多かったです。 時代を超えて思想が受け継がれてゆく過程はみえたし、コトバは武力に勝るということも理解出来ましたが、肝心の智慧の書の思想の中身にはあまり触れられておらず、消化不良で肩透かしな印象でした。 哲学が分からなすぎで私の読みが浅すぎてしまいこんな感想しか持てなかったのかもしれませんが… 読み易いけど理解出来ない、私にとっては変な本でした。 Posted by ブクログ <<<12・・・・・・・・>>>