田中浩也のレビュー一覧
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現役SFC教員と卒業生による、SFCの入試をめぐる議論。入試だけでなく大学の在り方も議論されている。やはり大学は入試なのだ。1990年の開学以来、AO入試などの斬新な取り組みを先行させてきたキャンパスだし、社会のリーダーを数多く輩出してきた実績は言うまでもないが、30年を経て、新たなフェーズに移行しなければならないという意思を感じる(これは、中に居ても感じる)。普通の組織であれば、眉間に皺を寄せて真剣な議論を行うテーマだろうが、この本では「高校の先生を推薦人にし、生徒の入学後の実績に応じて、推薦枠を変動させる」とか「はみ出す人を取るために、これまで逮捕されなかったギリギリのことをアピールさせる
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文字と絵のデータのやりとりをする情報時代に「物質データ」を受けることで、3Dプリンターで「もの」が出力できる。ものが、データだけで移動できる。
音楽や映画もデータで受け取り再生できる。ものが、データで再生できるのも不思議ではない。
3Dプリンターが、3Dプリンターの部品を作る。それができるならば、3Dプリンターが自己増殖することになる。自分自身で複製する。
デジタル革命1.0は、半導体とコンピュータによる計算。
デジタル革命2.0は、スマホとインターネットによる双方向の通信。
デジタル革命3.0は、新材料と3Dプリンターによるものつくり。
工作機械などにコンピュータがついたのが、コンピュー -
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3Dプリンタで色々やってみたいことがあり、ただそれだけの理由で本書を手に入れたところ、あまりに内容が深すぎるのと、著者の考えや「ものづくり」への深い想いに強く共感してしまい3Dプリンタどころでなくなってしまった。
本書で語られているのは「思想としての3Dプリンタ」であり「ものづくりを通して見る社会」である。単なる「3Dプリンタでなにがつくれるのか?」という問いかけが、じつは形而上的な性質を含んでおり、それらとても深い返答を試みているように思える。
事実、本書によると3Dプリンタがつくるのは「新しい社会」であり、「新しいコミュニティー」である。そして、それらは「新しい生産体制」から生み出され -
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第1章 SFとFAB 空想から現実へ
モノの代わりとなるデータの流通。モノの送受信をする3DFAX。物質データのやりとり。空間伝送、遠隔転送。
ソーシャルファブリケーション。オープンソースハードウェア。バージョンアップされる3Dプリンタの部品データ。RepRap。
1個からでもつくれる、複雑なものを出力するだけ、データは距離を超える。
自発的な人々が社会的に連携することで進行していくプロセスに意味がある。ネットワークxものづくり。
第2章 メディアとFAB 情報から物質へ
デジタル工作機械=創造や発想を刺激する発明ツール。
情報の見える化から触れる化へ。
第3章 パソコンとFAB つかうからつ -
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ある意味SFを実現していると言っていいと思った。FABに関する成書。オライリー系以外で、しかも新書ということで即入手。一気読み。
3Dプリンタの課題の1つである、印刷速度の遅さについてはそのうちなんとかなるんであろうか?とか思いつつも、欲しくてしょうがない。近所にはFAB工房はないが、木工工房はあるので、その辺からデビューしていけたらと画策開始。何かしらないが久々のワクワク感に駆られている。デジタル化しているだけで、やってることは子供時代の秘密基地ごっこ+αみたいなところが多々あるが、それもまた良しか?!
小型の旋盤とかフライス盤をつくろうという動きもぜったいあるはずなので、色々調べてい -
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ネタバレ「3Dプリンタの想像力」と副題にある通り、本書は、3Dプリンタに
象徴される新しいものづくりのツール(デジタル・ファブリケータ
と総称されます)が、どのような可能性を持つのかを考察するもの
です。
著者の田中さんの活躍もあり、昨今、何かと話題になるデジタル・
ファブリケータですが、その本当の意味は必ずしも理解されていま
せん。かく言う井上も、本書を読むまで、正直、「よくわからない
もの」でした。しかし、本書により、デジタル・ファブリケータが
持つ社会的意義や人間の精神に与え得る影響について、ようやく理
解できたように思います。
デジタル・ファブリケータにより、一体、何が可能になるのか。大
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注目の次世代工学者が、3Dプリンタが開く新たな「モノづくり」の現状と未来を描いている。
書名の「SF」はScience FictionではなくSocial FABの略であり、FABとは、'@Fabrication(ファブリケーション/製造)、'AFabulous(愉しい、喜びの)、'BFabric(異質なものを編む)を重ねたワードだという。
アナログ世代の文系キャリアの私にとって、最近生まれて日々目覚ましく進歩するこのフィールドにおける著者の思考・発想には分りにくい部分も多かったが、主旨は概ね以下のようなものである。
◆従来の情報技術の進歩は、フィジカル/マテリア -
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3Dプリンタは正しく理解されているか? 僕も多分理解しきっていないし、オールドメディアの取り上げ方もしかり。本書はそれらを打ち破る「想像力」を与えてくれる。とはいえ、ここに書いてあることで満足したら想像力はストップしてしまう。ピアノで何が弾ける? という問いと同じぐらい、3Dプリンタで何が出来る? という問いはどうでもよい問いだ。
何が出来るかではなく、何をもたらすのか。自分の身体も物質で出来ている、情報が物質に転写されて作られている、と考えると3Dプリンタの意味はますます深まってくる。3Dプリンタを手に入れたら、まず3Dプリンタ自身の保守部品を作ってみる。アップグレードも可能である。自分だ -
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3Dプリンタは、扉である。
デジタルとフィジカルの境界線を
行き来できるようになることが大切。
→・雇用など、社会に与える影響はどうなるのか。
・SFが、ヒントとなる一方で、
足かせになることはあるのか。
・軍事利用というか、平和、世界情勢への影響はどうか。
・今までのものづくりを再定義、再構築するという試みが
必要なのではないか。
(本文から)
・ものをつくりながら、コミュニティもつくる。
→ソーシャル×オートノミック
→内向から、外転へ。外にでるsocial。
・情報から物質への変換装置。
細胞でいうところの、リボソーム。
・従来の名前(ことば)では言い表せ -
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ネタバレ書名『SFを実現する』に対して副題が「3Dプリンタの想像力」とあって、最近はやりの3Dプリンタを持ち上げた本かな、でもこれでSFの実現って持ち上げすぎじゃない、と思いながら手に取ったが、持ち上げてさらに違う視座を与えてくれる本だった。ちなみにSFはScienceFictionではなく、SocialFablicationの略だとか。
3Dプリンタ。非常に興味はあるのだが、最近話題になってる安価なものというと、モデラの様なホビー向け小型工作機械、というイメージでしかなかった。または町工場の復権がかかるラピッド・プロトタイピングのためのもの。ところが本書は、インターネットの様に人々の生活のパラダイ -
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Sicence Fictionの世界を3Dプリンタで実現するとおもいきや、Social Fabricationのことだった。
言葉遊びが過ぎるように感じる箇所が多々あるが、それらは全て著者が3Dプリンタを単なる立体造形装置としてとらえているのではなく、もっと世界が広がる可能性を秘めていることに他ならないということが次第に分かってきた。
確かに”ものづくり”がつながると考え方が変わるかも知れない。しかし、個人ではなかなか持てない3Dプリンタなどの装置を共有する共同工房は都市型の発想の様にも感じる。
デジタル・デバイドがフィジカルの世界にも広がらない様な仕掛けも考えてみたら面白いかもしれない。 -
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3Dプリンタのありようについて、
学生の頃にたくさん読んだ科学新書を思い出しながら(たしかブルーバックスっていうシリーズがあったような気がしますが)、3Dプリンタの現在のありよう、また、これからのありようについて教えていただきました。気になるところに付けた小さい付箋が7枚になっています。
?その機械自身で、その機械を修復し、部分的に改良していくことができる!
?ファブリケーション=こしらえる
?デジタル革命1半導体とパソコンによる「計算」
デジタル革命2携帯とインターネットによる「通信」
デジタル革命3新材料とパーソナルファブリケータによる「製造」
?野菜や果物の表面の凹凸、すなわち3次