岩田靖夫のレビュー一覧
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魂は不死である。一見非常識なこの命題を鋭く論理的に証明してくれた。彼らの対話の中に、日頃見逃しがちな思想が多いな影響を与えてくれるのもパイドンの魅力の一つであると思う。Posted by ブクログ
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ソクラテスがその刑死(毒人参の汁を飲む)の間際に、彼の死を哀しむ人たちの前で対話をした内容。
正しい、あるいはあるべき生とは、魂を徳によって磨くことにあり(人生はそれ自身が終着や唯一のものではなく、過程なのだという認識)、それは肉体の死によって妨げられないという考え方――ゆえにソクラテスは死を恐れず...続きを読むPosted by ブクログ -
ソクラテスの死のかたち。
魂の不死を証明し、
平穏なこころで肉体の死を受け入れ、
生物的生命停止のときをむかえる。
ソクラテスの死をクライマックスとした、気品漂う哲学的叙事詩―。単に哲学書というよりも、このほうがふさわしく思う。
「ソクラテスの弁明」
や
「クリトン」
に続けて読むと、
文学的な...続きを読むPosted by ブクログ -
正直難しいです。考えながら読み進めないと、スッと頭に入らないこともあります。その反面、簡単な例えがあるので、そこはわかりやすいとも感じました。
人間の生と死。そこにある魂。魂は不滅なのかどうなのか。人が死んだら魂はどこへ行くのか。哲学を対話の中で紐解いていくのが、面白かったです。
自己の生を全う...続きを読むPosted by ブクログ -
死の当日のソクラテスと弟子たちの議論、という構成
ソクラテスが死を喜んで迎えたのは、哲学者として、肉体から離れて真に学を愛することができると考えたから。
「浄化(カタルシス)とは、……魂を肉体からできるだけ切り離すこと」(37頁)
イデア論の部分は、プラトンがソクラテスの思想を自分の理論に基づ...続きを読むPosted by ブクログ -
哲学は死ぬための練習。なんと。
魂の不死とイデア論について。エロス論の対比としては、なかなか暗いようでいて、こういうソクラテス像が好きなひともいるようだ。Posted by ブクログ -
肉体を不要とし、思考を重視するこのソクラテスはレンズマンのアリシア人を思い出させた。竪琴とか上衣から持ち主を想うのはフェチズムで、誰もが生まれつき持つイデアを想起するのは集合的無意識か。仮説演繹法によりロゴスを基礎に置くのはデカルトの自我に当たり大陸合理論はプラトン哲学の継承なのだろう。
美そのもの...続きを読むPosted by ブクログ -
【2011年_3冊目】
哲学演習の教科書だった.
論理的に考える,論理的に説明する.
今まで私の中にない世界を見ました.
そうは言うけど,やっぱりソクラテスが死んじゃうのは寂しいよ.Posted by ブクログ -
ソクラテスが、刑死の直前に周りの弟子たちと語ったという設定で書かれた、「魂の不死」についての対談。なぜ、ソクラテスが「悪法も法なり」と言って、毒杯をあおることに少しもためらいがなかったのか、これを読むととても腑におちる。
この、現世での「生」以上に、自分自身の思想に殉じる姿は、吉田松陰を連想させた。...続きを読むPosted by ブクログ -
授業で扱わなかったら一生読まなかっただろう思う本。
人間の魂ははどこからきてどこへ向かうのか。
人間はずっとこのことについて頭を悩ませ続けるんだろうな。。。Posted by ブクログ