渡辺照宏のレビュー一覧
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ネタバレ釈迦が仏陀となる前のボーディサッタ(菩薩)だったころの説話、ジャータカから、子供向けに30のエピソードを選んで訳出したもの。この岩波少年文庫版は、英訳版を和訳したものを下訳として使用し、それをパーリ語の原文と対照してまとめている。
ジャータカはインドでも一番古い形を伝える説話集であることが知られ、紀元1世紀には大体今の形になったらしく、イソップ物語やアラビアンナイトにも影響を与えているとか。
半分以上の話はボーディサッタが主人公。いろんな生き物間で転生を繰り返すインドらしく、毎度違う動物として生まれ、毎度知恵と体格が図抜けた存在として、群れを率いるリーダーとして登場する。ただ、あくまで自然界に -
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ネタバレインドの民話って子供時代にそれと知って読んだことがないように思うんですよね。 どちらかというと、それをベースにした仏教説話(今昔物語とか)という形で似たようなお話を読んだような記憶はあるし、奈良は法隆寺の玉虫厨子に描かれた「飢えたトラに我が身を捧げるお釈迦様」の図象で見たことはあるものの、それらの馴染みある物語のいくつかが「ジャータカ」を出典としていることは今回の読書で初めて知りました。
この本にはおしゃか様の前世の姿、つまりは「菩薩(ボーディサッタ); 後にブッダになる人(生き物)」の物語が30編集められています。 仏教の世界では輪廻転生、要するに生まれ変わるという概念が生きているわけ -
Posted by ブクログ
中国で言えば東周(戦国時代)の頃に生まれたシャーキャ族ゴータマ氏のシッダールタ(釈尊)が、仏教の実質的始祖となる前より、ブッダと呼ばれる者(過去仏)は存在していた。仏教は釈尊の教えだけでなく、博くその過去仏をもその教理の中に含み、更に広大な地域に拡散したことで、複雑に枝分かれし多数の宗派を生んだ。
そんな複雑な宗教を薄い新書に全部詰め込もうとするから一つ一つの内容がペラペラになり、ほとんど用語の解説におわっている。序盤の仏教研究史のくだりや、釈尊の弟子のくだりなどは箇条書きを無理やり文章にしたような内容でしかも長い。そのため全体的に教科書のような体裁で、正直書籍全体としては面白くはない。