久保田香里のレビュー一覧

  • 氷石
    過去の恨み辛みを力にして生き抜く千広と、現在をめいっぱい感じきる宿奈。
    心地よい時も、命が消えそうなときも、宿命にあらがわず身を委ねる宿奈がとても印象的でした。
    そんな宿奈に出会って、千広も世界の見方が変わってきます。
    とっても素敵なお話でした。二人には末永く幸せでいてほしいです。
  • きつねの橋 巻の二 うたう鬼
    『きつねの橋』の続編が読めるなんて嬉しい。
    平貞道を中心に、平季武、公友、白きつね・葉月のオリジナルメンバーに渡辺綱が加わり、物語にますます深みが出てきて前回以上に面白かった。

    弱みにつけこまれ鬼に取り憑かれてしまった季武。
    季武を助けようと力を合わせて鬼に挑むみんなのチームワークが良かった。
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  • きつねの橋 巻の二 うたう鬼

    渡辺綱、登場

    渡辺綱だ!いつも屈託のない感じで描かれる人の気がするけど、同僚から見るとこんななのかな。これから打ち解けていくのだろうけど。狐の葉月が姫と再会できるといいな。鬼が邪悪というだけでないのが良いです。倫理姫も登場しましたね。平安時代の日常が伝わってくるお話です。
  • きつねの橋
    久保田さんの作品は『駅鈴』『氷石』『もえぎ草子』と読んだけど、これが一番いいのでは?と思った。
    私が読んだ中では唯一ファンタジー要素のある作品だが、それが久保田さんの中世をリアルに描く力、誠実な物語運びとうまい具合にミックスされてる感じ。
    頼光四天王の一人平貞道が、頼光の郞等となるところから話は始ま...続きを読む
  • きつねの橋 巻の二 うたう鬼
    渡辺綱が出てきて、これで頼光四天王の三人が揃った。坂田金時が出てくる三作目があるかな?
    綱が郎等となり、貞道と季武はライバル心を煽られる。弓に自信のあった季武は綱に的当てで負けて以来、嫉妬にかられる。そんな心につけ入られ、行き場を失くした鬼を宿してしまう。
    綱は鬼を退治しようと、貞道は追い出そうと躍...続きを読む
  • 氷石
    久保田香里さんは、いつも難しい(資料があまりなさそうな)時代を舞台に子ども向けの小説を書く人だが、これも天然痘のエピメディックが起こっている天平九年(737年)の平城京を舞台にしている。
    父は遣唐使となって唐に行ったまま戻らず、母を天然痘で亡くした少年千広が、生き抜く姿を描く。
    コロナの流行で疫病を...続きを読む
  • きつねの橋
    平安時代の京の都。源頼光の郎党、平貞道は手柄をたてたいと思っていた。勇ましいがどこかやさしい貞道は、人を化かすきつねを捕まえたものの、いじめられているのを見過ごせず、逃がしてやった。その白きつね葉月と特別なつながりができた貞道は、互いに助け合うようになる。
    京都を舞台に、貞道ときつねの活躍を描く物語...続きを読む
  • きつねの橋
    平安時代の郎党の様子が丁寧に描かれていて、それでいて今時の雰囲気もあり、読みやすい。
    きつねを「悪いもの」としない、別れで終わりにしない。
    強く主張するわけではないが、自分に真っ直ぐな貞道のキャラクターと優しいラストが新しい。
  • 氷石
    55点。期待はずれ。可もなく不可もなく。
    これ読むなら「鬼の橋」とか「えんの松原」とか読んだほうがよっぽどおもしろいし、歴史に興味がわくと思う。
    スイーツ寄りの子なら荻原規子のシリーズとか。
    (気は乗らないがつづきはまた今度)
  • 氷石
    平城京の都、遣唐使船に乗り込んだ父の影を払えず
    ささくれた心のまま一人生きようとする少年。
    やがて周囲の人々によって再び夢を取り戻す…

    遷都1200年の奈良の都にふさわしく、
    施薬院や光明皇后も登場。

    一気に読める一冊。
  • 氷石
    どうしても「水底の棺」と比べてしまう(一昨日狭山池博物館に行ってきたせいもあるかも)し、
    そちらに軍配を上げてしまう。
    「水底…」のほうが、主人公の境遇や、物語の起伏に、より深みを感じる。
    しかし、解説にもあったように木簡を扱った歴史小説という点では面白い。
    また、表現の面白さを感じたところは、時代...続きを読む