久保田香里のレビュー一覧
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ネタバレ『きつねの橋』の続編が読めるなんて嬉しい。
平貞道を中心に、平季武、公友、白きつね・葉月のオリジナルメンバーに渡辺綱が加わり、物語にますます深みが出てきて前回以上に面白かった。
弱みにつけこまれ鬼に取り憑かれてしまった季武。
季武を助けようと力を合わせて鬼に挑むみんなのチームワークが良かった。
実際の伝説『鬼の腕』をモチーフにしているため、ファンタジー要素にも説得力があり、読んでいてハラハラ。読み応えがある。
古木の桜の花びらや紅葉の葉が優雅に舞う様子も映像が浮かぶ位素敵で、児童向けにしておくのは勿体ない。ぜひ大人用の小説にしてほしい。
巻のニ、ということはこの後三、四と続くのかな。
更なる -
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渡辺綱、登場
渡辺綱だ!いつも屈託のない感じで描かれる人の気がするけど、同僚から見るとこんななのかな。これから打ち解けていくのだろうけど。狐の葉月が姫と再会できるといいな。鬼が邪悪というだけでないのが良いです。倫理姫も登場しましたね。平安時代の日常が伝わってくるお話です。
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久保田さんの作品は『駅鈴』『氷石』『もえぎ草子』と読んだけど、これが一番いいのでは?と思った。
私が読んだ中では唯一ファンタジー要素のある作品だが、それが久保田さんの中世をリアルに描く力、誠実な物語運びとうまい具合にミックスされてる感じ。
頼光四天王の一人平貞道が、頼光の郞等となるところから話は始まる。妖狐葉月を助けてやったことが縁で、貞道と葉月はピンチの時にお互い助け合う約束を交わす。
葉月は、賀茂神社の斎院である幼い尊子姫の女房をしており、斎院は葉月が狐であることを知った上で姉のように慕い、頼っている。幼くして母と別れ、実家に戻ることもままならない斎院を愛しく不憫に思う葉月は、何としても彼 -
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渡辺綱が出てきて、これで頼光四天王の三人が揃った。坂田金時が出てくる三作目があるかな?
綱が郎等となり、貞道と季武はライバル心を煽られる。弓に自信のあった季武は綱に的当てで負けて以来、嫉妬にかられる。そんな心につけ入られ、行き場を失くした鬼を宿してしまう。
綱は鬼を退治しようと、貞道は追い出そうと躍起になる。
そこに前作同様、妖狐葉月、盗賊袴垂、五の君(幼い頃の藤原道長)が絡む。
鬼が悪の存在ではなく、よりしろを失くした悲しい存在として描いたところが良い。歌舞伎などで有名な「鬼の腕」とはずいぶんと雰囲気が違う。
五の君が好きになった、胆の据わった姫の名前が最後に明かされ、やっぱりな、ふふふ、と -
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久保田香里さんは、いつも難しい(資料があまりなさそうな)時代を舞台に子ども向けの小説を書く人だが、これも天然痘のエピメディックが起こっている天平九年(737年)の平城京を舞台にしている。
父は遣唐使となって唐に行ったまま戻らず、母を天然痘で亡くした少年千広が、生き抜く姿を描く。
コロナの流行で疫病を描いた小説が注目されたんだから、これもそうなればいいのに。
虐待されながら藤原家で働く少女宿奈との交流は、傷ついた心を持つもの同士が惹かれ合う切なさに胸が熱くなる。
今のような医療もなく、もちろんワクチンなどもなかった時代、それでも生き延びた人々がいたからこそ、今の私たちがあるのだ。
遣唐使とか平城