アラン・ワイズマンのレビュー一覧
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前作で人類が消滅した世界はどうなるかを解明しようとした筆者による、人類が存続できる世界を維持するにはどうしたらいいか? が主題になった著書。
最重要に位置付けられているのは人口問題。
20世紀初頭には15億程度だった世界の人口は、100年と少ししか経過していない現在では70億。このままの増加傾向が続けばあと半世紀で世界の人口は100億を越えると予測されている。
そうなった場合どうなるかは実際のところわからないんだけど、暗い見通しのほうがまあガチ。
とはいえ、統計だけを見てああだこうだ言うよりも、実際に世界中の社会の中でどういうことが起こっているかミクロ視点で丹念に洞察しながら疑問の答えを追 -
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本書の日本語版でアラン・ワイズマンは日本を訪問した21カ国の中で特に重要な国として取り上げている。先進国で初めての人口減に苦しみ、そしておそらく最初に少ない人口への移行を完成させる国だからだろう。ちなみに人口構成は20〜25年後に逆ピラミッドになり50年後には8千万人台にまで減る。多少の子育て支援では全く追いつかず、移民を受け入れるとしても1千万人単位が必要なのでこれも恐らく無理だろう。どうやってソフトランディングさせるかを考えるしかない。人口減には良い側面もあり例えばエネルギー需要は今の6割ほどに落ちる。脱原発はおそらく時間とともに問題なく進む。一方でインフラの維持は大問題になるはずだ。ここ
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1992年の地球サミット、国連環境開発会議では「気候変動枠組条約」「生物多様性条約」やアジェンダ21など持続可能性に関わる5つの重要な合意がなされた。しかし、例えばアジェンダ21では「人口動態と持続可能性」に1章を裂きながらも実施手段としては有効な方法あるいは言葉が協定案から削除されている。それが「家族計画」と「産児制限」だ。
I=PAT(インパクト=人口x豊かさxテクノロジー)は生態学の規範となる式だが大事な点はこの式は時間とともに足し合わされるということだ。ビル・ゲイツの様な楽観派は持続可能性はイノベーションが解決する、またイノベーションで解決するしかないという。Tの値を小さくすれば人口 -
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滅亡へのカウントダウン/アラン・ワイズマン著(鬼澤忍訳)
自分にとって解決できないほどの大きな規模のイシューは初めから考えないとする人も多いと思う。人口爆発の問題はそのもっともたる例であろう。しかしながらこの問題はいつまでも私たちが目をつぶっているだけでは解決できないものである。
すでに地球の人類は70億人に達しており、今世紀中には100億人越える。いつか、増えすぎた人類によって地球の資源は使い尽くされる日がくる。しかし、我々人類は誰しもが納得できる人口抑制の方法を確立していない。
こういった問題は将来、科学が解決してくれるものという楽観論もあると思うが、本当にそうなのだろうか。
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新年早々、なかなか刺激的なタイトルだが、陰謀論めいた話でもなければ、悲観論のみに終始した内容でもない。
新しい年を迎えると、人は「おめでとう」と言う。友人や知人に赤ちゃんが誕生しても「おめでとう」と言うだろう。だが、そんな身の回りの「おめでとう」の集積が、社会や世界全体で見た時にも、本当に「おめでたい」状況になっているのか。そこには、直視しなければならない現実がある。
ホモ・サピエンスが初めて姿を表してから、人口が10億人に到達するまでにかかった時間は20万年。その後のわずか200年余りで人口は約70億人までに膨らんだ。そしてその勢いは留まるところを知らない。もしも人類がこのまま軌道修正を -
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「滅亡へのカウントダウン」
何とも気分の晴れない本だった。人口爆発による人類の危機についての各地のレポートと種々の回避策についてのノンフィクションである。
昔、高校の時にローマクラブの「成長の限界」が大きな反響を呼んだときのことを思い出す。あのときは石油が40年で枯渇するといわれ、そのうち電気製品を買っても使えなくなるのではないかと心配した記憶がある。本書のなかでは1970代以降危機が先延ばしされただけで、人口増による資源不足、環境破壊が人類を破滅に導くと警告している。
地球が人類を支えられる適正人口規模は20億人ということなので1900年ぐらいの規模である。いくら人口が少なくても資源を浪費し -