佐伯胖のレビュー一覧

  • 「わかり方」の探究 ~思索と行動の原点~

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    冒険の書の推薦本である。ひとつのことを書いたわけではなく、様々な雑誌に掲載した文を集めたものである。したがって内容については順を追っての一貫性はないが、わかりやすい。学部の学生が読んでも理解できるであろうし、教員養成系大学の学生にとっても児童生徒が理解するとはどのようなことであるかということが、認知科学を知らなくても理解できるようになっているのでお薦めである。

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    2024年03月27日
  • 「わかり方」の探究 ~思索と行動の原点~

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    「わかり方」という言葉自体も新鮮な感覚だったのだろうと読後に感じます。とてもよかったです。よかったけれど、それを頭の中で、さてどういうことかと整理しようとしてもうまくいかないのです。具体的な子どもを前にしたイメージをしてみると、なかなか思った通りにもいかないなと。
    そういう思考自体が楽しいので、とても、よかったと言えます。

    教師として、「わからせ方」を研究してきたのだなと気付かされます。子どものわかり方について考え、子どもはどうわかるかということについて研究をしてきていたら、子ども観も指導観も変わっていただろうと思います。

    一番は、「学校が学びと遊びを分けてしまった」というところです。遊ん

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    2024年01月07日
  • 「わかり方」の探究 ~思索と行動の原点~

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    学校教育向けに書かれた本だが、企業の社員教育にあてはめても、うなずける内容が多かった。特に、1章は、OJT を実施していく上での学習者の現状を理解、指導していく上での指針になりそう。後半に読み進むにつれてエッセイ色が濃くなるが、それはそれで面白く読めた。

    学術的な話題も散りばめられてはいるが、読みやすい文章で書かれており、各トピックも適度な長さなので、一気に読めた。ただし、先に著者の主張とは異なる意見(従来意見)を紹介しておいて、後からそれを否定する、という形で書かかれている部分いくつかあるので、安易に拾い読みすると(従来意見だけを読んで)誤解するかもしれない。

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    2021年06月13日
  • 「きめ方」の論理 ──社会的決定理論への招待

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    ネタバレ

    NSGA-Ⅱを使った多目的最適化をやっていて、かつ最近ではDeepLearningにもかぶれているという事もあり、非常に楽しく読めました♪

    前半部分については、目的関数が複数ある命題に対してどうやってただ一つの最適解を定義するかについて記述されており、最適化に関するテクニックではない歴史的な流れを学ぶ事が出来、大満足!後半は後半で、日常生活に落とし込んでの示唆に富んだ楽しい本でした♪

    以下、380ページ目にあった、僕が一番心に残った箇所を抜粋して紹介します☆
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    人間を狼だと仮定して考案される仕組みは、どんなに立派に見え、頑強に見えるオリを作ったとしても、どこ

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    2021年03月16日
  • 「学び」を問いつづけて ~授業改革の原点~

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    ずいぶん前の論文も入っている本ですが,なかなか刺激的でした。昨今の「学力問題」問題を考える時の基準にもなりそうです。
    「本来の発問は,触発的な発問だと思う。答えを言わせる発問ではなく,教師の発問が刺激となって子どもの探究がはじまる発問こそが真の発問である。」と佐伯氏。仮説実験授業の「問題」は,まさに,こういう発問の代表と言えるでしょう。
    「<問う>ということを教えるのでなく,教師が頭に描く<答え>を当てさせるための発問はすべて非・教育的発問と言わねばなるまい。」
    ここまで切っちゃうと,浮かばれない現場教師がウヨウヨいそうです。

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    2014年09月13日
  • 「わかり方」の探究 ~思索と行動の原点~

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    何度も読み返したい一冊。

    そして、たとえば、
    ●できるとは・・・
    ●信じるとは・・・
    ●わからないということの意味
    ●見えるとは・・・
    ●遊ぶということの意味
    ●話すとは・・・
    ●笑うとは・・・
    ●泣くとは・・・
    などなど、
    大切な人の言葉をじっくり聴きたい。

    あなたを知りたい。
    そして、
    自分を知りたいと思うのです。

    あとがきにある
    *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
    物事がわかるには、どうやらひとにはそれぞれのわかり方なるものがあるらしいこと、そのわかり方がずれていると、ある人には実によくわかる話が、

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    2011年02月28日
  • 「わかり方」の探究 ~思索と行動の原点~

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    一番のヒットは『「きめる」は「きまる」できめる。』
    学ぶことを本当に真摯に問い続けていてとても面白い知的探求。
    が、自分の思考ではすぐ忘れてしまうので何度も何度も読みたい。

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    2010年12月30日
  • マルチメディアと教育 知識と情報、学びと教え

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    「学校」という教育現場において、マルチメディアがどのように使われているのか、について理論的に解説されている。Lave,Wengerの唱えた『正統的周辺参加』の理論を、著者ならではの切り口で分析している。

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    2009年10月04日
  • 「きめ方」の論理 ──社会的決定理論への招待

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    社会的決定理論の証明や論理展開は数式が多く難解だが、帰結を知るだけでもかなり有益。網羅的に内容を理解するための入門書としてとても良いと思う。

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    2024年10月17日
  • 「きめ方」の論理 ──社会的決定理論への招待

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    どこで紹介されていたのか忘れてしまいましたが、2023年2月7日に登録した本です。

    タイトルを見て、論理だけで「決め方」を説明する本かと思ったのですが、数学を用いた説明もいろいろと出てきたので、若干戸惑いながら読み進めました。
    「最大多数の最大幸福」や「功利主義」や「効用の最大化」といった考えと親和性のある本です。

    普段から、「部分の集合は全体ではない」ことを忘れないように心掛けているのですが、「決め方」についても、まさにそうで、部分ごとに適切だと思う「決め方」をしても、それらを単純に集めて全体の「決め方」にしてしまうと不都合が生じることがある、という話が何回も出てきます。
    最も知られてい

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    2025年03月17日
  • 「きめ方」の論理 ──社会的決定理論への招待

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    多数決にせよなんにせよ、いちおうは合意したルールのもとで意思決定を行ったにもかかわらず腑に落ちない。不公平感が漂い、モヤモヤする。それもそのはず、「きめる」ということは難しいのだ。しかも、それは異なる価値観、尺度を有する個々人の間で決めなければならない。
    数式が顔を出し、傍らで「公平とはなにか」というような哲学的問いが投げかけられる本書は難しい。しかし決定論にまつわる研究の一端を知り、この難しい命題に思索を巡らせられるようになるという点だけでも、一読の価値はある。

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    2021年05月13日
  • 「わかり方」の探究 ~思索と行動の原点~

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     以前紹介した『学びを問いつづけて』の著者です。金大附属の発表会のときの講師として招待している(この方の理論を元に研究している)ということを中前さんから聞いたので,オジャマする前に読んでおかなければと思って手に入れて読んでなかったやつです。
     本書の発行は2004年となっていますが,収録されている文章は,1984年~2004年に執筆したもので,著者の考え方が手に取るように分かる気がします。
     具体例を挙げてみます。

     日本人の「話し方」に存在する気くばりの大部分は,第三人称への気くばりである。「みんな」,「よその人」,「見知らぬ人」,「お客さん」,「聴衆」などへの気くばりである。必然的に,「

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    2019年02月26日
  • 「きめ方」の論理 ──社会的決定理論への招待

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    元々難解な概念を取り扱っているのだから仕方がないのだが、何ともわかりにくい。
    結局、いくら数学的な表現を駆使して『決め方』を追求しても、結局は『正しい決め方』は個人の利害を超えた社会性とか倫理観に依拠するという身も蓋もない話になる。もっと実践的で白黒明解な決め方の正解を期待したのだが。
    まぁそうであるからこそ、世界中で様々な選挙制度が採用されているのだろう。唯一絶対の『正しい決め方』が幻想である事だけは理解できた。

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    2024年04月22日
  • 「きめ方」の論理 ──社会的決定理論への招待

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    数式のところは、結構面倒くさいが丁寧に読み進めていくと、よくわかる。どんなきめ方も一長一短があり、そのことを理解して決定内容を見ていきたい。数式がないところだけ読んでもためになる。

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    2019年07月22日
  • 「きめ方」の論理 ──社会的決定理論への招待

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    過去の読書会課題本。元々、経済数学の入門書として書かれたモノらしい。数学についての本なので、当然数式が出てくるが、読み飛ばしても内容理解が出来るように書かれているので、数式が苦手な人にも面白く読める。本書から、数学で人間の選好や行動原理を説明することの難しさを実感できた。やはり人間の行動には数学的な論理では説明しきれないところが多々あるんだろうということを改めて感じられたので、それなりにいい読書体験になったと思う。

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    2019年04月02日
  • マルチメディアと教育 知識と情報、学びと教え

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    小数点と小数点の掛け算に関しての教育をめぐる論争が見もの。たしかにあれは難しい。これだけ考えてやってくれていれば、うちの娘も理解できるだろうに。それ以外にも佐伯本にしては珍しく、あえて論争的な記述が目立つ。太郎次郎社だからか。

    ・教育界では、「〜力」という言葉がやたらと使われる。
    ・納得がいく。腑に落ちない。
    ・情報化によって非意図的に入ってくる情報が飛躍的に増大してくる。
    ・体験情報の肥大化による体験のゆがみ。五感にばかり訴えて、内省の機会を奪っている。
    ・自ら学ぶ、から、ともに学ぶへの転換。他者の発見。
    ・探求の数学と塾の数学

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    2012年03月25日